学童保育の夏休み【実践と反省点】

学童保育の夏休みはすっごく大変です。

学童に勤務されている方なら、「うん、うん」と共感してくださるのではないでしょうか。
今年は、大きな事故やケガもなく子どもたちの遊びや活動も充実していたと思います。

今回は、振り返りを兼ねて、学童保育の夏休みが充実するための実践紹介をまとめてみたいと思います。ちなみに、記事を書いている私は、たまに学童に入るくらいで夏休み準備や行事準備など何もしてません…。学童に入っている先生方が色々と工夫を重ねて実践してくれたことを紹介させてもらいます。

学童保育の夏休み

まず、学童保育の夏休み期間がどんな毎日だったのか。

大きなイベント紹介

7月18日終業式の日、そうめん流しから夏休みがスタートしました。

そうめん流し

竹を切ってくる年もありましたが、今年は雨樋を使ってのそうめん流しです。
そうめんは保護者の方にご協力いただき沢山集まりました。

行事の度に保護者の方々が協力して下さるので非常に助かっています‼

 

次にあったイベントは、料理教室です。

料理教室参加

地域のイベントとしてお声掛けいただき、15名程参加させていただきました。
顔つきがいつもと違って真剣です(笑)

 

地域の海の家に遊びにいきました。

学童保育の夏休み「海の家」

毎年の恒例行事ですが、地域の海の家を貸し切って存分に楽しみます。
釣り、泳ぎ、卓球、ゲーム、焚火など。子どもたちから「海の家行きたい」と言われて取り入れてますが、大人はヘトヘトです…

海の家を紹介するYouTubeを撮影してくれてます。良かったら見てみてください!
そして、ぜひ海の家に遊びに行ってみてください!

 

夏祭り(出店)で夏休みを締めくくりました。

学童保育の夏休み「夏祭り」
ジュース・ポップコーン屋さん
かき氷屋さん
かき氷屋さん
アイスクリーム屋さん
アイスクリーム屋さん
から揚げ屋さん
からあげ屋さん
たこやき屋さん
たこやき屋さん
サイダーゼリー屋さん
サイダーゼリー屋さん

こんな感じで、子どもたちが自分たちで考えて準備した出店が並びます。他にも射的屋さんやプラバン屋さんもありました。
学童専用のマネーを使って実際に売り買いしますが、この日のためにみんなお金を貯めていたみたいです。

出店で買いすぎた子
いっきに買い過ぎ…

他にも、ダンスや特技の披露、BINGO大会などもあります。

5月中旬頃から、「夏祭りで出店か出し物しませんか?」

というような募集を貼りだして、参加を募ります。
今年は参加者が多く、出店の数も多かったですが、食べ物ばかりの年でした(笑)

年々、内容もクオリティーも上がってきており充実していっているように感じます。大きなイベントはこんな感じです。

 

少し前の学童は、子どもたちの遊びや活動を充実させるために「行事」や「イベント」を増やした時期がありました。
しかし、今は反対に少しずつ減らしていってます。

その理由としては、子どもたちからの提案力が育ったからです。子どもたちが提案し、メンバーを募り、企画し、実行するという流れが染みついてきて、小さなイベントが盛沢山な状況になってます。

私たちは、子どもの主体性を引き出すことを目標に試行錯誤を重ねてきました。子どもたちから沢山の意見が出るようになったことはその成果だと思っています。

子どもたちからの提案を少しだけ紹介しますね。

小さなイベント

川で泳ぐ子どもたち

保育園のプールで泳ぐ子ども

お絵描きパッド

子どもからの意見

振り返ってみると大量の意見がありました。「川に生き物探しに行きたい」「保育園のプールで泳ぎたい」「スライム作りをしたい」「○○大会をする」「テレビゲームを持ち込んで大会を開きたい」「プラバン作りをしたい」などなど…。まだまだありますがこんな感じでした。

こうした意見が出た時には、いつやるのか?必要な物は何か?などを考えさせます。
そして、必要な道具や材料は自分たちで持って来るように伝えます。

毎朝、朝の会をしますが「子どもたちから何かありませんか?」の時に何の提案もない日はほとんどなかったです。
これだけの提案があれば、毎日がイベントのようで充実していました。

 

学童保育の夏休みに向けた準備

ここからは、夏休みに向けての準備についてです。

夏休みカレンダー

新年度が始まる前に、大まかな行事は年間計画の中に入れています。
それを基に、5月頃には夏休みに向けて動き出していかなくてはいけません。

・シフト

学童保育の夏休み「シフト」

シフトについては、どこの学童も困ってる部分だと思います…。夏休みは子どもの滞在時間が長くなるため職員が多めに必要になりますよね。今年は、夏休み期間中のアルバイトととして3名受け入れました。この3名を見つけるのも大変なので、4月5月くらいから募集しています。また、仕事内容や注意事項を伝えるための資料作りや手続きなどもしなくてはいけません。

・予定表作り、行事の振り分け

学童保育の夏休み「予定表と行事」

学童保育の夏休み期間中のカレンダーを用意し、予定表を作成していきます。5月くらいからでしょうか。ざっくりした予定表を作る事で職員間で共有しやすくなり、分担も簡単です。私たちの学童では、職員間での話し合いを大事にしているので、その中で「あれもしないと」「これもしないと」と意見を出し合っています。複数で意見を出し合えることで、多角的に考えられるのでミスも防げますし、お互いのスキルアップにも繋がります。

・熱中症対策と感染症

学童保育の夏休み「熱中症対策」

夏と言えば熱中症に注意しなくてはいけません。また、食中毒や夏風邪など流行する感染症もありますよね。それらを踏まえて対応できるように準備しなくてはいけません。私たちの学童では、熱中症マニュアルと感染症マニュアルを作成しており、外遊びの基準や登園基準などを設けています。学童保育の夏休みが始まる前に、これらの基準を確認したり、すぐに目で見て確認できるように掲示したりしました。

学童の熱中症マニュアルについては別記事にまとめています。

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・業務確認と分担

学童保育の夏休み「業務確認と役割分担」

学童保育の夏休みは、朝から晩まで長時間子どもたちを見なくてはいけません。早番、普通番、遅番とシフトを組んでいますがそれぞれがやるべきことを事前に確認しました。特に重視している点は、保護者からの連絡や子どもの受け入れを誰が担当するか?1日の進行役を誰がするのか?などです。保育園や学童保育は、同じような毎日の繰り返しで、どうしてもダラダラしてしまいがちだと思います。メリハリをつけるためにも、絶対にやるべきことの確認や、お互いに人任せにしないように進行役を設けました。

・お昼ご飯について

学童保育の夏休み「おひるごはん」

学童保育の夏休みは、平日と違って昼食の時間があります。私たちの学童では、保育園の調理の先生と連携したり、クッキングがあったりしますので、その点の確認や食べ始めと食べ終わりの流れの確認を行いました。また、弁当を持参する子が多く、カップラーメンを持ってくる子もいます。お湯を注いで持ち運ぶ際にこぼしたり、食べている時にこぼしたりする危険があるため、子どもたちの動線には物を置かないようにしたり、時間をずらしたりと色々と工夫しました。

・環境構成

学童保育の夏休み「環境構成」

環境構成は特に大事にしている点です。学童保育の夏休みを安全に充実したものにするには、子どもたちが遊べるかどうかがカギだと思っています。暑すぎて外遊びもあまりできませんし、遊べずにフラフラする子が多いとトラブルが増えて大変です。まずは、遊びを充実させる方法を考えます。そして、できるだけ子どもたちが分散するような配置を作ったり、遊びに興味を持てるような仕掛けを作ったりして事前に準備しました。今年は、園庭に畑を作り栽培に力を入れたことと昆虫観察に力を入れましたが、子どもたちの食いつきも良く、やって良かったと思っています。

 

学童保育の夏休み【反省点】

紹介したように、学童の職員みんなで早くから準備し、様々な工夫を凝らしましたが、やっぱり反省点、改善点はありました。
少し紹介すると、そうめん流しやキャンプ、出店などの行事で子どもたちが混雑したことです。子どもたちを「分散」させることは普段から気を遣っていますが、なかなか難しいです…。また、行事の進め方について、職員間での共有が不足していたことや、アルバイトにどこまで任せるか曖昧だった点が反省点として挙がりました。

反省点があったとは言え、夏休み全体で考えるとすごく良かったです。数年前に挙がっていた反省点と比べると確実にレベルアップしています。大事なのはちゃんと反省して改善を繰り返していくことですよね。職員間でこまめに話し合いながら常に更新してけるチーム力がついてきているのだと思います。

先ほど夏祭りについて紹介しましたが、子どもたちもちゃんと計画を立てて、自己評価までしています。

子どもたちの計画表

こどもたちの反省

自分でやりたいと思えることに関しては、すごく熱心に取り組みますよね。
低学年も、気づいたことや反省点をちゃんと書いてくれていて嬉しくなりました。

最後に

冒頭でも書きましたが、この記事を書いている私は、朝と夕方の少ししか学童に入ってません。
紹介した内容は、他の職員さんたちが計画を立て準備してくれた成果です。

 

今回は、学童保育の夏休みについてまとめてみました。今年は上手く行きましたが、数年前は毎日がバタバタで、疲労度もすごかったです…。挫けそうな時もありますが、常に更新し続けることで保育も良くなるし、大変さも軽減します。

私たちの学童保育では、”クエスト”というものに取り組んでいますが、子ども主体の保育を実現させるのに非常に役に立っています。クエストという仕組みを確立したことで、子どもからも大人からもアイデアが出しやすくなりました。もし、子どもたちが「ひまい」「かえりたい」とネガティブな言葉を言っていたり、学童保育が大変だと感じている方には、クエストをお勧めします。

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