保育実習はつらい?気が楽になる体験談とコツを保育士が紹介!

保育実習は保育士を目指す学生さんにとって1番の壁かもしれません。

実習期間中は、気疲れもしますし、帰宅してからも日誌の記入など睡眠時間がない!なんてことも。

先輩の体験談を聞いたり、先生たちの話を聞いたりして不安になる方も多いのではないでしょうか。

私は、幼稚園と保育園と養護施設の実習に行ったことがありますが、楽しめた保育実習もあれば、凹んだ保育実習もありました(笑)

こうした体験を踏まえて、そして保育士になった今、学生の皆さんに知っておいてほしいことをまとめます。

多分、少しは気が楽になるはずですよ(笑)

保育実習体験談

私は、保育士資格と幼稚園二種免許を取得しています。養成校に通い、実習として養護施設、幼稚園実習、保育所実習の3か所経験しました。

私も、実習はかなり嫌で気持ちは沈みがちでしたが、今こうして保育士をしています(笑)

当時は、養成校も休みがちで絵本の読み聞かせや手遊び、指導案作成など周りの生徒に劣っているのは確実でした💦そんな生徒でしたので、幼稚園実習では厳しい指摘を受けたこともあります。しかし、保育所実習では高評価をいただき実習自体も楽しむことができました。

そんな保育実習の体験談を施設別に紹介します。

特別養護施設

養成校1年の夏頃に、養護施設の実習に3日間ほど泊まり込みで行きました。1年の夏頃なのでほとんど何も分からない状態でしたが、養護施設の仕組みや働き方、子どもたちの様子などを知ることができ勉強になりました。

実習の内容としては、養護施設の子どもたちとのふれあいがメインで、職員の仕事については説明を受けるだけでした。

1日1日、学んだことや気づいたことなどを実習日誌にまとめて提出し、1日は終了します。
実習はそんなに大変ではなかったので、「勉強になったな~」という感想です。

いくつか、難しいと感じたのは、養護施設にいる子どもは年齢が様々で高校生がいたこと。小学生くらいまでは、向こうから話しかけてきてくれますが、中学生・高校生になると部屋から出てこなかったり、話しかけても返事がなかったりと関わり方がわからないまま実習が終わりました。

また、保護者との面会の様子を見る機会もあり、施設で預かることになった経緯などを聞くと切ない気持ちになったのを覚えています。
養成校を卒業して保育士になり、養護施設に関わることはほとんどありませんが、非常に貴重な体験だったと思っています。

幼稚園実習

幼稚園実習は2年生の夏頃にありました。幼稚園実習①、保育所実習①、保育所実習②、幼稚園実習②このような流れで10日間ずつの実習です。

幼稚園実習①では、本当に苦い思い出しかありません。養成校で絵本の読み方や手遊び、模擬実習などをしていましたが、いざ実習になると持参するものの確認や実習に入るクラス決め1日の簡単な流れなどを説明されて、その後は、ほとんど教えてもらうことはなかったです。自分なりに次は何をするのか聞いてみたり、「手伝います」と言ってみたりしましたが、「とりあえず掃除しとこう」みたいな感じでした。

部分実習では、1日20人の子どもの担任をすることになりましたが、養成校で習ったことをやってみると、子どもたちの次から次に来る発言や行動に対処できずボロボロ状態。また、1日の流れは子どもたちの方が把握してるため、いつもと違う言葉がけやちょっとしたタイミングの違いなどで「違うよ!」「次は○○だよ!」などホントに早く終われとしか思えませんでした(笑)

幼稚園は、2時頃に子どもたちが帰っていくのでその後は掃除をして制作物などをしますが、掃除以降はすることがなく、ただただ気まずい状況の中、仕事をもらうことを頑張った感じです…。

子どもの年齢と発達、通じる言葉使いなど保育士として足りないものを痛感させられた実習期間になりました。

そして、最終日に幼稚園実習①を終えての反省会がありました。そこでは、各先生から「ダメなところ」「できなていないところ」を1時間以上言われ続け、メモし続けたのを覚えています💦

最終日に言われても…と思いながら、メンタルボロボロで幼稚園実習①を終えました。

幼稚園実習②については、後で書きます!

保育所実習

実習が怖くなってさらに嫌だと思っている時の、保育所実習が始まりました。

ですが、幼稚園実習と全く違い、初日には保育園の方針や保育の内容についてや、各学年の室内環境や生活の様子を見ながら、保育中に大事にしている点などを説明してもらいました。また、自分の身の上話なども聞いてくれて、「実習中にやりたいことは何か?」と尋ねてくれたのを覚えています。
そういった話の中で、実習に入る前に保育を見る視点や実習生としてどう動けばいいのかを理解した上で臨めたので、居心地も良く、ホントに学びの多い実習になりました。

実習中に質問しても、ちゃんと答えてくれたり、部分実習を実習生が1人でやるのではなく、一緒にやろう!とサポートしてくれたり気持ち的にもすごく楽で、学びながらも楽しい実習だったのを覚えています。

そのため、子どもの発達についても、保育の流れや大人の動き方、保育方針、環境構成の意図など沢山のことに気づくことができ、部分実習も1日だけでなく「今日も朝の会やってみたいです」「帰りの会やってみたいです」と進んで取り組めました。

幼稚園実習②

とても学びの多い、楽しい保育所実習を終えて、再び幼稚園実習です。保育所実習で子どもとの関わり方は自信がついていたのと、保育の流れや声のかけ方が大事なのは気づいていたので、今回の部分実習は良い感じでやれました。

また、保育所実習で学んだことを発揮しようと歌を歌ったり、新しい手遊びやゲームなどをしてみたりしましたが、子どもたちは楽しんでくれますが、幼稚園の先生方は、ただじっと見ているだけですごくやりづらかったです💦

そして、やっぱり最終日にできていない点を指摘されて終わりました。

日誌も修正がかなり入って、書き直しもあったので幼稚園実習はホントに嫌な記憶しかないです(笑)

実習が上手くいくコツ

ここまで読んでくださった方、幼稚園実習に対するイメージがすごく悪くなってしまったかもしれません💦

でもこれから紹介することを意識するだけで、きっと実習が上手くいきます!自分がダメ出しされた点と、上手くいかなかった原因についてです。

挨拶はこれでもか!ってくらいする

挨拶については、主任の先生に指摘されました…。でも、すれ違う時や、職員室に入る前、担当してくれる先生への挨拶などは意識してやっていました。
指摘された点は、実習が終わって帰る時に、職員室で仕事をしている先生たち1人1人の所へ行き、「今日は実習ありがとうございました。明日もまた宜しくお願いします」と言わないといけなかったみたいです(笑)

当時、「え?職員室の入口から皆さんに向けてやっとるやん!なんで1人1人隣まで行って、同じこと言わないといけないの?」と納得できませんでしたが、正直、今でも納得できません(笑)というか、もし自分が実習生に同じことをされたら、「そんなんしなくて、いいよ💦」と言います(笑)

でも、挨拶ができるかどうか次第で、実習生への印象が決まるのは確かです。挨拶さえできれば、教えてあげようと思いますし、不愛想で挨拶ができない人へは、声がかけにくいです。挨拶されて嫌な気持ちはしませんしね。

ですので、挨拶はこれでもか!!ってくらいしといた方が絶対良いです(笑)

実習が始まる前にすべきことを確認する

実習前のオリエンテーションがあると思いますが、その時でも実習初日でもいいので、1日の流れや実習生としてどのように動くべきかなど、確認しておく方が無難です。幼稚園の先生は、1人で大勢の子どもたちを相手にしているので、実習生に構う暇がありません。その時に、さっとフォローできたり、次の活動に移りやすいよう準備したりすると評価はバク上がり間違いなしです。

ただ、勝手に気を利かせてやるよりは、事前に確認したり一言伝えてからした方が確実で逆効果にならなくて済みます。

メモを取る

メモを取ろうとする姿勢は、意欲が感じられとても好印象です。1日の流れや気づいたことなどメモを取るようにすると良いと思います。メモを取る内容は、日誌に記入するためにも、子どもの活動と様子、大人の援助などはもちろんですが、環境や声掛けの仕方などの保育士の意図を聞けると勉強になると思います!また、朝のお集まりや活動、給食、午睡など活動ごとのお歌や挨拶、大人の決まり文句などをメモしておくと、部分実習や責任実習の時に普段通りに近づけることができるため、上手くいくはずです。

子どもたちに話をする時は、間を意識する

どういうこと?って思うかもしれませんが、これはかなり大事なことです。実習生が上手くいかない理由は、この”間”が関係しています。簡単に言うと、”間”を空けないこと。ちょっとでも、”間”を作ると1人が喋り出し、他の子もどんどん喋り出し収集がつかなくなります。

まずは、できるだけ”間”を空けないように意識してみるとかなり変わるはずです。経験を重ねていくと、この”間”の使い方が上手になるため、子どもたちを惹きつけたり、話を静かに聞いてもらったりする技術がどんどんついていきますよ!

分からない時には「分かりません」とはっきり言う

実習生あるあるだと思いますが、「分からない」と言いづらくないですか?私は、「分からない」をハッキリ言えないタイプで、「はい」と返事した後に、どうすればいいんだろう…となってました。

保育士になって、実習生と関わる時に思うようになりましたが「分からない」と言ってくれないと困ります(笑)何が分からないのか言ってくれないと、説明もできないからです。

「分からない」と言われても、悪く思うことはありませんし、理解しようとしてくれていれば、どれだけでも説明しようと思えます!説明したことをメモしてくれたり、実践してくれたりしたら担当の保育士さんも嬉しいはずです。

保育の流れと決まり文句を覚える

これは、さっきも書いた内容ですが、保育園の生活の流れを把握するだけではなくて、活動ごとの歌や決まり文句があります。

例えば、「あさのうた」を歌い終えてすぐに、大人が「さんはい」と言うと、子どもたちが「せんせい おはよう ございます みなさん おはよう ございます」と言う。

この、「さんはい」が大事なんです。

また、絵本を読み終えて大人が「おしまい」と言うと、子どもたちが「ありがとうございました」と言うなど。

保育の流れの中で、決まった言葉があるのでそれに気づけると、部分実習や責任実習でもスムーズにいきますよ!!

実習生はここを見られてる

さて、実習生が1番気になる「保育士が実習生のどんなところを見ているか」についてです。

他の保育士さんにも聞いたことがあるのですが、やっぱり一番は「態度」を見ています。態度とは、実習に対してやる気があるのかどうかです。具体的に言うと、時間を守る、質問をする、理解しようとする、自分から進んでやってみようとするなど。

その他には、子どもとの関わり方は見ています。実習では、子どもと実際に関わることができ、色々と学べるチャンスですので、子どもと積極的に関わろうとしている方が良いです。子どもと距離をとって観察するだけだと、やる気ないのかな?と思われてしまうかもしれません。

ちょっと上級編ですが、周りを見ようとしていたり、先々のことを予測して準備したりする姿があれば、すごい!って思います。

1人の子と遊んでいる時に、他の子がケンカしていたり、トラブっていたりすることもあるので、保育士には視野の広さが求められます。また、責任実習で活動準備にもたついたりせず、用意周到だと言うこと無しです。

視野の広さや予測は、保育士になってから磨いていくものですので、実習生にそこまで求めませんが、できる人もいるので、意識してみると良いかもしれません。

保育実習が変化してきている

保育実習の体験談を書きましたが、ここ最近実習の在り方が変化してきています。

具体的には、実習生に掃除や作り物ばかりをさせることがNGになったり、実習生に求めすぎないようになったりしています。ある地域では、実習で保育士を目指すのを諦める人を減らすために、保育園や養成校が協同で保育所実習のパンフレットを作成し、各保育園に配布しているそうです。

昔は、実習で厳しく指導することが当たり前でしたが、保育経験のない実習生にそこまで求めるのは無理があるのではないか?という考え方が当たり前になりつつあります。

私が行った実習先の保育園は、こうした考え方で実習生に厳しくするのではなく、丁寧に教え実習生のペースで取り組ませてもらえました。

幼稚園実習ではつらい実習でしたが、保育園実習のおかげで保育により興味が持て、やる気にも繋がり頑張ることができたと思います。

もし、つらい実習だったとしても、保育実習が変わりつつあるという現状を知っておくと、「昔ながらの実習のスタイルなんだな~、遅れてるな~」っと気が楽になるのではないでしょうか。

保育実習まとめ

保育実習について、私の体験談と実習のコツを紹介しました。

私自身、実習で嫌な思いをしましたし、他の学生の話や保育士さんの過去の話など聞くと、ほとんどの人が嫌な思いをしているみたいでした。

この記事を読んで、少しでも、実習に対して気楽に臨めるようになったなら嬉しいです。

先輩からのアドバイスとして、

①挨拶はこれでもか!ってくらいする。

②実習が始まる前にすべきことを確認する。

③メモを取る。

④子どもたちに話をする時には、間を意識する。

⑤分からないときには「分かりません」とはっきり言う。

⑥保育の流れと決まり文句を覚える。

養成校では習わない内容もあるかもしれませんが、これだけ意識して臨めればきっと上手くいくと思います!頑張ってください!