小学生に釣りを教えたい!学童で釣りをするためのポイントと流れ

小学生に釣りをさせたい!と思っているお父さんお母さん、そして保育士や学童支援員の方々に向けた記事です。

私の勤める学童では、「釣り」が遊びの1つになっています。家庭で釣りをすることが少ないみたいで、子どもたちはかなり喜んでくれます。

こうした学童での実践を踏まえて、小学生に釣りをさせる時に、注意すべきことや流れなどを紹介したいと思います!

釣りにいこう!「保育の実践紹介」

釣りをする子ども

学童では、釣りが好きな支援員が中心になって、遊びの中で「釣り」ができるようにしています!

「釣り」できるようになるまでは、学童の近くにある、海や川を散歩で通って魚がいるかどうか観察してみたり、川の生き物調査としてペットボトルにエサを入れ沈め、どんな生き物が入るかも子どもたちと取り組んだりしたことがありました。

魚がいると分かると、「釣ってみたい」という声が出始めるようになりましたが、初めて釣りに行くまでに、結構、時間がかかりました。小学生に釣りをさせるには危険への配慮が欠かせないため、釣りが出来そうな場所を探したり、道具の準備をしたりと支援員同士で話し合いながら形にすることに時間がかかるからです。

もちろん、初めて学童で釣りをすることになった時は、支援員が実際に釣り場に赴き、魚を釣ってみて下見と検証をしています。

そして、こうした準備を整えてから、第1回目の釣りの日程を職員同士で決定し、「〇月〇日に釣りをします!必要なものは…」と貼り紙で子どもの参加者を募りました。

「参加条件は、釣りのエサを自分で考えて持ってくること」

釣り竿と糸、針、おもりは支援員が用意しますが、釣りに参加する子どもたちへの宿題として、「エサ」の確保は子どもたちに任せました。

そうすることで、魚は何を食べるのか?と各々調べたり、大人に聞いたりしながら準備します(笑)

また、釣りだけでなく釣りのエサ探しとしての保育の取り組みも生まれて、遊びが広がっていきますね!

そして、針の結び方や魚の釣り方は知らない子が多いため、普段の生活や遊びの中で釣り方の話をしたり、実際に仕掛けを作って見せたり、竹の釣り竿をデコレーションしたりと、釣りに向けてのモチベーションを高めていきました。

 

そして、釣り当日を迎えました。

子どもたちが持参して集まったエサは、ミミズ・食パン・ご飯粒・ゼリー・グミ・焼きそば麺など(笑)

ゼリーっておもしろいですよね(笑)案の定、釣りの時に「針に刺さらない!!!」って言ってました(笑)

竹竿を持って歩く子ども

釣り場に出発する前には、注意事項を伝えます。

例えば、竹の釣り竿を持ち歩く時は立てて持ち歩くこと。横向きにしないこと。

→竹竿を横にすると、人や物や車などにあたる可能性があるから。

竿を持ち歩いてるときに紐をほどかないこと。

→紐が何かにひっかり危険だから

餌を付けるときは、みんなから離れて竿をおいてからつけること。

→誰かが紐を引っ張ったり、紐にひっかかったりすると、針が手に刺さる可能性があるから。

餌をつけてから釣り始めまでは紐を持って歩くこと。

→紐と針が誰かにひっかかるから。

など、こうした注意点を理由までしっかり説明しておかないとケガにつながります。

小学生に釣りができるのか?「保育の実践紹介」

釣りをする子ども
釣りをする子ども
釣りをする子ども

事前準備を終え、実際に釣り始めました。各々準備したエサをセットし川へ釣り糸を垂らします。

この時点で、ゼリーは針につけることができずに断念(笑)

竿先が「コツコツ」と動くと、「動いた!食べた!」と喜んでいます。

それを繰り返すうちに「釣れたーーー!!」と釣り上げることができました。

魚を持った子ども
魚を持った子ども
魚を持った子ども

釣り方については特に何も言わなくても、子ども同士でアドバイスし合いながら色々と試している様子で、「ちょっとだけ動かした方がいいよ」とか「ゆ~くり上げたほうがいいよ」など情報共有しています。

初めての釣りでしたが1時間ほどで、20匹以上釣ることができました。

結果的には、ゼリー以外のミミズ・食パン・ご飯粒・グミ・焼きそば麺で釣れましたが、一番はミミズでした。

それを知った子どもたちは、その日からミミズの飼育も始め、学童の建物の横にはミミズ飼育BOXが設置されました(笑)

魚

そんな中、川の底に何かいることに気づき「ヌシだ」「川のヌシがいる」とみんなでヌシの釣り上げにかかります。

子どもがヌシと呼んでいたのは、、、

ウナギを持った子ども

ウナギが釣れると、大盛り上がり!!

なかなか掴めず、数人がかりでやっと確保しました(笑)

「うなぎ初めて見た」「めっちゃヌルヌルしてる」などかなり貴重な経験になったと思います!

小学生に釣りをさせる時の注意点や道具紹介

先ほども書きましたが、小学生に釣りをさせるには、危険への配慮が欠かせません。

釣りで考えられる危険を危険度順にあげると、「溺れること」「滑る、落ちること」「毒蛇」「針がひっかかる」などが考えられますね。

そのためにも、釣り場選びや下見は必ず必要です。また、毒蛇への対処も事前に確認しておきます(マムシ・ヤマカガシなど)。

また、使う道具も工夫しました。

竿は竹の竿を使っていますが、ささくれがないかチェックしたり、糸は細いものを選んだり、針は返しのないものを選んだりしています。

糸が太くて丈夫すぎると針が誰かに引っかかった状態で糸を引いても切れませんよね。より深く刺さる可能性があります。また、人ではなく、何かにひっかけた時も、外すのが大変です。

仕掛けは、竹竿の先からは、多少太目の釣り糸サルカン0.6号のハリスを付けて針にしています。サルカンがおもりの代わりになることと、ひっかけて切れてもサルカンから下の取替で済むので、楽です!

魚釣りの針は、返しがついていて1度刺さると外れにくくなっています。万が一、子どもに刺さりでもしたら大変です…。

返しのない針が売られていますので、小学生に釣りをさせる場合は絶対、返しのない針(バーブレス)にした方がいいですよ!

言葉だけだと伝わりにくいと思うので、アマゾンさんのリンクを付けています!

学童で釣りをさせる意図

そもそも、そんな危険を伴う釣りをさせる意味があるのでしょうか?

私の勤める学童では、「子どものやりたいこと」を重視しています。そのため、子どもの主体性に力を入れ、支援員みんなで協力しながら学童の体制を整えてきました。「釣りをしたい」という声は、以前から挙がっており、実現できるようにと準備や安全確保などに努めてきた結果できた取り組みです。

「危険だから」「大人がやったことないから」「大変だから」と理由をつけることは簡単です。しかし、子どものやりたいことを実現するために工夫したり、努力したりしないのは、支援員としてどうなのでしょうか。時に、他の支援員と意見が衝突することがありますが、それぞれが子どもたちのことを考えながら日々新しい取り組みにもチャレンジしています。

また、昔と今とでは子どもたちが育つ環境は大きく変わりました。昔は当たり前に体験できていたことが体験できないまま大人になっていくのです。

自然遊びや兄弟遊び、昆虫採集、ケンカ、焚火、年の離れた子との遊びなど。時代が進むにつれ無くなってしまった体験を保育園や学童で体験させられることが子どもの成長にとってかなり重要になってきているのです。

だからこそ、子どもと関わる保育士や学童支援員、小学校教師などは、こうした時代の流れや子どもたちの将来を考えながら、今まで通りのやり方だけでなく、柔軟に変化していけることが大事で、私たち自身学び続けないといけませんね。

小学生に釣りをさせるためのポイントまとめ

1,小学生に釣りを体験させることは良いこと!

2,小学生に釣りをさせる場合は、道具に気をつけること!

3,危険が伴うため、安全への配慮は欠かさないこと!

今回は、小学生に釣りをさせる際の流れや注意点などをまとめました。

学童では、夏の時期熱中症対策としても釣りに行くことがあります。水着を来て水分補給をしながら、定期的に川に浸かったり、頭から水を被ったりすると時間外に居られますし、川で泳ぐよりも危険度が低いです。むしろ川に入りながら釣ってます(笑)

釣りをする子ども
川に入って釣りをする子ども

また、こうした学童の取り組みがキッカケで「家族で釣りに行った」など保護者の方にも影響したり、ありがたいお言葉を頂いたりすることもあります。

今後も、子どもの意見を取り入れつつ楽しい取り組みを1つ1つ実現できればと思います!