叱り方(3歳~5歳)4つのポイント!保育士目線でアドバイス。

子どもの叱り方は非常に難しいです。特に3歳児以降になると、自分でできることも増え、子どもの行動範囲もかなり広くなります。そのため、叱る場面が増えてくるのではないでしょうか。叱ったけど良かったのかな…、叱ったけど子どもに伝わってない…など悩まれる方も多いと思います。

今回は、「子どもの叱り方」がテーマです。保育士目線で子どもにとって必要な関わり方や大人が注意すべきポイントなどをお伝えしていこうと思います。

3歳~5歳の叱り方の4つのポイント

1,叱るではなく伝える
大前提として、子どもを感情的に叱るのはよくありません。叩くなどの暴力は完全にアウトですし、大声で怒鳴ることも良くないです。そのため、叱るではなく伝えるという意識を持つべきだと思います。伝えるためには、大人が冷静であることが重要。大人が感情的になるって大声で叱ったとしても、子どもにとっては恐怖しか与えませんよね。「何に対して叱られているのか?」を子どもが理解し納得できないと学びに繋がりません。

 

2,発達に適した伝え方をする
子どもに伝える際には子どもの発達に適していることが大事です。簡単に言うと、子どもが理解できる言葉で分かりやすく伝えること。また、約束事を守れなかったから叱るような時も、「約束」自体が子どもにとって無理がある時もありますよね。先ほども書きましたが、子どもが理解し納得できなければ叱る意味はありません。子どもが理解しているかどうかを意識して関わることが重要です。

 

3,大人の線引きをハッキリわかりやすくする
何歳児でもそうですが、子どもにとって曖昧な表現はできるだけしないようすることが大事です。私の子どもを叱るか叱らないかの基準としては、子ども自身の命に関わる事ケガに繋がるような行動をとっていたら叱りますし、人を傷つける行為に対しても叱るようにしています。それ以外は、基本的に叱ることはあまりありません。常に叱ってばかりだったり、叱る・叱らないが大人の気分によって変わったりしていると、良い悪いの判断が難しく子どもが混乱してしまうかもしれませんよね。叱られ慣れている子をたまに見かけますが、叱った時に全然響かなくなってしまうのも、大人の線引きが曖昧なのが原因かもしれません。

 

4,叱る前に考える
上記で紹介したように、どうすれば子どもが理解し納得してくれるか?どんな伝え方が効果的か?感情的になっていないか?子どもではなく大人側の問題なのではないか?など叱る前に考えられると良いですよね。叱ることが必ず子どもの為になるとは限りませんし、効果的な方法は他にあるかもしれません。そして何より、感情任せに叱ってしまうよりは一呼吸置くだけで冷静に適切な関わりができるはずです。

叱る事に効果はない⁉

叱り方のポイントを紹介しましたが、叱る事に効果がなく、むしろマイナスな点が多い話をします・・・

言葉で恐怖や不安、苦痛、悲しみなどを与え、相手の行動や認識を変化させようとコントロールする行為。

これが叱るの定義です。

この定義を聞いた時点で、叱る事を極力無くそうと思いませんか?

 

また、恐怖や不安、苦痛、悲しみなどを与えられるような叱り方をされると、人は本能的に逃走反応が引き起こされます。
叱った時に、一時的に子どもが行動を止めたり、泣いたりして効果があるように見えますが、根本的な解決にはつながりません。

叱られる頻度が多い子は、自分の行動に自信が持てなくなり、「叱られないようにすること」が身についてしまいます。これは、子どもの自発性や個性を潰してしまうことにもなりかねませんよね。

実は「叱る」という行為は、マイナス面が多いのです。

ただし、叱ることがすべて悪い訳ではありません。例えば、子どもが危険な行動を取ろうとする時や、他者を傷つける行為をする時など、「抑止」が必要な場面もあります。絶対にしてはいけない事に関しては、叱ることが子どもにとって必要な場合もあり、大人は叱るか叱らないかを見極めて使い分けることが重要なのです。

叱り方の答えは感情的にならずに伝える事

ここまで読むと、大人が感情的にならずに冷静でいることが重要だと思ったのではないでしょうか。
人は、感情的になると思ってもないことを口にしてしまったり、つい手を出してしまったりすることがあります。

子どもを叱る時もそうですが、大人が冷静であることが良い叱り方ができる前提条件です。

保育園で体罰問題や不適切保育などのニュースが取り上げられることがありますが、感情的になってしまっての行動なのではないかと思います。

保育現場が多忙で大変なのは、私も保育士なのですごく理解できますし、子どもの行動によっては「イラッ」としてしまう時もあるはずです。
また、1人で見ないといけない状況の時に自分のキャパを超えてしまう瞬間もあります。

そういった瞬間に、感情的に子どもと関わってしまうことが良くありません。
私の勤めている園では、側に他の保育士さんがいるので、そんな時は他の保育士さんの助けを借りればいいと思っています。また、助けが借りれない場合は、後で子どもに伝えれば子どもも大人も冷静に話しができるかもしれません。

正しい叱り方は、感情的にならないことが最低限の条件です。保育園や家庭で、感情的に関わらなくて済む、ような環境を整えることがまずは必要なのかもしれませんね。

3歳~5歳の叱り方まとめ

1,叱るではなく伝える
2,発達に適した伝え方をする
3,大人の線引きをハッキリわかりやすくする
4,叱る前に考える
5,感情的にならない
今回は、3歳~5歳の叱り方についてまとめてみました。
1歳、2歳とはちょっと違った内容になりましたが、年齢によって変わるのは、発達に合った叱り方をすることです。
それ以外の叱り方については重要な点はほとんど同じです。
私たち保育士は、子どもとの関わり方は常に悩みながら保育しています。そして、悩むことこそが大事だとも思っています。
子どもによって関わり方の正解は変わるものですし、大人が決めつけて関わってはいけません。
叱り方についても同じです。叱ることができるから良い先生とは限りませんし、叱らないから良い先生とも限りません。目の前の子どもにとって「今どうのように関わるべきか」を見極めながら保育することは難しいですが、そこで悩み、試行錯誤する人ほど良い教育者だと思います。