保育園の保護者に向けた情報発信⑦「学習は何歳から?」

保育園では毎月、園便りを配布しています。
その中で、保育の意図や育児アドバイスなど、保護者に向けた情報発信のスペースを作りました。
今回のテーマは『学習は何歳から?』です。

ーーーーーーーーーーーーーーー

「保育園は遊ぶ場所、小学校は勉強する場所」というイメージはありませんか?

実は、子どもの成長において、乳幼児期の教育・保育がとても大切であることが、近年さまざまな分野で注目されています。特に、0~3歳頃は、脳の発達が著しい時期です。この時期に、友だちや大人と関わったり、身近なものに触れたり、夢中になって遊んだりする体験が、その後の成長を支える大切な土台となっていきます。

今回のテーマは「学習のはじまり」です。

子どもにとって、学習のはじまりは小学校ではありません。保育園での生活の中でも、子どもたちはたくさんのことを学んでいます。

例えば、友だちとのやりとりを通して言葉を学んだり、絵本や遊びの中で文字に興味を持ったり、「あと一つほしい」「○個ずつに分けよう」といった体験から数の概念に触れたり、「どうして?」「どうなっているの?」と、身近な物の性質や仕組みに興味を持ったりします。
子どもたちは「勉強をする」という意識がなくても、遊びや生活そのものを通して、さまざまなことを学んでいるのです。

以前、学童の子どもたちが算数の宿題をしていた時のことです。

「りんごが2つ、みかんが3つあります。お友達にりんごを1つあげて、八百屋さんでみかんを2つ買ってきました。りんごとみかんは全部でいくつあるでしょう」

このような問題に悩んだり、間違えたりする子がいる一方で、スラスラと解いていく子もいました。

その違いは何だろうと様子を見ていると、問題に書かれている場面を具体的にイメージできるかどうかに違いがあることに気付きました。

「ぜんぶで」「合わせて」という言葉を見て、「足し算だ」と覚えるだけでは、文章の形が変わると難しくなることがあります。一方で、「もらったから増える」「あげたから減る」と、実際の場面をイメージしながら考えている子は、文章の形が変わっても、自分で考えて答えを導き出すことができます。

この「イメージする力」は、遊びや生活の中での実体験と深く関わっています。

友だちと一緒に遊び、実際に物に触れ、試したり、考えたり、言葉や数字を使ったりする。その一つひとつの経験が、やがて小学校以降の学習にもつながっていくのです。

だからこそ、私たちは子どもたちが夢中になって遊び、さまざまな体験を積み重ねられるように、保育室の環境や遊びの内容を工夫しています。また、子どもの「やってみたい」という思いを大切にしながら、どのような声かけや関わりがよいのかを日々考え、試行錯誤しています。保育園で過ごす毎日の遊びや生活が、子どもたちのこれからの学びや成長につながる大切な時間であることを、ぜひ知っておいていただけたらと思います。

文章:T.T