夏休みの学童保育は「つまらない」とは言わせない保育方法!

「夏休みの学童保育はつまらない」と子どもがつぶやいてないでしょうか?

夏休みは長く、学童に預けるのが「かわいそう」だと感じる保護者の方は多いと思います…。

楽しくなく、面白くもない学童に、1日中いるのは確かに苦痛です。

今回は、楽しい学童にするための保育の方法について、実践を踏まえて紹介します。

私の勤めている学童でも、以前は「ひまい・帰りたい・なんかしよう」などネガティブな子どもたちの発言が多かったです。

しかし、職員間で「楽しくて学びのある学童」を目指して保育も子どもたちの姿も激変しました。

学童支援員の方にも、保護者の方にもきっと参考になると思います!

夏休みの学童保育がつまらないと言わせない方法!

1,子どもが遊び込む環境作りが大事で遊びのスペースをイメージする!!
2,遊びを増やす!新しく買うだけじゃなく、遊び方まで伝える!!
3,大人が遊びを提案・企画するだけでは楽しい学童は持続しない!!
4,子どもが自主的・主体的に遊ぶ保育方法が大事!!

結論から言うとこの4つが、子どもが楽しいと思える学童への道です。

これから紹介するのは、実際に「つまらない学童」から「楽しく学びのある学童」へと取り組んできた実践報告のような形になっています。

詳しく説明していきますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!

夏休みの学童保育がつまらないのはなぜか?

夏休みの学童保育がつまらない理由はなんでしょう?そこから考えてみましょう。

私の勤める学童を例に挙げると、子どもたちが「つまらない」と言うのは、夏休みに限ったことではありませんでした。

平日は、小学校から帰ってきて数時間しかありません。おやつを食べて宿題をして少し遊んで帰る子が多いので、そこまで目立ちませんが、土曜日など1日中学童で過ごす時には、「ひまい」「なんかしよう」「なんかして」「帰りたい」などネガティブな発言の連発でした。

「つまらない」と言っている子に「つまらない理由」を聞いてみました。

子ども
「つまならい」
支援員
「なんでつまらないの?」
子ども
「することないもん」
支援員
「トランプとかオセロあるじゃん!」
子ども
「え~~、おもしろくない」

ということは、つまらない原因は「することがない」とは言いつつも、「学童にある遊びに飽きている」のが大きな原因だということです。

つまらないから脱却するためには遊び込む環境作りが必要

学童にある遊びに飽きていることを改善するために、子どもが遊びたくなる玩具を増やすことに目が行きそうですが、遊びを増やすよりも前に、遊びの環境を見直すことが大事です。

遊びを増やす前に環境を見直すことについて、少し具体的に書きます!

学童の建物の作りや部屋の広さは変えられません。そして、遊び以外の宿題・おやつ・お仕度などのスペースが必ず必要です。

その、生活で必要なスペースと遊ぶスペースが重なったりしないか、子どもの動線を潰してしまわないかなど、考慮して環境を作っていく必要があります。

遊びのスペースと玩具の種類や大きさが、合ったものを揃えないと、後々大変なことになります💦

私の勤める学童では、まず手書きで環境を図面に起こして、あーだこーだと意見を出し合いながら理想の環境をシュミレーションしました。

家具の配置が書かれた紙

気をつける点は、遊びのスペースを1人で静かに遊ぶ系のものと、みんなでガヤガヤなりそうな遊びは分けるということです。また、勉強とガヤガヤ遊ぶ系の物も離したほうが良いです。

ある程度、ここではこんな遊びをしよう。ここではこうしよう。とスペースをイメージしてから、遊びを増やしていくと上手くいく可能性が高まります!

子どもの遊びを増やす!

環境の見直しと遊びのスペースをイメージしたら、遊びを増やしていきます。

静かに遊ぶ系のスペースには、本、漫画、ラキュー、折り紙、製作、将棋、オセロなど。

みんなでガヤガヤ遊ぶ系のスペースには、ドンジャラ、人生ゲーム、人狼、トランプ、UNO、ままごとなど。

新しい玩具を検討している場合も、静かに遊べるものと騒がしくなりそうなものを気にしながら選ぶと良いかもしれません。

ですが、遊びを増やす=新しい玩具を買うは不正解です

新しい玩具を、買って飽きてを繰り替えすのはもったいないですし、遊びが発展していきません。

子どもの遊びは、アイデアしだいで無限に作り出せます。

遊びの増やし方で大事なコツを別記事にまとめてますので、ここでは省略します。

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大人がイベントや遊びを企画しても、その場しのぎになってしまう…

大人が「○○しよう!」と提案したり、大人がイベントを企画して子どもたちを楽しませようとしたりしてませんか?

子どもに「ひまい」と言われると、どうにか楽しませてあげたいと思って、あれこれ考えて準備したくなりますが、実は、その場しのぎの保育になってしまいます。その時は、楽しいのですが終わったらまた、「ひまい」と言い出します(笑)

結果的に、大人が常になにか新しいことを提案し、企画しなければいけなくなってしまいます。

大事なのは、「子どもが自ら遊ぶこと」です。これは、最近の保育や教育でも「子どもの主体性」「子どもの自主性」などが重要視され、教育が変化してきていることと繋がってきます。

私の勤める学童でも、「子ども主体の学童」をテーマに職員間で話し合いながら、保育方法を作り出しました。

子どもの自主性や主体性についてまとめた記事と、それを実現する保育方法についてまとめた記事もありますので貼っておきます。

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夏休みの学童保育の実践例紹介

具体的な保育の方法について、実践例を紹介していきます。

夏休みの学童保育を楽しくするために、まずは行事を計画しましょう。

私の勤める学童で、夏休みにある行事は、「そうめん流し」「すいか割」「科学実験」「海水浴」「川遊び」「魚釣り」「デイキャンプ」「工作月間」「水鉄砲大会」「夏祭り」「バスハイク」などです。

行事を予定表に間隔を空けて入れると、定期的にイベント行事がやってくる夏休みになりました。

そして、それぞれの行事に向けて、普段の生活の時間を使って、より楽しくなるアイデアを子どもたちと一緒に考えます。アイデアを出したら、行事に向けての準備を子どもたちと一緒にしていきます。これを繰り返しながら、最終的には子どもがアイデアを出し、行事の準備も子どもがするようにしていきます。

大人がすべてをやるのではなく、子どもが提案し企画や準備をするようになれば、「ひまい」と言ってる暇がなくなります(笑)

ただし、強制的に行事の準備をさせるのは、逆効果です。

ここで活躍するのが、先ほど別記事で紹介したクエストです。

子どもたちに強制するのではなく、子どもたちが自分たちから企画し準備するように仕向けることが出来ます。

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こうした取り組みを経て、今の学童保育が出来上がっていきました。

今では、遊びやクエストとして張り出した枚数は、分厚いファイルにも入りきらないほどになりました。

いつのまにか「ひまい」「なんかしよう」「なんかして」などの言葉はなくなり、「忙しい」と言う子がいたりします(笑)

「ぬりえコンテスト描き上げたいけど、いちごとメダカの世話もしないと!」確かに忙しそうにしてます(笑)

「学童楽しい?」と聞くと「忙しいかな~」とか「ひまくはない」などひねった回答がきますが、やりたいことが増えたおかげで今日は何をするか目的を持って来てるみたいです。

「つまらない」と言わせない保育方法 まとめ

ここで紹介したのは、私の勤めている学童の実際の取り組みです。

「子ども主体の保育方法」は、何年も前から、新宿せいが子ども園の理事長 藤森平治氏から学んだことが土台になっています。

時代を見据えて、様々な研究結果を根拠に、今もなお日本全国・海外を飛び回りながら講演されています。

まだまだ勉強中ですが、これからも子どものために良い保育を模索し続けたいと思います。

夏休みの学童保育はつまらないと言わせない保育方法をまとめ

1,子どもが遊び込む環境作りが大事で遊びのスペースをイメージする!!
2,遊びを増やす!新しく買うだけじゃなく、遊び方まで伝える!!
3,大人が遊びを提案・企画するだけでは楽しい学童は持続しない!!
4,子どもが自主的・主体的に遊ぶ保育方法が大事!!

学童支援員の方だけでなく、学童に預けている保護者の方も、ご家庭で実践できる内容だったと思います。

学童支援員としては、保護者の方も学童の保育に興味を持ち、保育に参加してもらえると、より良い学童へと近づけると思っています。

参考になると思ってもらえたら、学童の支援員さんに紹介してみてください!