手が出る子ども(0歳児~小学生高学年まで)への関わり方

手が出る子どもの対応に困る…。

育児をされている方や保育士、教師など子どもと関わる方にとっては悩まれる方が多いのではないでしょうか。

私は普段、保育園児や学童児童と毎日のように関わっています。
保育園の0歳から2歳では、手が出る子どもの割合は、ほぼ100%です。

そして、3歳、4歳・・・小学生へと学年が上がるにつれて手が出る子は少なくなります。

 

・・・・と思っていました。

しかし、学童児童の手が出る子の割合が高くてびっくり。

今回は、手が出る子どもの特徴や原因、大人が取るべき対応について紹介していきます。

子どもの手が出る原因

なぜ手が出てしまうのか?その原因から考えます。

先ほど0歳~2歳までは、ほぼ100%の確立で手が出ると書きました。
手が出るのは、決まって嫌なことが起きた時です。

例えば、友達にものを取られた時やぶつかった時、邪魔な時など。

『嫌だ』という感情を、手を出す(相手を攻撃)して表現するのです。
2歳頃には、感情を抑制する力がついてくるため、手を出そうとはするものの、我慢する姿も見られます。

 

では、手が出てしまう3歳児や小学生は感情を抑制する力がついていないのでしょうか。

 

 

もちろん、感情の抑制力も関係していますが、感情の表現方法を知らないだけという可能性もあるんです。

これは、学童児童と関わっていて強く感じます。
保育園の時期から、手を出す(相手を攻撃)のではなく、”言葉で伝える”を繰り返している子どもたちは、ほとんど手を出しません。そして、話し合いでトラブルを解決することができます。

反対に、保育園の時期にそういった体験をしてこなかった子どもたちは、話し合いができないのです。
まず、自分の感情を言葉にするところで躓いています。

手が出る子どもの原因は、感情抑制力が育ってないこと感情の表現方法が乏しい、この2つです。

手が出る子どもへの関わり方

言葉で伝える方法を体験する

保育園の時期から、手を出す(相手を攻撃)のではなく、”言葉で伝える”を繰り返していると、話し合いでトラブルを解決できる子に育っていきます。

大人が取るべき対応としては、手が出る時の感情を言葉に代弁してあげることが大事です。
『嫌だったね』と共感してあげることで、子どもは『嫌』という言葉と感情がリンクしていきます。

1歳児後半頃には、言葉も増えて来て『嫌だ』は言えるようになりますよね。
そして、子ども同士のトラブルの度に、大人が代弁してあげることで『貸して』『あとで』『やめて』『一緒にしよう』など相手に訴える言葉も習得していきます。手が出そうになった時には、『やめてって言うんだよ』など、相手を攻撃しなくても言葉で伝えられることを子どもに伝え、そうした体験を積み重ねていくのです。

2歳~5歳にかけては、使う言葉も増え表現にも幅が出来てきます。
子ども同士のトラブルでは、言葉で伝えること以外にも、相手の言葉を聞くことや相手の立場になって考えて、自分の気持ちに折り合いを付ける体験を積み重ねていきます。やはり、大人が『○○ちゃんはおもちゃを取られたことが嫌だったみたいだよ』など、お互いの気持ちに気づかせてあげるような丁寧な関わりが必要です。

体験を積み重ねていくうちに、大人が介入しなくても、気持ちを伝え合い、誤解を解くことができるようになっていきます。

 

小学生で手が出てしまう子は、保育園でこうした体験ができていない可能性が高いです。
その場合は、体験させてあげることが必要なため、小学生であっても、2歳児さんと同じような関わりが必要なのかもしれません。

実際に、4年生同士のケンカの仲裁に入りましたが、気持ちを代弁してあげることが必要でした。

訓練が必要な場合もある

体験不足が原因の場合は、体験を積み重ねてあげることで改善されていきますが、発達障がいがある子どもや感情の抑制ができない子に関しては、訓練が必要です。

また、大人はすぐに止められる距離にいる必要があります。そして、手が出る瞬間に止めてあげ、『叩いたらダメ、蹴ったらダメ』など伝えていくことが大事です。

環境を整えることも大人の役目

保育園や学童の環境もすごく大事です。
気持ちを代弁したり、言葉にして表現したりと丁寧に関わりながら体験させていくためには、丁寧に関わってくれる大人が必要になります。

こうした体験を大事にして丁寧に関わってあげられるためには、保育の余裕や、職員の連携が取れることが重要ですよね。

また、子ども同士で気持ちを伝え合うことができる、落ち着いた空間も重要です。もっと細かく言うと、表情と感情がリンクするような絵本や掲示物、同年代や異年齢の子と十分に関われることなど、保育園や学童の室内環境、人的環境、置いてあるモノなど環境を整えることで、子どもたちの学びに繋がっていきます。

学童でも、手が出る子どもたちへの対応として、話し合いで解決する体験をさせていくための部屋を用意しました。
そして、職員間で子どもへの援助の仕方について議題に挙げ、確認しています。

手が出る子どもの対応まとめ

今回は、手が出る子どもへの対応についてまとめてみました。
学童の子どもたちと関わ関わっていると、保育園の時期の体験がいかに大切かが分かります。

体験しないまま成長していく子どもたちは、小学校以降で体験する場はあるのでしょうか。
学童に来てくれている子どもたちのには、必要な体験はさせてあげたい。

と思いながら、ちょうど学童の方で力を入れている内容でしたので紹介させてもらいました。

その後の経過も、いずれ紹介したいと思います。