算数ができない子には○○をさせること!教え方のコツを紹介。

算数ができない小学生の共通点に気づきました。

私は保育士兼学童支援員として保育園にも学童にも勤務しているため、毎日のように小学生と関わっています。
最近の小学生の授業は難しいのでしょうか…。低学年でもテストで20点や40点の子を見かけます。

ある時、2年生の子にテストを見せてもらいました。

「見てもいいけど、算数わからないんだよね」

と、ペケだらけのテストを見せてくれたので、どこが分からないのかを詳しく聞いてみました。

今回の記事は、算数ができない子ができるようになったエピソード紹介です。

算数ができない子は小学校の教え方に問題がある?

どこが分からないのか詳しく聞いていくと、どうやら足し算・引き算・掛け算どれを使うのかが分からないようでした。

 

例)赤組はボールを1人3個ずつ、白組はボールを1人2個ずつ配ります。赤組は9人、白組は6人です。全部で何個のボールが必要ですか?

 

この問題に対して、9+6=15と計算してしまっている状態です。

解いている様子を見ていると、問題文の3と2と9と6の数字を丸で囲んでいます。

他の子たちも同じように数字を丸で囲んだり、「全部で」を丸で囲んだりしてから計算式を書き始めていました。

算数の問題例

こんな感じです。

 

小学校の先生がどのように教えているのかは分かりませんが、小学校の教え方には決まりがあるようです。
私は教師ではないので、子どもに「教えて」と言われた時は、小学校で習った解き方を子どもに確認したり、教科書を見たりしてから教えるようにしていますが、こんな教え方でいいのかな?と思う時もあります。

 

算数ができない子は、授業で習った通りの方法で解くことはできても文章問題になった時に、どうすればいいか分からなくなる子が多いです。

サクランボ計算

こういった計算はできるけど、文章問題を読んで計算式を考えるところで躓いています。

子の様子を見て算数ができない子に必要なのは、文章問題を計算式にするまでの過程なのでは?と思いました。

算数ができない子はイメージさせる

文章問題を計算式にするために、子どもにイメージさせてみることにしました。

似たような問題を子どもの名前を使って作ります。

作り直した問題

問題を作り替えた後に、子どもにこう伝えました。

 

「○○君はボールを配らないといけないから、1人ずつボールを渡しているんだよ」
「△チームに、順番に3こずつ渡して、□チームには2こずつ渡していったらどのくらいボールいる?」

 

と聞いてみると、即答で「けっこうたくさんいるね~」と返ってきました。
この段階で「結構沢山ボールが必要だ」と気づいています。

 

そして、「掛け算だ!」「足さないと!」と言いながら計算式を書き始めました。
ちょっとイメージするだけで計算式に置き換えて解くことができたのです。

 

「できるじゃん!」
「算数の必殺技はね~、想像することだよ」
「想像したら式わかるでしょ?」

 

などと子どもに伝えながら、問題文の状況をイメージしてから解いてみるように促しました。イメージが難しい時には、おはじきを使って配る様子を再現してみるように伝えます。

結果的に数問解いてもらいましたが、イメージしてから解くと、計算式の間違いはなくなりました。

勉強は理解できれば楽しめる!

そんなやり取りをしている最中に、他の子たちが小学校のグランドへ遊びに行きました。

「グランドでサッカーしよう!」と誘われていましたが、「後から行く」と問題を解き続けます。
強制している訳でもないし、グランドに行ってもいいとも伝えましたが問題を解き続けたのにはびっくりしました。

 

算数ができない子は、宿題を嫌がります。算数だけでなく国語やその他の教科でも分からないと楽しい訳がありません。

勉強が面倒くさいからと、やらない子もいますが、やろうとしてもできない子もいるのです。
そんな子に対して、「宿題しなさい!」「今日はこれだけの量をやりなさい!」と強制するのはどうなんでしょうか。どんどん勉強嫌いになりますよね。子どもが何に躓いているのか?どこまで理解しているのか?その子に合った宿題の内容は何か?と子ども1人1人に適した宿題の量や内容があるはずですが、小学校の先生も1人1人を把握して別々の宿題を用意するのは無理がありますよね…。

 

そんなことを今回の子どもとのやり取りの中で感じました。

算数ができない子への教え方

算数ができない子には、計算の方法を教えるのではなくイメージさせることが重要だと書きました。
小学校1年生の足し算引き算の時から、問題を読んで増えるのか減るのかをイメージしながら解くと躓かなくなります。

そして、イメージができるようになるために重要なのは”体験”です。

 

電車のおもちゃを3つずつ使ったり、余ったおやつを人数分に分けるにはどうしたらいいか考えたり、葉っぱや虫を集めたりと子どもが体験したことが算数の理解へと繋がっていきます。人にもらうから増える、人にあげるから減るというような数の増減も体験していなければイメージしにくいでしょう。だからこそ、算数ができない子がイメージできているかどうかを重視して見てほしいです。

 

イメージできていないのであれば、おはじきやブロックなど物を使って実際に体験することから始めるべきだと思います。

子どもの”体験”を重視する視点は、保育士だからできることかもしれません。

今回は、算数ができない子には、イメージさせることが大事だと書きましたが、算数のすべてが当てはまる訳ではありません。しかし、足し算、引き算、掛け算、割り算、分数、時間、図形などは、積み重ねた体験を基にイメージできることで理解が深まります。

もし、算数ができない子と関わる場面があったら、イメージできているかどうかを確認してみてください。

 

少しでも参考になれれば幸いです。