学童の室内遊びが充実していないと大変です。
遊ぶ玩具が少ない、することがない状態で室内に子どもたちを閉じ込めておくと、「ひまい」「面白くない」など不満が殺到します。
また、ストレスが発散できず、子ども同士のトラブルも起きやすいためケガに繋がることも。
私が勤めている学童は、以前は不満の声が殺到していましたが、子どもがやりたいことを実現することを目標として、環境や保育方法の見直しに取り組んできました。結果的に、子どもたちの不満は激減し、これまでできなかった活動ができるようになり、充実しました。
子どもたちが通いたいと思える学童になるためには、【遊び】を見直すことは必須です。
今回は、室内に焦点を絞って、学童の室内遊びで子どもがハマるものを紹介していきます!
学童の室内遊びハマり度ランキング
まず「ハマる」について。この記事では「ハマる遊び」=子どもが自主的に遊び、継続していくものにします!
自主的に遊ぶというのは、大人が提案したり子どもを誘ったりするのではなく、子どもが自分から取り組むことで、継続していく遊びとは、一時的な盛り上がりでなく繰り返したり、日を超えて遊んだりして無くなることなく継続する遊びのことです。
自主的に遊ぶようになるために、学童全体で取り組んでいる”クエスト”という保育方法があります。”クエスト”が浸透することで、大人主導の保育から抜け出し、子どもが楽しく遊びながら遊びの中で学べるような保育に変わりました。
今から紹介する遊びも、”クエスト”があるからこそ盛り上がっているものもあります。クエストについてまとめた記事がありますので、そちらを先に読んでいただけると内容が理解しやすいと思います。
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11位 漫画
漫画や絵本や小説など常設しています。漫画は学童に適しているのか?と悩んだ時期もありましたが、今では、かなりの数の漫画が揃っています。
最初は、小説や絵本が適しているという思いこみがありましたが、よくよく考えると、漫画を通して主人公の気持ちを汲み取ったり、文字を読んだり、イラストを見て絵を描いたりなど学びに繋がる部分が多いです。
今では、子どもからのリクエストで新しく補充する漫画本もあり、夏休みには、熱中症対策のために漫画を読んで涼む時間にも役立っています。
漫画を設置してただ読ませるだけでなく、絵を描くことに繋げたり漫画のストーリーを遊びに生かしたり、大人のアイデア次第で遊びが広がっていくはずです。
10位 生き物
散歩時に捕まえた、イモリ、ザリガニ、メダカ、ドジョウ、ミミズなどの飼育です。
ハマるというより、役割として自主的にお世話を行っています。また、散歩から新たな生き物の飼育が始まり、自分たちで生態を調べ、必要なものを調達し、自分たちで役割を決め、責任を持ってやり遂げるなど学びにも繋がっています。
学童には、意見箱が設置されていて、子どもからの要望を入れることができるようにしています。
子どもからの「ザリガニ用の水槽が欲しい」という要望があり、大人と子どもで協議した末、水槽の購入が決定しました。
要望に書いたらOK!ではなく、大人を納得させるためには、きちんと説明したりや自分たちでルールを作ったりすることも必要です。
9位 ダンス
ダンスが好きな子増えましたよね!
させてあげたいけど、問題点は、スペースの確保と、部屋がわちゃわちゃになることです。
そのため、ダンスをするのであれば場所を区切ることと、「○○の曲の練習をしたい」など明確な目的を持たせることが大事です。
以前、ダンスが好きで「ただ踊りたい」という子が多かったですが、周りの子まで同調し騒がしくなることがありました。そのため、行事等で発表の場を設け、行事に向けての練習という目的を作りました。
ちゃんとした目的があると、子どもの取り組み方も全然違います。この間は、地域の祭りのステージで大勢の前で堂々と踊り切りました(笑)
8位 折り紙
現在、急成長している折り紙遊びです。折り紙の講師資格を持っている先生のおかげで盛り上がっています!クエストとの相性も良く、次から次に作品を作る子どもが増えています。、数か月後にはハマり度ランキングの上位に入ってくる遊びかもしれません。
折り紙は以前からありましたが、そんなに盛り上がることはありませんでした。しかし、見本となる先生がいることや、次の目標の設定など環境を工夫することで、遊びが盛り上がるのだなと改めて感じました。さらなる発展に期待です(笑)
7位 ペットボトルキャップ
以前、他の記事でも紹介しましたが、簡単かつハマる遊びとしておすすめです。おはじきのように、相手のキャップをテーブルから落とす”コマ落とし”やキャップをはじいたり、転がしたりして標的に当てるボーリングのような遊び方、部屋全体をコースにしたゴルフのような遊び方など高学年までハマる遊びだと言えます。
別の記事で動画も載せて紹介していますのでよかったら読んでみてください!
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6位 ラキュー
好きな子はとことんやっています。ラキューは以前からありましたがずっと人気です。
さらに盛り上がるための工夫として、作品の展示場所確保と続きができるように作りかけを置ける場所の確保をしました。また、作り方の説明本も用意してあります。得意な子は、作り方の説明書を使わずに、イメージのみで大作を作り上げます。指先の器用さや形や個数など数的感覚などの学びにもつながるため、おすすめです。室内の漫画や勉強など静かに過ごすスペースに設置することで、子どもの遊びへの集中力が途切れないと思います!
もし、購入を考えていましたら車輪パーツなどがあるラキューがおすすめですよ!
5位 人狼
人狼は、はっきり言って、子どもたちだけでは難しいです!しかし、覚えてしまえば、高度な駆け引きが見られるし、盛り上がりますよ(笑)
学童の先生が、人狼の役割についてまとめた表を作ったり、クエストに落とし込んだりと工夫を凝らしながら丁寧に伝えてきました。
一緒に遊びながら覚えてもらうというのもすごく大事なことで、大人が見本になり子どもが真似することを積み重ねると、少しずつできる子が増えていきます。できる子が増えると、子どもから子どもへと伝わっていき、大人が介入しなくても盛り上がる遊びになる訳です。
今では、子どもに負けることもあり、大人も楽しんでます(笑)おすすめは13役職の人狼カードです!
4位 ベイブレード
ベイブレードは男の子は特に好きですね。独楽もかなりハマっていますが屋外ですので独楽はランキングから外してます。
ベイブレードは以前から学童の玩具としてありました。確かに子どもに人気でしたが、現在、盛り上がっている理由として「自分の私物のもので勝ちたい」からでしょう(笑)
学童への持ち込みはNGリスト以外の物であれば許可しています。ただし、保護者に持ち込み表の記入をしてもらわないといけません。
学童への私物の持ち込みは賛否両論あると思いますが、私たちは、子どもがやりたいことを実現するために、大人側がルール作りや保護者説明など、課題点をクリアするために時間をかけてきました。その結果、実現することができています。
問題が起きるからダメだと決めつけるのは簡単ですが、そんなことを言っていては、子どもの意見は、大人によって制限されるため、何を言っても無駄だと思うようになります。実際、「どうせダメやろ?」「どうせできない」などの言葉が今ではほとんどありません。昔ながらの一斉教育では、1人で複数の子どもを動かすため、子どもの意見がないがしろにされがちです…。子どもの意見をどうにか実現させたられるように工夫を凝らし努力できる支援員になりたいですよね。
3位 塗り絵
ありきたりな遊びだと思うかもしれませんが、遊び方の工夫で高学年までハマって取り組んでいます!また、塗り絵から自由画や絵画など発展していき、絵画コンテストに応募するほどにまでなりました。
最初は、飽きる子も多くハマる遊びとは言えない状態でしたが、塗り絵の素材を増やすこと、学童内コンテストの開催など工夫によって毎日誰かしらが取り組んでいます。
クエストとして、月に1回程度テーマを発表し、作品を募集。集まった作品は匿名で掲示し学童みんなで投票する。最優秀賞に選ばれると、玄関に飾られるため、歴代の優勝作品がずらりと並んで掲示されています(笑)
こうした流れを作ってしまってからは、常に盛り上がる遊びになりました。
2位 デュエルマスターズカード
この遊びも、取り入れるまでにあらゆる課題を乗り越えて、実現できた遊びです。ハマり方はダントツの1位かもしれません。
課題とは、デュエルマスターズカードの準備や私物の持ち込みをどうするか?学童内のカードでデッキを作る際、子どもにどう使わせるか?など。
意見箱に子どもからの要望として「デュエルマスターズをみんなでしたい」と入っていたことがキッカケで今では、欠かせない遊びになりました(笑)
意外と女の子にも人気で、学童の遊びとしてはかなり有りだと思います。子どもたち企画のデュエマ大会が定期的に開催されていて、次で第41回目の大会になります(笑)
大会の企画として子どもが自分たちで取り組んでいることは、意見箱を通して大人に提案したり、メンバーを募集し大会ルールや日時、場所決めなど。
クエストとの相性も良く、学童のデュエマカードはクエストのお金で購入したり、売ったりできるようにまで整っています。遊びを通しての学びがかなり多いです。
1位 けん玉
けん玉は学童の先生が得意だったこともあり、クエストを保育に取り入れた頃に1番最初に充実させた遊びです。けん玉を環境として用意し、大人が見本としてやってみせる。クエストを使って、大皿、小皿、中皿…と1つずつできる技を増やしてきました。
1人が村一周、日本一周、世界一周などできるようになると、急に他の子にも流行り出した感じでした。けん玉の環境整え、遊び方の工夫を凝らした先生の保育成果だと思います。次は、子どもたちのけん玉検定取得の実現に向けて準備しているそうです。
けん玉が得意な先生がおすすめしてくれたのは、日本けん玉検定協会認定の山形工房 競技用けん玉「大空」です。
学童の室内遊びで大事なポイント
上記に少しでてきましたが、学童の室内遊びを充実させるには、”スペース”が大事です。
学童は遊びだけでなく、おやつや宿題など生活の場でもあります。生活スペースの確保と遊びのスペースの確保、動線の確保など、部屋の空間分けから考え環境を作ることが大事です。
私の勤める学童は2階建てですので、1階はお仕度や食事の場であり、子ども同士が盛り上がって遊ぶものを置いてます。2階は勉強する場所やくつろぐ場所、漫画や折り紙、ラキューなど黙々と取り組めるような遊びを置いています。1階と2階とでメリハリをつけることで遊びに集中でき持続しやすくなるのです。
また、学童の室内遊びが盛り上がるためには、遊びの数を増やすことが絶対条件です。玩具や遊びの種類が乏しいのは、職場でいうとパソコンやコピー機、電話、Wi-Fiなどの機材が不足していて職場環境が悪いのと同じです。私たちも、遊びを増やすために模索した時期を経て今があります。
それから、学童の室内遊びが充実しているのは、上記でもちょこちょこ出てきた”クエスト”という保育の方法がハマったからです。
クエストをやり始めたきっかけは、案外真面目な理由で、教育面での”子どもの主体性”を実現することが目的でした。どうしても日本の教育は大人主導が根付いているため、子どもを中心にした保育の実現に難航していました。そんな中やっと見つけた方法がクエストで、結果的には、大人側の思い(子どもに体験してもらいたいこと)も強制することなく取り組ませることに繋がっています。
楽しくて学びのある学童になれることを目指して、現在も子どもたちとともに取り組んでいるところです。
まとめ
2,学童の室内遊びは空間(スペース)から考えて環境構成することが大事!
3,学童の室内遊びを充実させるためには、遊びの数を増やすことが大事!
4,子どもの主体性を実現すると学童の室内遊びも充実する!
学童支援員の質として、子どもたちが遊び込む環境を作れることと、遊びが広がっていく工夫ができること、そしてアイデア力は必要なスキルだと思っています。私たちは日々の保育の中で、お互いのアイデアを形にすることや、子どもとの関わり方、安全面の配慮など職員同士での話し合いや共有に特に力を入れています。私が紹介した内容は、職員みんなの努力があって実現できた内容です。これからも、子どもにとって良い学童になるためにも、”楽しく学びのある学童”をモットーに励んでいきたいと思います!