保育士に必要なこと16選!保育現場で求められることを解説。

保育士に必要なことってなんだと思いますか?

世間的には、子どもと遊ぶことや、子どものお世話、ダンスやピアノなどのイメージが強いかもしれません。私も保育士になる前は、手遊びや制作物のイメージが強く子どもと上手に遊べることが求められると思っていました。

しかし、保育士を続けてみて当初のイメージとの違いを痛感しています。

 

 

 

保育士ってスーパーマンなのか?

って思っています(笑)

なぜなら、子どもと関わる他に、事務的な業務や保護者対応や保護者支援、行事の計画や段取り、制作物、楽器演奏、感染症対策、運動、伝統文化、食育などなど、保育士に求められる分野が広いからです。さらには、国や行政からの通知により、様々なマニュアルの作成や徹底が義務付けられたり、他の関連機関との連携や保護者や地域との繋がりを求められたりもして、どんどん大変になってきている気がしています(笑)

それなのに、世間的な保育士のイメージが低かったり、評価が低かったりするのが納得できません…

そこで、保育士に必要とされることをまとめてみたいと思います!「保育士ってこんなに大変なんだ」「こんなに沢山のことをこなしているんだ」と少しでも保育士をリスペクトしてくれる方が現れてくれることを祈って書いていきます(笑)

保育士に必要なこと 16選

1,子どもとの関わり

子どもの発達を理解し、子どもに必要な関わりをすることが求められます。そのため、子どもの発達や適切な関わり方など専門的な知識や実践は保育士に必要なことです。また、子どもの名前や子どもの家庭状況、好き嫌いなども覚えなくてはいけませんし、子どもたちと一緒に遊んだり、遊び方を伝えたり、遊びが広がるように工夫したりもしなくてはいけません。子どもとの関わり方だけでも、かなりの専門性が必要で覚えるべきことや身に付けるべきことが沢山あるのです。

2,記録

子どもと関わるだけでなく、その日その日の出来事や子どもたちの様子、週ごとの活動予定とその結果、子ども1人1人の目標とその結果など記録を取らないといけません。また、園によっては、保護者との連絡帳でのやり取りもあります。
記録は、子どもの成長以外にも事務日誌や給食日誌、登降園記録、避難訓練、遊具点検など監査に必要な書類等が沢山あります…。

3,保護者対応

保育士は子どもの保護者とも毎日顔を合わせ、子どもの家での様子を聞いたり、園での様子を伝えたり、時にはケガの報告や育児指導など言いづらいことを言わないといけない場面もあります。保護者によって性格や家庭状況も様々で、話しにくかったり、気を遣ったりすることも多いです。そのため、言葉遣いや表現方法、子どもの名前をださないようになど気を付けなくてはいけません。

4,電話対応

保護者対応と言っても、対面とは限りません。電話での対応も行います。また、業者や関連機関など、電話対応をする場面は割と多いです。そのため、電話対応のマニュアルに沿って適切な対応が求められます。保育士1年目の頃は、この電話対応が苦手でできるだけ電話を握らないようにしていました。しかし、いつまでも「苦手だ・嫌だ」なんて言ってられないため、必死に練習したのを覚えています。

5,感染症への知識

保育士に必要なこととして感染症への知識もすごく大事です。感染症への知識があることで、子どもの体調の変化にすぐに気づくことができ、適切な対処ができます。また、早期発見が他の子を守ることにも繋がります。そのため、感染症ごとの症状や登園基準、消毒方法、嘔吐処理の方法など定期的に確認し、身に付けておく必要があるのです。

6,ピアノ

保育士に必要だと決められている訳ではありませんが、ピアノは使う場面がちょこちょこあります。普段のお集まりの時、活動の合間、卒園式の伴奏など。ピアノ以外では、ギターなどの伴奏となる楽器を弾けることは保育士に求められることです。養成校を卒業するためには、ピアノが必須な所もあるため、保育士さんはある程度ピアノは弾くことができます。

7,絵本・手遊び・ゲーム

保育士に必要なスキルとして、子どもを惹きつける技は必ず必要です。絵本を読むことは正直、誰でもできますが、子どもが集中して見ることができるような読み聞かせは保育士のスキルだと思います。また、手遊びやゲームも同じで子どもの注意を惹きつけることができないと、お集まりが成り立たなかったり、活動の収集がつかなくなったりしてしまうのです。

8,絵・制作物

季節ごとに制作物や絵画などに取り組みますが、子どもたちには見本が必要になります。そのため、絵や製作物ができることは保育士に必要です。それほど難しくはありませんが、手先が器用でないとできないこともあるかもしれません。また、ただ絵が描ければいい、製作ができればいい訳ではなく、子どもが理解しやすく真似しやすいものを素早く作成することが必要です。

9,掃除

感染症対策に付け加えて、保育園の清潔を保たなくてはいけません。そのため、保育士に必要なこととして掃除ができることは必須です。誰でもできることではありますが、掃除を丁寧に、そして素早く行えることは慌ただしい保育の中で絶対条件かもしれません。保育室内や給食室、トイレ、園庭などなど。希に、実習生や新卒の子で掃除をしたことがなく、やり方が分からないという人がいて指導することもありますが…。

10,行事の計画や段取り

行事に向けて企画書を作成したり、逆算して何をいつまでに終わらせるかなどの計画を立てたりすることも保育士には必要です。行事と言っても、子どもたちの出し物だけでなく、参加者の集計や景品の発注、業者や施設との連携など細やかな所まで、考えて取り組まなくてはいけません。さらに、大人のスピードではなく、子どもたちが行事に向けて準備していくことも考慮して何カ月も前からの動き出しになるため、先を見通す力が必要です。

11,パソコン(ワード・エクセル・パワポ)

保育士に必要なスキルとして、パソコンができることは大事だと言えます。昔はそうでもなかったかもしれませんが、今の時代ではICT化が進み、手書き、手入力の物は極力なくす方向になっています。例えば、ワードでの文書作成ができることや、エクセルで集計表を作れること、パワポを使って保護者会用のプレゼン資料が作れることなどパソコンができないと任される仕事が減ってしまうかもしれません。

12,文章能力

保育士に必要なこととして、文章力は割と求められがちです。例えば連絡帳くらいであれば、柔らかい言い回しなどで構いませんが、保護者に配布する手紙など季語や形式、適切な文章などが求められます。誤字脱字があることで、保護者からの指摘を受ける訳ではありませんが、もしかしたら園に対しての不信感につながるかもしれませんよね。私自身、保育士になってから文章作りの勉強をやり直しました(笑)

13,食育

保育士に必要なこととして「食育」も挙げられます。子どもたちが食に対して興味を持ち、自ら進んで食べようとすることや好き嫌いをしないようにすること、食材が育ち料理となるまでの過程を知ること、食事のマナーを身に付けることなど、食事関連の知識や工夫などが求められるのです。調理さんや栄養士さんが主に携わるかもしれませんが、子どもと関わるのは保育士なので保育士も知っておく必要があります。

14,連携する力、協調性があること

食育では、調理士との連携が必要で、保育士同士でも早番の先生から遅番の先生への伝達や、他のクラスの子の伝達事項など、必ず他の人との連携が出来なくてはいけません。そのため、保育士に必要とされるのは他者と連携する力で、協調性がないと保育士としてうまくやっていけないでしょう。また、保護者とも連携して、家庭と保育園とで一緒に子どもを育てていくことが求められ、家庭に寄り添うことができることが必要です。

15,生き物への知識

子どもたちは、草花、虫、生き物が大好きです。外遊びで見つけたものを保育士の所に持って来て見せてくれたり、先生へのプレゼントとしてくれたりもします(笑)草花や虫や生き物の名前を知っていたり、危険性を知っていたりするのも保育士には必要なことかもしれません。私の勤める園は、自然が豊かなので沢山の生き物に囲まれています。時にはヘビやスズメバチなどが来ることもあるため、いざという時には保育士が守らなくてはいけません。

16,聞く力と伝える力

先ほど協調性を紹介しましたが、人の話を聞く力と伝える力もまた必要なことと言えます。保護者の言い分をしっかり聞くことができる。保護者に伝えるべきことを伝えることができる。保護者と長年付き合っていく上で大事なスキルです。この保育士の伝える力に対しての研究があり、ナラティブ・ストラテジー(高度なコミュニケーション技法)と呼ばれ、保育士の専門的なスキルの1つとして紹介されているほどです。

保育士に求めるものが多すぎるのでは⁉

保育士に必要なことを紹介してきましたが、読んでみてどう思ったでしょうか?

私は保育園に努めていて、子どもたちにとってより良い保育を考えていくと、保育園は第一に子どもの”安全の確保”が重要だと思っています。そして、子どもの主体性や自主性、活動を広げるなど遊びを通した学びもまた重要です。

子ども安全を確保するために、様々なマニュアルを作成し、職員間で確認して徹底するなど職員みんなで足並みを揃えて進んでいかなくてはいけません。しかし、保育士は現場で子どもを相手にしており子どもに合わせて保育するので精一杯なのも事実です。

そのため、定期的に集まり、安全対策を確認したり勉強会をしたりしながら1つずつ1つずつ取り組んでいるところですが、「これも大事だから覚えてください」「これもできるようになってください」「行政からこのように対応するように指示がありました」など次から次に、詰め込んでいくのは申し訳なく感じます。

そうやって取り組みながら思ったことが「保育士に求められることの範囲が広すぎる」ということでした。

他の業種の方々は、ここまで広い分野の知識や専門的な技術が必要だったりするのでしょうか??

保育士は、何かと悪いイメージを持たれがちですぐにニュースにも取り上げられます。しかし、保育士さんたちは子どもを中心に、日々の保育に追われながらも、子どものため保護者のためにと努力している人たちばかりだと思っています。

保育園に求めるばかりでなく、小学校、病院、歯医者、保健所、地域などの関係機関が、保育園の子どもを中心に、町全体で手厚い保育が実現できるような取り組みができればと思いますが、皆さんはどう思われるでしょうか。
また、保育業務などを整理して、仕事の効率化や保育室を抜けて事務に専念できる時間を作るなど、保育園単位での工夫は必要ですので、そこには今後も尽力したいと思っています。

保育士に必要なこと まとめ

保育士に必要なことを書き出してみましたが、最終的に言いたいのは、「保育士は何でもできるスーパーマン」になる必要があるです。

…というのは冗談で、それだけ「保育士に求められるものが多い」ということを伝えたくて書かせてもらいました。

とは言っても、保育士になったら1人でなんでもできなければならないという訳ではありません。苦手なことは、得意な人がカバーしてくれます。カバーしてもらったら、自分の得意なことで誰かをカバーしてあげればいいんです。このように、保育士同士が助け合いながら協力して保育していける保育園が良い保育園だと思います。

保育士は求められることが多く、大変で処遇が悪いなどイメージが良くないかもしれませんが、少しずつ少しずつ乳幼児教育が注目されたり、処遇改善が検討されたりと変わりつつありますよね。子どもたちが良い保育や教育が受けられるために、より一層良くなっていくことを期待します。