1歳児の叱り方で悩む方は多いのではないでしょうか。
非常に難しく、これが正解だ!と言えるものはありません。
仕事と家事を両立しながら余裕のない中で、つい叱ってしまい反省することもありますね。ネットで検索したり、雑誌を読んだりと子育ての情報は簡単に知ることはできます。
しかし、アバウトな情報が多く、解決まで至らないこともありますよね。
現役の保育士目線で、子どもの発達に適した大人の関わり方についてまとめます。少しでも、お役に立てれば幸いです。
1歳児の叱り方 3つのポイント
1歳にもなると、簡単な言葉を話せるようになりますね。
歩き回ったり、手の届くものは勝手に触ったりと”叱る”場面が増えてくるのではないでしょうか。
ポイント② 叱られた理由をちゃんと伝えること
ポイント③ 叱るべきかどうかの線引きをハッキリすること
保育園の登園時などに、子どもと保護者の方の関わりを見ていると、叱り方は様々です。
叱る人もいれば、叱らずに子どもの言いなりになってしまっている人もいます。
保育士目線では、「こうしたらいいのにな~」と思うこともしばしば。
しかし、ご家庭での教育方針に首を突っ込んでいいのか…と、”叱る”ことに触れるのは、結構慎重になってしまいます。
保育士も保護者も「子どもたちのために」と思いは同じはずですが、ちょっとした言葉選びで険悪な関係になってしまうこともあり、保育者と保護者のトラブルはどこの園でも少なからずあるはずです。お互いに気軽に相談しあえるような関係性を築くことができたらいいなと常々、思っています。
それでは、1歳児の叱り方について、保育士として専門的な目線で、ポイントをまとめたいと思います。
1歳児の叱り方のポイント①子どもの発達段階を把握すること
まず、子どもの発達段階を把握することはかなり重要です。発達段階を踏まえて考えてみましょう。
保育士は、子どもたちの発達に合わせて関わり方を工夫しています。1歳さんの叱り方で保育士が意識する点は、子どもが良い・悪いが理解できるか?言葉を理解しているのか?などです。
ちょうど1歳くらいに、良い・悪いが理解できるようになり、簡単な言葉も理解できるようになり、”何かした後に大人の顔を見る”というのを繰り返し行います。良いのか?悪いのか?と大人の表情を見て判断しているのです。
子どもが悪い事だと分かっていて、わざとやった時には、叱らないといけません。
反対に、悪いことだと知らずにやった事であれば、叱るよりも「ダメだよ」と伝えていく必要があります。
また、言葉を理解していない子どもに、感情任せに強い言葉で叱っても意味がありません。
理解していないため、子どもがまた同じことを繰り返し、余計にイライラしてしまうかもしれません。
1歳児の叱り方のポイントは、分かりやすい表情で、子どもが理解しやすい簡単な言葉を使うというのが大切です。
※叱る時に笑ったり、ほめる時に険しい表情をすると子どもが混乱するので、表情が大事です。
1歳児の叱り方のポイント2 叱られた理由をちゃんと伝えること
次に、1歳だけでなく、何歳だろうと大切なことです。
1歳児の叱り方には、叱られている理由を子どもにしっかり伝えることが大切です。
大人も、何がダメなのかもよく分からない状態で、一方的に叱られるとどうでしょうか?
叱られ続けた子は、次第に大人を怒らせないために、大人に言われたことを言われた通りに実行するようになります。
自分で考えて、自分の意思で行動するのが苦手になってしまうかもしれません。
叱る時には、子どもが理解できるように、叱られた理由もちゃんと伝えることまでをセットに関わってみると良いと思います。
何がダメだったのかの理由まで伝えようとすると、意外と難しいですよ。
そして、子どもの目を見て話すことと子どもにも目を見るように伝えることが重要です。
1歳児の叱り方のポイント3 叱るべきなのかどうかの線引きをはっきりすること
ポイント2の叱られた理由をちゃんと伝えることに繋がってきますが、大人自身が叱るべきなのかどうか、はっきりとした基準を持つことが大切です。
大人が基準を持つことで、子どもにとっても良い・悪いの理解がしやすくなります。
そして、叱るべきかどうか考えるときに気をつけてほしい点が、”大人の都合で怒らない”ことです。
少し難しいと思うので、具体的な例を紹介します。
叱り方に悩む場面例①
その男の子は、テーブルの上に、紙を見つけ、びりびり破いてしまいました。
このテーブルの上にあった紙は、母親が職場に提出しないといけないものでした。
この状況で、子どもにどう関わるべきでしょうか?母親の立場になって考えてみてください。
1歳児の子どもにとって、目についたものを手に取るというのは、成長過程では当たり前のことです。
書類に書かれた文字を見て、大事な書類だと判断することもできませんよね。
そのため、子どもが手の届くところに大事な書類を置いてしまったのは、大人のミスです。
叱り方に悩む場面例②
朝、仕事に遅刻しそうで急いでいます。
途中で、1歳児の息子を保育園に預けないといけません。
しかし、着替えるのもイヤ、靴を履くのもイヤ、保育園に行くのもイヤと息子がぐずって時間がかかってしまいます。急いでるのに…
子どもを急かすことなく余裕があれば、グズグズならなかったかもしれません。
どの家庭でも、当てはまるような内容だったのではないでしょうか??
イライラもするし、子どもを怒ってしまうことに罪悪感を感じてしまう気持ちも良く分かります。
叱る前に、一度”大人の都合で怒らない”ということを意識して考えてみてください。
大人(自分)に原因があったのではないかと考えてみてほしいのです。
とは言っても、子育てはすごく大変だし、すべて完璧にできる訳ありません。
保育士も、大人の都合で子どもに我慢させてしまったと日々、反省を繰り返しながら試行錯誤しています。
今あげた3つのポイントと、大人の都合で怒っていないか?と一呼吸おくためにも、大人が余裕を持って子どもと関わっていくことが必要です。
保育士も同じで、その余裕を生むために、少し早めに準備をするようにしていますし、何かの計画を立てるときにも、時間にゆとりを持って計画します。
余裕を持って、子どもたちを急かすことがないようにするためです。
大変な時や、困った時は保育士さんに相談してみてください。きっと良いアドバイスをしてくれると思いますよ!
1歳児の叱り方のポイント まとめ
②大人自身が、叱る・叱らないの線引きをはっきりすること
③何に対して叱っていて、ダメなことをはっきり伝えること
※子どもの目を見て、分かりやすい表情で伝えること
※大人の都合で一方的に叱らないこと
保育士として、すこし専門的な視点から1歳叱り方のポイントをまとめてみました。
”叱る”というのは、教育者としても非常に難しく悩むところです。
今回の記事は、1歳児の子どもの叱り方について限定して書かせてもらいましたが、適切な叱り方は、年齢やその時の状況によって、変化します。
今後も”叱る”をテーマにした記事を書いていきますので、お悩みの方の参考になれれば幸いです。
もちろん、私の書いてることが100%正解とも言い切れません。
日々の保育園現場で、子どもたちと関わりながら、私自身の学びを記事として発信していきます。
読んでくださった方のご意見やご感想も、学びに繋がるのでよかったらコメントにお願いします。
2歳児といえば、魔のイヤイヤ期。 2歳児の叱り方でお悩みの方が多いのではないでしょうか? 何をするにしても”自分でやる””これがいい”とわがままが目立つ。 そんなイヤイヤに振り回されてしまうこともあるのではないでしょう[…]
子どもの叱り方は非常に難しいです。特に3歳児以降になると、自分でできることも増え、子どもの行動範囲もかなり広くなります。そのため、叱る場面が増えてくるのではないでしょうか。叱ったけど良かったのかな…、叱ったけど子どもに伝わってない…など悩ま[…]