居心地のいい職場で働きたい…
誰もがそう思いますよね。
そして、管理職の皆さんは居心地のいい職場を作りたいと思いながら日々改善を重ねていることと思います。
私は、保育士をしており、日々【居心地のいい職場】を目指して取り組んでる最中です。
保育士は離職率が高い職業で、職場の人間関係で転職を考える人が多いと言われています。
今回は、居心地のいい職場になるために大切なことを取り組んできた経験と一緒にまとめました。
居心地のいい職場
まず、居心地のいい職場とはどんな職場なのでしょうか。
私なりに特に大事だと思うポイントを3つ。
2,負担や責任が偏らないこと
3,発言しやすい環境であること
こんな感じでしょうか。
1,チームの一員として認められていると感じられること
居心地のいい職場であるためには、自分がチームの役に立っていると思えるかどうかが重要だと思います。
どんな小さな業務でも誰かがやってくれているから、回っているはずです。
しかし、実際には誰かがやってくれていることに気づいてない人が多いのではないでしょうか。
例えば保育園でいうと、保育をする人、クラス、行事の担当者、事務をする人、調理をする人など、お互いの業務を把握するのは難しいです。
お互いの業務を把握できていないと、「自分が保育に専念できるのは、○○してくれている人がいるから」という考えに至りません。
結果、クラスや係り職務別に壁ができてしまい、最悪の場合不満が溜まり陰口に繋がってしまうのです。
さらに、自分がどれだけ頑張っても頑張りを認めてもらえずに、やる意味あるのか?と思い始めます…。
そう思ったからこそ、職員間のこまめな共有、コミュニケーションの改善に取り組みました。
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2,負担や責任が偏らないこと
居心地のいい職場であるためには、誰かに負担や責任が偏る状況は避けるべきです。
「クラス任せ」「係り任せ」「事務任せ」と自分以外のことに無関心の職場では、ミスが起きたときに個人を攻める形になってしまいます。
また、「関係ないから何もしない」という状況では、職員1人1人のスキルアップの機会が少ないです。
例えば、運動会の係りに携わったことのない職員は、運動会を企画する方法を知る機会がありません。また、保護者への手紙をPCで作成したことのない職員はPCが苦手という意識をもったまま年数を重ねる事になりますよね。
得意不得意があることはしかたのないことで、得意な面を発揮できるような職場にするためにも、全員がスキルアップしていく仕組みは大事です。
だからこそ、ここでも職員間のこまめな共有が必要であり、担当以外の職員も関わりながら分担し合えるように取り組みました。
また、それぞれが受け持っている業務などを書き出して掲示し可視化しました。
3,発言しやすい環境であること
3つ目は、現在直面している課題ですが、居心地のいい職場は発言しやすい環境であることが非常に大事です。
これまで職員間の共有に力を入れてきて、会議の方法や内容も変化してきましたが、全員が発言しやすい環境には至れてないと思います。
良い面を挙げると、クラスの課題や係りの課題など課題が上がってくるようにはなりましたが、「○○したらいいんじゃないか?」「こんな方法はどうか?」などの意見は決まった人から出てる状況です。
ある職員さんに聞いてみると「間違ったことを言ってはいけない」と思ってしまうと言っていました。
その気持ちは私もすごく分かります。ある本にこの課題が解決できそうなヒントが書かれていました。
人それぞれの ”普通” が違うということを知り、お互いの普通を共有することが大事だそうです。
もう少し具体的に言うと、「たくさん」という言葉に対して、Aさんは「10個~20個」だと感じ、Bさんは「100個~200個」だと感じるといった具合です。私も、思い当たることがあり、ある日「保護者がすごく怒っていた」という言葉を聞いた時に、私は「怒鳴り、訴えてやる!」くらいの勢いだったのかと思い焦りましたが、実際はそうでもなかったことがありました。ですが、直接保護者と話した職員は普段の保護者の様子からすると「すごく怒っていた」と感じたみたいです。
この、人それぞれの”普通”を共有していき、職員同士が理解し合えれば、発言しやすい環境ができるのではないかと思っています。その方法はまだ模索中ですが…。
居心地のいい職場の落とし穴
これまで職員みんなで様々な改革に取り組んできましたが、居心地のいい職場を目指す上で、気づかぬうちにハマってしまう落とし穴があります。
居心地のいい職場にしたいと考えた時に、「楽しい職場」「楽な職場」「気軽な職場」「キッチリしすぎない」「臨機応変に対応する」というような発想になりがちではないでしょうか。
その結果、生まれるのが”曖昧さ”です。
”曖昧さ”は確かに良い面もありますが、保育方針や勤務中の報告・連絡・相談、役割分担といった職場内のルールなど、”曖昧”ではいけない部分が存在します。職員1人1人の立場からすると、明確なルールがないのに「そうじゃない、考えたらわかるでしょ」と言われても難しいですよね。
また、管理職の立場からすると、明確なルールがないことが原因で、強く言えずに責任を取らせることが出来なくなってしまうことも起こりえます。
日本の文化的に、「相手の思いに察して動くこと」が良しとされる部分がありますが、全員が察しの良い人間とは限りませんよね。
業務として確実にこなすべきことは、明確なルールとして共通理解しておく必要があるのです。
そのため、職員みんなで”曖昧”を見つけ、ルール決めに取り組んできましたが、ルールが増えたことで堅苦しく働きにくいということにはなっていません。むしろ、ルールがあることで言いにくかったことも言えるようになり、組織としての一体感が強まったように感じています。
まとめ
今回は、居心地のいい職場をテーマにこれまで取り組んできたことを紹介してみましたが、少し難しい内容になりました。
私の勤める園では、保育の質を高めることにも力を入れています。
様々な取り組みを経て感じることは、保育環境や大人の関わり方を改善すること以前に、上記で紹介したような職員間の連携やルールを明確にするなどの、組織としての基礎力を高めることが、保育力向上には欠かせないと感じています。
地道な取り組みですが、職員みんなで意見し合いながら1つ1つ改善してきたことは、きっと良い保育の実現にも繋がっていくはずです。
記事を書いている私だけでは、これまでの取り組みが形になることはありませんでした。私の見えていない部分や気づけていない部分を、周りの職員さんがカバーして、みんなで一緒に取り組んできたからここまで形にできたと思います。今、居心地のいい職場だと職員全員が言えるかどうかは定かではありませんが、少しずつ近づいているのではないでしょうか。これからも、みんなで協力しながら励んでいきたいです。