学童で宿題をさせるべき?質の高い学童保育を目指した取り組み

学童で宿題を見てもらえないの??

と思う保護者の方は多いと思います。

また、学童で宿題をさせるべきなのかどうか??

と悩む支援員の方も多いのではないでしょうか。

私も学童支援員として学童に勤務することがあります。

以前、「学童の宿題問題」については、私の勤める学童でも議題に上がりました。

今では、職員同士で意見を出し合い、保護者も納得のもと取り組んでいます。

今回は、「学童の宿題」をテーマに書きたいと思います。

学童で宿題をさせるべきかどうか⁉

結論から言うと、宿題をさせる必要はありません。

下の枠は、放課後児童クラブ運営指針の抜粋です。

放課後児童健全育成事業は、児童福祉法第6条の3第2項に基づき、・・・授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与え、子どもの状況や発達段階を踏まえながら、その健全な育成を図る事業である。
ここに書かれているように、遊びと生活の場を与えること学童の役割です。

家庭の子育て支援を担っている

しかし、こうも書かれています。
放課後児童健全育成事業の運営主体及び放課後児童クラブは、学校や地域の様々な社会資源との連携を図りながら、保護者と連携して育成支援を行うとともに、その家庭の子育てを支援する役割を担う。
その家庭の子育てを支援する役割を担う。
学童で宿題をしなかったら、家庭で保護者が見てあげる必要があります。
仕事後に、家事をして、宿題を見る。大変ですよね…。
それに、子どもが遊び疲れ、眠たくなって宿題をしないこともありえます。
放課後児童クラブ運営指針には、学童で宿題をさせるべきという文言はありません。
しかし、子育てを支援する役割も担っていると考えると、
宿題を全く見ない、全くさせないというのは、違う気がします。
結果、宿題をさせる義務はないが、子育ての支援として宿題をさせる努力は必要だということです。

保護者の意見VS支援員の意見 事例

「学童で宿題をさせる・させない」について、保護者側と支援員側でのやり取りがある掲示板でありましたので、紹介します。

保護者側の意見

保護者A
宿題を半分しかやってなかったり、まったく手をつけた形跡がなかったりします。子供によると、宿題をやる時間はあるけどうるさすぎて集中できない、先生は見てるだけだそうです。  3時間も学童にいるので、宿題くらいやって欲しいなと思います。
保護者B
学童だとあまりキツく指導員さんが宿題やりなさいと言って、子供が学童行きたくないと言われても困るので宿題を見てはくれないのでは? うちの娘の学童も、宿題をやる時間はあるけど強制ではないと言ってあまりやってきません。結局家に帰ってからやります。

支援員側の意見

支援員A
支援員B

学童で変わりますが普通は見ます。 ただし、家でもやらない子は学童でもやらないでしょうね。 1年生は早く帰って来るので見る時間は有ります。ですが限度も有ります。やらない子1人だけに2時間とか割くのは無理です。

どこの学童でも同じような悩みがあるということですね。

同じ支援員としては、”全く見ない””教えない”というのは反対です。

確かに、教師ではありませんし、変に教えてしまうことで逆効果になる可能性もありますが、子どもと保護者のために、工夫する努力はするべきではないでしょうか??各ご家庭の意見を聞く、小学校と連携するなどできることはあるはずです。

私の勤める学童では、職員間での協議の末に、この問題に答えを出しました。

その取り組みを紹介します。

学童で宿題は強制しないが家庭の支援をする方法

宿題が終わるまで遊ばせない

と強制的に宿題をさせていないでしょうか??もし、宿題が終わるまで遊ばせないという関わりをしていたら、学童の役割としても学童の質としても問題です。

「子どもの主体性」と言う言葉を最近よく耳にする機会が多いと思います。

強制的に子どもに何かをさせる、教え込むなどは、子どもの育ちには悪影響だと言われています。

子どもの主体性を重視した保育の方法はこちらの記事で紹介してます。

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そのことを踏まえて、私の勤める学童では、学童の役割についての説明と、強制的に宿題をさせることはしないことを保護者に伝え、ご家庭での大変さも理解できるため支援はしたい旨も伝えました。

学童の方針を保護者にしっかり伝えるというところから動き始めました。

保護者と子どもとで宿題にルールを設ける

保護者の方に説明した後に、子どもと保護者とで宿題の約束を決めてもらいました。

そして、各ご家庭の約束を記入した紙を室内に掲示しています。

宿題の約束事の内容は大きく3つです。

1,全部終わらせてから遊ぶ。
2,漢字は終わらせてから遊ぶ(半分はやる)。
3,終わらせなくてもいい。

各家庭で、宿題の約束事を決めてもらった後は、私たち支援員は、この約束事に沿って声かけや対応を行います。

保護者と子ども間の約束ですので、変更したければ保護者を説得しなくてはいけません。

子どもが保護者を説得するための手伝いはもちろん行います。

約束事を決めてもらった理由には、私たち支援員が、強制的に子どもたちに宿題をさせることをしないためと、子どもたちの宿題を保護者の方にも把握してほしいという思いもありました。

意外と、「全部は終わらなくていい」という意見が多く、「全部終わらせる」は少数でした。

結果的に、学童で宿題をさせるべきかどうかという問題は、個別に対応することで、「させる」・「させない」の2択ではなくなりました。

そして、子どもたちも保護者と決めた約束なので守ろうと頑張ってくれています。時々、子どもの意見が全く通らず「全部終わらせる」の約束事になってしまっている子もいますが、一緒にお母さんを説得しよう!と子どもと作戦を立てたりしています(笑)

学童の方針や考えをしっかりと伝え、保護者の意見も聞く。

当たり前のことのようで、意外とできていない部分なのかもしれません。

学童の宿題問題を見直した結果、学童の方針をしっかり伝えて理解してもらうことと、保護者からの意見も聞くことの大切さに再度気づきました。

学童で宿題ができる環境を整える

学童で勉強を「させる」「させない」の問題点の他に、大事なことがあります。

勉強ができる環境を保障することです。

頑張ろうとする子が、集中できる環境作りは支援員の役割です。

勉強をする部屋は静かかどうか?

邪魔をする子がいないか?

など室内の環境構成の工夫と、子どもたちに共有スペースのルールを伝える必要があります。

私の勤務する学童では、静かな部屋みんなでわちゃわちゃ遊ぶ部屋メリハリを大事にしています。

また、勉強中、他の人に迷惑をかけないことは常に伝えています。

こうした関わりを、支援員全員が一貫して行えることが大事です。

学童で宿題をさせるかどうか まとめ

私の勤めている学童の実践例を踏まえ書きました。

1,学童は宿題をさせる義務はないが、家庭の支援は必要。

2,そのため、強制的にさせる・全くさせないの2択はどちらも良くない。

3,子どもと保護者の宿題の約束を基に対応する。

4,宿題に集中して取り組める環境を保障する。

以上が、うまくいった事例です。

あくまで1つの意見ですので、正解とは限りません。少しでも、参考になれれば幸いです。

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