学童の夏祭りアイデア!実践付きで紹介します!

学童の夏祭りどうしよう…?

夏休みが近づいてくるとなんだかソワソワしますよね(笑)非常に長い夏休み乗り切れるか心配ではないでしょうか(笑)

夏と言えば、プールやそうめん流し、すいか割など季節の行事もあります。そして夏祭りも!

今回は、学童の夏祭りについて紹介したいと思います。せっかくだから、子どもたちに楽しんでもらえる夏祭りにしたい!そして、子どもたちが学べる夏祭りにしたい!その両方を実現させる方法になっていると思いますので、ぜひ最後まで読んでもらえると嬉しいです。

学童の夏祭りアイデア

上記で書いたように、学童の夏祭りを子どもたちが楽しめる方法と、学びに繋がる方法を紹介したいと思います!

子どもたちが楽しめる方法!

「子どもたちが楽しめる」について、保育園や学童で良く聞く反省ですが・・・、大人が何かを企画して子どもたちを遊ばせるとします。分かりやすいもので言えば、サッカー。サッカーをして遊んでいる時は楽しそうに遊んでいるのに、試合が終わると「先生、もう遊んでいい?」と言われることありませんか??

いや、「今遊んだやん!!」と思うかもしれませんが、子どもたちにとって楽しくて本当にやりたい遊びは、子どもが自分で決めたことです。

確かに、大人が企画したもので楽しそうに遊ぶこともありますが、長続きしません。「次は??」「なにかしよう」「なにかして」大人頼りの子どもたちになってしまいます。そうなってしまうと、大人は企画や準備に追われ追い付かなくなってしまいます。

まず、子どもたちが楽しめる方法としては、子どもが自らやりたい!と思い、それを実現できるようにする事が大事です。

子どもたちが学べる方法!

子どもの学びは「勉強」だけではありません、子どもにとって遊びも大切な学びです。特に、遊びの中で様々な体験を重ねていくことが重要で、子どもの成長に大きく関わってきます。

また、教育は大人が教えることだと思われがちですが、大人が介入しすぎると子どもの成長する機会を奪うことにもなりかねません。

子どもがやってみようと挑戦していることは、失敗しても成功しても学びに繋がります。大人の役割としては、子どもが自らやろうとしている時は、とことんやらせてあげること。そして、サポートを求められたり、挫けそうになったりした時にはフォローしてあげる事が大事です。

最近になって、日本の教育が見直されてきており、”子どもの主体性””子どもの自主性”が重要視されるようになってきています。これからの時代を生きていくために必要な力は、大人が教え込むのではなく、子どもが持つ能力を引き出していくことが大事で、それこそが教育者に求められています。

学童は、世間一般的に、子どもをただ預かるだけの施設だと思われているかもしれません。しかし、学童の運営指針にも教育的な記載がされていて、支援員は子どもの成長のために学童の質の向上に努めていかなくてはいけません。

子どもたちが学ぶことができる方法とは、大人が教えるのではなく子どもたちが自分の力でやろうとすることが大事なのです。

これからの時代、身に付けるべき能力についてまとめた記事

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子どもの主体性 抑えておきたいポイントと実践例を紹介します!

子どもたちが楽しめて学べる保育方法!

「楽しさ」「学び」2つをクリアする方法が、私の勤める学童で実践している”クエスト”です。

大人主導ではなく、子どもたちが主体的に自主的に取り組めるように工夫し、子どもたちの姿も大きく変化しました。

クエストを初めて5年ほどにになりますが、学童に通ってくれる子どもたちは、できることが増えたことで自信が付き、自分たちで提案したことを1つずつ実現してきました。これからの時代に必要な力が身についていっていると実感しています。

”クエスト”について具体的にまとめた記事がこちらです。ぜひこちらから読んでください!

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学童の夏祭り【実践紹介】

令和5年度の学童の夏祭りの実践例を紹介したいと思います。

クエストを使って、大人主導ではなく子どもたちが中心になって夏祭りを作り上げる方法です。

①クエストを利用して、夏祭りの周知と、子どもたちで出店をしてくれる人を募集

まずは、クエストを利用して夏祭りがあることを子どもたちに周知します。「〇月〇日夏祭り開催!」のような貼り紙です。

そして、夏祭りで、子どもたちからの出店を募集することも記入しました。

貼り紙

【出店募集の内容】

夏休み最後の日の夏祭り。先生たちは出店を準備している。お友達と協力して出店をやってくれる人を募る。稼いだら稼いだ分だけ学童マネーがたまるかも⁉どうやったら買ってくれるのか考えよう!

この貼り紙を見て集まった子どもたちの出店の数は、7店。
・折り紙屋さん ・お寿司屋さん ・雑貨屋さん ・ぷよすくい屋さん ・おやつ屋さん ・くじ引き ・ポップコーン、焼きそば屋さん

それぞれ、3~6人くらいの仲間とともに参加してくれました。

 

②夏祭りのイメージを固める

参加者は集まりました。子どもたちで作り上げると言っても丸投げしてしまっては、できない子も出てきます。

そのため、子どもたちとの会話などで、夏祭り当日は、13:00くらいから出店が始まって、お客さんが好きな出店を回る。出店以外にも、出し物があり、保育園の子どもたちも遊びに来る。出店では、商品を売ってお金を貰う。と当日の夏祭りがどんな風になるかをイメージさせ、出店に必要な物は何だろう?商品はどういうものが良いのだろう?金額設定はどのくらいが良いのだろう?どれくらい準備期間があるのだろう?など考えるべきことリスト・やることリストを一緒に作ります。

イメージが湧き、そこまでの道筋が掴めると子どものモチベーションは高まります!「なんか、できそう!!」だと思うからです。

そこまでは、大人が会話の中で気づかせたり、「祭りの写真を見て見たら?」とヒントを出したりすることが必要です。

③準備に取り掛かる

それぞれ、出店のイメージを掴んだ子どもたちは準備取り掛かります。各チーム取り組み方は様々で、役割分担を決めて取り掛かるところやみんなで一斉に1つ1つ進めて行くところ、1人が指示を出して周りを動かすところなど見ていて面白いです(笑)

大人はほとんど介入しませんが、助けを求められた時にはちゃんと応えます。「こうすればいいんじゃない?」「こうしたほうが良いよ」など答えになることはできるだけ言わず、「○○が見本になりそう!」「○○のお店のレジに○○があったよ」などヒントになる声掛けをすることを心がけます。

また、どうしても子どもたちだけで解決できないこともあるため、意見箱/要望書を設置して、大人へのお願いができるようにしています。例えば、「夏祭り当日に学童の備品を使いたい」「作り物の材料を揃えて欲しい」など。子どもたちからの意見や要望は、大人たちで協議して返答します。

意見箱は、クエストを始めた時に同時にスタートしましたが、自分の意見やアイデアを提案することで、他の人や学童の取り組みを動かすことができる体験をしてほしいというのが狙いです。これまでの日本の詰め込み型の教育では、子どもが意見しにくい環境でネガティブ思考で自己肯定感が低い傾向の子が多く育ってきました。実際に、以前の学童でも「どうせ○○できん」「言っても無駄」などやる前から諦める姿が多かったです。

意見箱を設置して、子どもの意見に大人がちゃんと返答していくことで、今ではかなりの量の意見が出るようになりました。年齢関係なく、発言や提案ができることは、これからの時代でも必要な能力の1つだと言われているため、意見箱の設置は良かったと思っています。

④大人は大人で準備

子どもたちが自分たちで出店の準備を進めている間に、大人たちは何をしていたかと言うと、まず1つ目が、夏祭り自体が成功するように、出店の進行状況や当日の流れなど大人同士で共有し、詰め作業を行いました。2つ目は、夏祭りで出店をやらない子たちへのアプローチです。出店に参加したくない子もいるため、「出し物ならどうか?」「やっぱり出店を今から手伝うのはどうか?」などできるだけ行事に参加してもらえるように工夫します。

結局、流れに乗れず出店に参加したかった子たちが数人いて、出店の手伝いをすることに(笑)
また、出し物だったらやりたい子もいて、出店とは別にステージを用意して出し物を披露する時間を設けることにしました(笑)

⑤夏祭り当日

手作りお寿司屋さん
手作り雑貨屋さん
雑貨屋さん
シール屋さん
ぷよすくい
かき氷屋さん

 

出し物をする子ども
寿司屋さん
シール屋さん

学童の夏祭りの流れは以下の通りです。

12:30から出店セッティング

13:00から出店スタート

14:00から園庭で出し物スタート

15:00出店終了

16:00片付け終了

どの出店もかなりの量の商品を準備していたみたいで、品揃えが豊富でした。そして、金額も自分たちで細かく設定しているみたいです。

大人の思っている以上に、子どもたちだけでちゃんとした出店を作ることができ、出し物もダンスやけん玉、手品など堂々と披露してくれて、夏祭りがとても充実しました。子ども同士で、かなりの学童マネーのやり取りがあったみたいで、最後の最後まで、「値下げしました~」「残り3つです!」など売り子の声が聞こえていました。

夏休み中、商品を手作りしたり出店のレイアウトを考えたりして、自分たちで形にした夏祭りは、子どもたちにとって学びになったと思います。また、こうした取り組みの中で教え合ったり協力したりと、年齢関係なく子ども同士が関わり合うことでさらに学びに繋がっているのではないでしょうか。

学童の夏祭りを、大人主導から子ども主体に切り替えたことで、夏休み中の子どもたちの過ごし方も変化しました。「今日は○○をする」という目的が持てることで、「ひまい」「つまらない」などの言葉は減り忙しそうにしています。遊びが豊富にあって、したいことが沢山ある学童は支援員みんなで目指してきた形なので嬉しいです。今後も、更に子どもが中心になった活動が増えていけばなと思います。

学童の夏祭り まとめ

1,クエストを取り入れたことで、楽しくて学びのある活動が増えた!
2,学童の夏祭りは出店と出し物を子どもたちが作り上げると盛り上がる!
3,子どもたちが自分で作り上げることで夏休みの過ごし方も充実した!

ちなみに、令和6年度の夏祭りは現在、子どもたちに出店や出し物を募集している段階です。
クエストと意見箱がより浸透したため、大量のアイデアが出ています(笑)

2024年出店募集
夏祭り出店募集
子どもからの意見
子どもたちから集まったアイデア
出店リスト
全部で23のアイデアが集まった
ドリンク屋メモ
自分たちでやることリストを作っている
いるものメモ
自分たちで考えた”いるものリスト”
夏祭り出店計画表
多分、夏祭り全体の計画表だと思います
夏祭り出店計画表
多分、夏祭り全体の計画表だと思います

こんな感じで、子どもからの意見が豊富に出ることが第一歩です。

こんなに沢山の意見が出るということは、日頃から子どもたちの意見を保育に落とし込めている証拠で、支援員さんみんなの努力の証ですね!
子どもからの意見を基に、大人は子どもとの会話ややり取りの中で、子どものイメージを膨らませ具体的にして、実現するために子どもと同じ目線で一緒に考えていきます。

さて、学童の夏祭りは今年はどうなるのでしょう??昨年よりも、盛り上がりそうな予感⁉(笑)