小学生の食育について学童での実践紹介記事です。
学童でどんな取り組みをしてきたのかまとめてみました。
私の勤めている学童は、保育園との連携が強く、保育の延長線上として学童保育を捉えています。
そのため、今回の食育についても保育士に関する内容が出てきますが、学童保育の運営指針を読み込むと保育の延長線上と捉えることに間違いはないはずです。
保育士の方や、学童支援員の方、子どもを預ける保護者の方に参考になるかと思いますので、ぜひ読んでもらえたらと思います。
食育とは?【基礎知識】
まずは、食育という言葉について。
食育とは、「食を営む力」の育成に向けて、その基礎を培うことです。また、子どもが食べることを楽しみ合うこと、乳幼児期に必要な援助とそのための食育計画、食事に関する環境を整える、子ども一人ひとりに合った専門的な対応が大切というのがポイントです。
食育についてのまとまた記事がありますので、そちらから読んでいただけると嬉しいです。
食育 って何ですか? と聞かれてパッと回答できるでしょうか? 私は保育士をしていますが、正直、自信がありませんでした。 保育を良くするために保育園の環境を考えたり、子どもとの関わり方を考えたりで頭がいっぱいで食育にまで気が回ら[…]
食育の考え方や要点を押さえた上で、学童保育でどんな実践をしているか紹介していきたいと思います。
小学生の食育【学童実践】
学童での実践を紹介するにあたり、3つのカテゴリに分けてみました。
栽培収穫体験・知識・調理です。
この3つのカテゴリに沿って紹介していきます。
栽培収穫体験
これまで栽培や収穫体験をしたものを書き出します。
春の食材が、タケノコ、ワラビ。
夏の食材が、キュウリ、オクラ、ナス、トマト、トウモロコシ、ゴーヤ、枝豆。
秋の食材が、さつまいも、稲。
冬の食材が、大根、ニンジン、イチゴ。
こんな感じでしょうか。園庭に実果実を入れると柿やブルーベリー、ヤマモモ、クワ、サクランボ、イチジクなどもあります。
さつまいもやイチゴの栽培記録についてまとめた記事もありますので、詳しくはそちらを読んでください。
小学生の栽培体験は、食材への興味関心、感謝の気持ちを育むなど良い影響が沢山あります。 今回は、学童で初めてイチゴ栽培に挑戦した時の、子どもたちの様子を紹介した記事です。 小学生がイチゴ栽培に挑戦! 学童では、春から夏にかけ[…]
知識
知識というのは、食材の名前や育て方、調理前と調理後の違い、食事のマナー、伝統料理、海外の食事など、食に関する知識を深める体験です。例えば、栽培についても大人が栽培をするのは簡単かもしれませんが、子どもたちが自発的に栽培しようとしたり、栽培するために調べ、準備したりする過程を大事にしています。
また、夏祭りやクリスマスなどの行事で、学童で調理したり、保育園の調理さんが作ってくれたおやつを食べたりもしています。
学童周辺には、農家さんが多いため訪問させてもらったり、おやつとして果実を頂いたりすることも多くあります。
そんな時に、食材の名前や育つ過程、農家の仕事について話を聞くことで食に関する知識が身についていくのです。
子どもたちが自発的に栽培に挑戦するための工夫について、行事に関する取り組みについては別記事にまとめてます。
「子ども主体の保育」や「子どもの主体性」など日本の乳幼児教育が見直されつつありますね。 「海外に比べると日本教育はかなり遅れている」このことを知ったのは、保育士1年目の時。 私は、恵まれたことに最初に入社した保育園で、恩師に出会[…]
調理
小学生の食育体験として、調理体験は非常に効果的だと思います。
これまでは、行事食を大人と一緒に作る体験やクッキングDAYを作るなど、大人が意図的に企画するものが多かったです。
また、栽培で獲れたものを大人が調理して振舞ったり、調理を少し手伝ってもらったりするが、取り組みばかりでした。
しかし最近、子ども発案の調理体験が行われました。その時の実践について紹介します。
実践紹介の前に、学童の日々の取り組みについてですが、遊びや活動の提案ができるようになっています。
意見箱を設置し、「釣りに行きたい」「○○を作りたい」「○○大会をしたい」などの提案を受けて、大人と一緒に実現するための方法を考えます。大人はあくまでサポートや助言を行いますが、子どもが発言することや実現の為に様々な課題を自ら乗り越えることなど体験を通して培ってもらうことが意見箱のねらいです。
カレーを作りたい
その意見箱の中に、「カレーを作りたい」という意見が入ってました。
提案者は2年生の女の子です。
いつものように、リクエストを受けて大人たちで話をしました。どうにか実現させてあげたいというのは全員一致です。
提案者の子は、普段から家庭でも1人で調理をしているそうで、必要な材料や調理の手順も把握していることを確認しました。
あとは、食材の準備や当日の持ってくるものなどを子どもと協議し、保護者にも連絡します。
当日に子どもと一緒に買い出しに行く予定にしていましたが、保護者の方々が食材を寄付してくださり、すぐに実現可能に。
そして当日を迎え、提案者の女の子を中心に参加者みんなで協力して取り組みました。
提案者は2年生で、参加者には4年生など年上の子たちもいましたが、2年生の話を聞き、アドバイスを求める姿が印象的でした。
また、「○○ちゃん上手!」「○○君うますぎ!!」などお互いに褒め合う姿や、食べた感想を作ってくれた本人に伝えに行く姿なども印象的でした。
提案者の女の子も参加した他の子たちも、貴重な体験をしたことは間違いありません。
後日、保護者の方から、「お家でもカレー作りに挑戦したんですよ」という連絡もあり、料理に興味を持つきっかけにもなったみたいです。
調理に関する子どもからの提案は初めてでしたが、食育としてもかなり貴重な体験になりました。
今後、こうした取り組みが増えるのかもしれません。
小学生の食育 まとめ
学童での実践を基に小学生の「食育」について紹介してきました。
栽培収穫体験、知識、調理の3つのカテゴリに分けて紹介しましたが、栽培から始まり、栽培を通して知識を深め、調理して食べてみる一連の体験を繰り返し行っていくことで、自然と深まっていくのかもしれません。
付け加えると、最近は園庭に畑を増やし、ポップコーンを自分たちで栽培し食べるまでの取り組みも進行中です。
保育園に比べると、自分たちで考え、取り組むことが出来る幅も広いため、小学生の食育は保育を深めるためにも非常に面白いと思います。畑を作る事で、虫や鳥など生き物との触れ合いも生まれ他の分野でも保育の広まりが見られます。
そう考えると、食育を深めることは、保育の質を高めることにも繋がりますね。
ポップコーンの栽培に挑戦します! 今回の記事は現在進行形の話で、学童の子どもたちがポップコーンの栽培に挑戦し始めた段階の話です。 普段から学童保育で植物の栽培には取り組んでいますが、ポップコーンの栽培は初めて。 ポップコーンを[…]