ごっこ遊びが発展すると?学童保育の実践紹介

ごっこ遊びは子どもたちに人気です。
保育園では特に、2歳児頃からおままごとが深まっていきます。
身近なお父さん、お母さん役から始まり、店員さんや運転手さんなど家庭的な遊びから職業を真似た遊びへと広がっていきますよね。

子どもたちの遊びを充実させるには、ごっこ遊びを充実させるのが近道とも言えるかもしれません。

今回は、学童で小学生によるごっこ遊びがありました。
すごく凝っていてレベルが高かったので、紹介したいと思います。

私が勤めている学童では、学童を保育園の延長線上と捉えていますが、学童の子どもたちを知ることで保育園の環境構成や子どもとの関わり方にも深みが出ると考えています。保育士さんにも参考になると思うので読んでくれると嬉しいです!

ごっこ遊びの始まり

ごっこ遊びをする子どもたち

結論から言うと、子どもたちが学童内にカフェ屋さんをオープンさせます。
その始まりから紹介していきますね。

今回、中心になって進めてくれたのは、4年生の女の子です。
普段から折り紙や絵画、制作など何かを作る遊びが好きな子でした。

ある日、その子がテラスで折り紙をしていました。
次第に、2~4年生の女の子たちが集まってきます。

折り紙で作った物で、店員さんとお客さんのようなやり取りが始まりました。

『商品少な~い』
『ジュースとかあったらいいとにね』
『紙コップとかで作る?』
『いいね~!使っていい紙コップあるか先生に聞いてくるね』

会話が、新しい商品を作る方向に進んでいきます。

 

『紙コップあったばい!使っていいって!』

『え、じゃあさ~カフェにする?』

『スタバとか?』
『いいやんスタバ!』
『メニューとか看板とかレジも作ろう』

こうやってカフェ作りが始まっていきました。

カフェの開店準備

5~6人の子どもたちが『スタバ』をイメージして準備を始めます。

『何ば作る?』
『IPodでスタバ検索してみるけん!』

『飲み物やろ~、レジやろ~、メニューもいるやん!』
『じゃあ俺段ボールでレジ作る』

段々と参加する子が増えていき男子も混ざりはじめました。

CHITABA
ごっこ遊びの商品

『チャリンで販売してお金稼ごうで!』
『お客さんがくるごと、店員の練習もせんば!』

チャリンとは学童内の通貨のことです。1人1人学童で使える通貨を持っており行事の商品を買ったり、学童内のショップで使ったりできるようにしています。

各々準備に取り掛かり、1日もかからずにカフェ屋さんが形になりました。
自分たちでお客さん役と店員役に分かれて実践しながら足りないものを確認します。

『せんせ~、カフェできたけん来て』

この段階でお客さんとして呼ばれました。

『いらっしゃいませ、お好きな所にお座りください』
『こちらがメニューになります。期間限定でピーチも販売しております』
『当店のサービスとして、漫画本も準備しています』

など、店員の接客態度も言葉使いも完璧です。
少し助言として、帳簿の付け方だけ教えました。チャリンのやり取りに関しては大人が清算するため、大人に提出するための帳簿が必要だったからです。

『今日は、お試しだからタダでみんなに来てもらう』
『明日からちゃんとオープンする』

大人『それなら、みんなの前でちゃんとお知らせせんばくない?』

『じゃあ、明日、朝の会で話す』

そう言って、学童全員にちゃんと説明してカフェが正式にオープンしました。

↓カフェ屋さんの紹介動画

ごっこ遊びを通して育つ力

小学生のごっこ遊びの様子を簡単に紹介しました。
子どもたちにとっては遊びでも、この体験の中にはいろんな学びが含まれていると思います。

【カフェ屋さんをオープンさせる】という目標に向かって、何をすべきか考える思考力。他の子と協議したり役割分担したりしながら協力して取り組む協調性。他の子に説明したり指示を出したりするリーダーシップ。レジや商品を作る創造性。その他にも沢山の学びがあったに違いありません。特にすごい所は、低学年~高学年まで混ざって遊んでいることです。低学年ができない所はカバーしたり、教えたりしながら一緒に取り組むことは学年別の小学校では少ない場面だったのではないでしょうか。

そうしてカフェ屋さんというイメージをみんなで形にできたことで達成感や充実感も感じたはずです。
何気ないごっこ遊びの中にも、これだけの学びが溢れています。勉強だけでなくこのような体験を通して得た学びこそが社会人として生きていくのに必要な人としての土台になっていくのです。

 

実は、カフェ屋さんには続きがあります。

4月1日にオープンしたカフェ屋さんは、初日は大繁盛して8000円ほどの売り上げがありました。
しかし、次第にお客さんが来なくなり、商品も偽物だとクレームが入ったり、いつまでも居座るお客さんに困ったりしたそうです。

急遽、店員みんなで会議を開き問題点ごとの解決策を練りました。
大人の介入無しに40分間真剣に話し合ったようで、値段設定の見直しや家具の配置替え、商品の改良など打開策を考えました。

最終的に、カフェ屋さんを見て、シール屋さんを始めようとしていた別のグループの子たちを仲間に引き入れて、雑貨屋さんにするそうです。シール屋さんを始めようとしていた別グループの子たちは、『カフェ屋さんが潰れそうだって』と着々と準備を進めながら待ってましたが、説得され吸収されました(笑)他にも3~4年生男子の虫屋さんも準備中らしいです。

現在も進行中ですが、今後どのように遊びが広がっていくのでしょうか。楽しみに見守りたいと思います。

↓カフェ屋さんの緊急会議

環境構成の意図と工夫

今回は小学生のごっこ遊びに焦点を当てて紹介しました。
子どもたちが自発的に自分たちで考え取り組む様子が伝わったでしょうか。
私の勤めている学童では、こうした子どもたち主体の取り組みを重視しています。子どもたちが主体的に活動するためには大人主導にならないように保育を工夫したり、環境を作り込むことが欠かせません。

数年前までは、大人主導の学童保育でしたが職員みんなで保育を見直し、環境を作り込み少しずつ変化させてきました。
次第に子どもたちの姿も変わっていき、今では子どもからの提案が溢れて毎日がイベントのような状況になっています。

保育の工夫や環境構成については、別の記事にまとめていますので良かったら読んでくれると嬉しいです。

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小学生のごっこ遊び まとめ

今回の小学生のごっこ遊びを通して、1番伝えたかった部分は遊びの中には沢山の学びがあるということです。そして、私たち支援員は子どもたちの遊びがどれだけ充実するか。どうしたら自発的に取り組んでくれるか。それらを考えながら環境を作り込み、保育も工夫しなくてはいけないと思っています。もちろん、子どもの安全面の確保や保護者支援など学童支援員としての役割は他にもありますが、子どもの遊びを充実させられるかどうかは支援員の質の高さが問われる部分だと感じています。

これからも面白いエピソードがあったら記事にしていきたいと思っているので、読んでいただけると嬉しいです。

終わり