視野の広さは保育に欠かせないスキル⁉保育士目線で解説

視野の広さが気になることはないでしょうか?

自分の視野の広さが気になったり、あの人は視野が広い、あの人は視野が狭いと感じたり、仕事をする上で誰かと一緒に働く場合は視野の広さが気になる習慣があると思っています。

また、仕事をする上である程度の視野の広さは必要であり、広ければ広いほど周りから頼られたり、仕事ができると評価されたりするのではないでしょうか。

実は、保育士にとって視野の広さは必須のスキルです。
今回は、保育士に必要な視野の広さと、保育現場での事例、視野を広くする方法について保育士目線でまとめてみました。

視野の広さが保育に必要な理由

なぜ、保育士に視野の広さが必須なのでしょうか。

答えはシンプルで、複数の子どもたちを保育しなくてはいけないからです。
1対1で子どもを見るのであれば、その子にだけ注意すればいいのですが、保育園の仕組み上そんな訳にはいきません。

例えば、3歳児クラスで10人くらいの子どもを1人で保育している状況。

室内で遊んでいて、製作やブロック、ゲームパズル、おままごとなど子どもたちが散らばって遊んでいます。
保育士の役割としては、子どもたちのケガを防がなくてはいけませんよね。室内遊びで起こりそうなケガは、製作のハサミでケガをするかもしれないし、ごっこ遊びでケンカが起き叩くかもしれないなどの危険が考えられます。

保育士が、製作をしている子にだけ集中しすぎると、離れた所で起きた子どものケンカに気づかないかもしれません。

また、園庭遊びでも同じことが言えます。ブランコで遊んでいたり、虫探しや鬼ごっこなどそれぞれ夢中になって遊んでいる時に、近くの子だけを見る訳にはいきません。近くも見つつ、園庭全体を見ながら保育しなくてはいけませんよね。

このように、1つの所しか見れないのではなく、部屋全体を見ることができたり、園庭全体を見ることができたりする、視野の広さが必要なのです。

園庭で遊ぶ子どもたち

視野の広い保育士は仕事ができる

視野の広さは、子どもを保育する時だけでなく、その他の業務や行事、係りの仕事など様々な部分でも必要です。

私の勤める保育園では、異年齢児保育をしており複数担任で協力しながら業務をこなしています。今月中に終わらせないといけないことや、今週中に終わらせないといけないなどをお互いに把握して、分担しながら仕事を進めなくてはいけません。

このように、職員同士が協力しながら進める時には、1人1人の視野の広さの差が表れやすいと思います。
視野の広い人は、他の人がやっている仕事にも気づくことができるため、自然と他の人よりも仕事量が増えるはずです。
周りの職員からすると、「この人仕事ができるな~」「この人頼りになるな~」という印象を持たれるでしょう。また、様々な仕事に携わることで自然と身についていくことも増えますよね。その結果、仕事ができる人になるのです。

とは言っても、視野が広いだけでなく気づいたらすぐに動くことができる行動力が伴っていないと、身についていくことも少ないですし、周りから頼られることも少ないかもしれません。

視野の広さはリーダーには欠かせない

周りから頼られるという話が出ましたが、視野の広さはリーダーには欠かせない能力です。

「リーダーにふさわしい人の特徴は?」と検索してみると…

・目標達成に真摯に向き合える
・論理的に考え、意思決定できる
・学び続ける姿勢がある
・行動力がある
・視野が広い
・メンバーの実力を発揮させることができる
・自己認識力と高いコミュニケーション能力がある
・誠実なコミュニケーションが取れる
・協調性があり、信頼にたる人物である
・慎み深い、謙虚な心がある

リーダーには様々な資質が必要ですが、視野の広さと行動力は、やはり必要な能力だと言えます。保育士を続けて中堅やベテランになっていくとクラスリーダーや副主幹、主幹と管理職に就くこともありますよね。ただ経験年数が多ければいい訳ではなく、管理職に求められる能力は違います。今回は、「視野の広さ」をテーマにしていますが、保育現場の時から視野が広く、行動力のある人がリーダーになっていくのかもしれませんね。

視野の広い人の特徴 保育事例紹介

子どものケガや事故を防ぐ回数が多い

保育士で視野の広い人は、子どものケガを防ぐ回数が多いはずです。噛みつきを止める、転落を防ぐ、迷子になるのを防ぐなど。
冒頭に書いたように、保育士は、複数人の子どもを一斉に保育する場面が多いです。1か所しか見れない人よりも全体を満遍なく見ることができる人の方がケガや事故に繋がりそうな可能性を見つける頻度が高くなります。その結果、ケガや事故を防ぐ回数が増えると言えます。

具体的には、園庭で子どもたちが遊んでいる時に、子どもとボールで遊んでいたとします。ボールで遊びながらも、園庭全体を気にして他の子の様子を確認していると、遊具の上ではしゃいでいる子たちを見つけました。落下する危険性があると感じて、側に近寄る、または「落ちないように気を付けてね」と声をかける。このようなことを自然とやっている保育士さんは視野が広いと言えるのではないでしょうか。

園庭の遊具で遊ぶ子ども

保育室の立ち位置を気にする

保育室でも子どもたち全体を意識して保育している人は、保育室内が見渡せる場所に居たり、子どもたちに背を向けないように壁側に背中を向けるようにしていたり、保育室内を動き回っていたりします。時には、座って子どもと一緒に遊ぶときもありますが、「こっちでやろう」部屋全体が見やすい所に座ったり、たまに部屋全体の様子を見たりしているはずです。視野が広いと言っても視界が広い訳ではないので、目の前のことだけでなく「全体を見ないといけない!」という意識を持ちながら保育しているかどうかが違うと思います。

室内で遊ぶ子どもたち

見通しと予測することができる

視野が広いと思う人の特徴で、先々のことを見通して動くことや子どもの動きやケガに繋がるかも…と予測できると感じます。
保育中に1か所に集中して見るのではなく、全体を見る意識を持っていることと同じで、業務的な部分でも目の前の作業の他に、何をすべきなのか。優先順位的にどちらから終わらせた方が良いか。など見通しを立てて行動できる人が多いと思いのではないでしょうか。また、子どものケガや事故を防ぐには、ある程度「こんな危険があるかもしれない」という予測が必要です。ブランコで遊んでいる所に、鬼ごっこに夢中になっている子が走り込んできて衝突するかもしれない。など予測しながら保育するため、自分が今どこにいるべきか考えて動き、多くのケガや事故を防いでると言えます。

視野が広くなるためには?

では、視野が広くなるためにはどうすればいいのでしょうか。

視野が広い人とそうでない人との違いを書いてきましたが、一番の大きな差は”意識”の差です。
保育で言うと、全体を見ようとする意識を持ちながら保育しているかどうか。

私も保育士をしていて、視野が広いとは自分では言えませんが、新卒の時に比べると広い範囲の子どもたちを見守れる自信はあります。最初の頃は、目の前の噛みつきすら防げない時期がありましたが、全体を見る意識を持ちながら保育するようになると、ただ座っていることはなくなりましたし、常にキョロキョロ周りを見るようになりました。

しかし、ずっと「全体を見ないといけない」と意識し続けることはかなり疲れます。経験を重ねていくと、ケガが起きそうな雰囲気や状況を察知できるようになったり、自分が見なければいけない範囲にも敏感になったりして、全体を意識して見る場面と力を抜いても大丈夫な場面が分かってきます。また、意識していくことで次第に視野も広くなっていくでしょう。

視野が広くなりたいと思うなら、意識的に全体を見よう!多くのことに気づこう!と取り組むことが近道ではないでしょうか。

保育士目線の視野の広さ まとめ

1,保育士には視野の広さが求められる
2,視野が広い人は仕事ができ、周りから頼られる
3,視野の広さはリーダーには必須のスキル
4,意識的に視野を広くすることが大切
保育士目線で視野の広さについてまとめてみました。
自分や他の人の視野の広さを意識している人は、すでに全体的な保育士の動きなどを意識できている人だと思います。
保育が変わっている今、保育士1人1人の意識や保育技術、保育士全員のチーム力が問われるようになってきていますね。
今回の視野の広さなど、保育士に必要な能力など具体的な事例の言語化はあまりされてきていないので、模索しながら取り組んでいるのではないでしょうか。私の園でも、職員みんなで話し合いながらベストな保育方法を探しています。
少しずつ紹介していければと思いますので、他の記事にも目を通して頂けると嬉しいです。