子どものケガを防ぐことは保育士の役割の1つです。
保育園で起きるケガには、仕方のないケガと防げたはずのケガがあると思っています。
自分が子どものケガを防げないな…と悩んでいる方や、他の保育士と自分とでケガに対する意識が違うんじゃないかと感じている方などに向けてまとめてみたいと思います。
子どものケガは2種類
大きな括りで分けると、子どものケガは仕方のないケガと防ぐべきケガの2つに分けられると思います。
仕方のないケガとは、普通に歩いたり走ったりしている時に転んで起きたケガなど。
そして、防ぐべきケガとは、予測できたケガや保育士の配慮不足で起きたケガなどです。
子どものケガは、保護者からのクレームにも繋がりやすいため、保育士が1番気を使っている部分かもしれません。しかし、ケガしないことを優先しすぎると子どもに必要な体験が不十分となり、成長の妨げになる可能性があります。
極端に言えば、子どもを1日中部屋に閉じ込めて、他の子とも関わらせずにじっとさせていればケガは起きませんよね。しかし、そんなことをしていては、確実に子どもの発達に悪影響です。だからこそ、仕方のないケガであれば多少目をつむって子どもに必要な体験を積ませてあげることが大事だと思っています。
防ぐべき子どものケガ事例
噛みつき
未満児で多いのが「噛みつき」です。
未満児は、子どもの発達的に他の子との関わりが非常に大切な時期ですよね。そのため、子ども同士の関わりを重視した結果、「噛みつき」が起きてしまうのは仕方のないことなのかもしれません。
しかし、保育者の立ち位置や、子どもの遊ばせ方などできる限り噛みつきが起きないように、そして止められるように工夫することは必要です。
保育士間で、噛みつきが激しいことを共有しておき、連携しながら注意して保育するだけでも変わります。どうしても、保育士が手薄になる瞬間は、他の子から少し離すだけでもいいですよね。そういった配慮や工夫をしないで噛みつきを繰り返すのは、防ぐべきケガだと言えます。
園庭遊び
次は以上児の例を挙げます。園庭遊びをしていて鬼ごっこや三輪車、縄跳び、ボール遊びなど各々自由に遊んでいる時に、子ども同士が衝突してケガをしてしまう場面はどうでしょうか。子どもは視野が狭いため衝突はよくあるケガの1つです。
例えば、三輪車が走り回れるコースを作ってあげたり、縄跳びやボール遊びの場所を園庭の隅に誘導したり、鬼ごっこをしている子たちがかくれんぼに変更してくれていたら、衝突が起きにくかったのではないでしょうか。
走り回る子どもたちがいて、三輪車や縄跳びやボール遊びをする子どもたちがいる時点で、衝突のリスクは高いですよね。それを察知して、遊び方を限定したり、場所を工夫したりしていれば防げたケガだと言えます。
子どものケガを防げる保育士
私は普段、保育園と学童に勤務しています。
ある時、大人によって子どものケガに対しての受け止め方の違いが気になりました。ある先生は、「すみません、私の配慮不足で…」と重く受け止め反省している様子。ある先生は、「○○君が○○してケガしました」と自分を省みることはしない様子。
もちろん、後者の先生が保育している時の方が子どものケガの発生率が高いです。
私は、子どものケガを防げなかった時に落ち込むことが当たり前だと思っていたので、この差がかなり気になりました。
結局は、保育者1人1人の保育者としての自覚の差が原因ですが、子どものケガを軽く受け止めさせない仕組み作りを園全体でやるべきです。
そのため、職員みんなで保育者の動き方やケガの対処方法などを話し合い、ルールを設け取り組んできました。
こうした経験を基に、子どものケガを防げる保育士とそうでない保育士の違いは、予測する力がカギだと思っています。
ちょっとしたことですが、棚のささくれが刺さるかもしれない、同時に遊ばせるとぶつかるかもしれない、この道具は安全に使えないかもしれないなど、予測しながら保育をすることで、子どものケガを防げる可能性は高まるばずです。それでも、予測できないケガが起きた時には、次回同じ失敗をしないように、より精度の高い予測ができるように修正していきます。もちろん、保育の経験がものを言いますが経験がしっかり積み重なっていくには、考えながら保育するクセを付けなくてはいけません。
保育士が育つ環境作り
最近、保育園の安全対策の研修を受けて学んだことがあります。
大きなケガや事故が起きる園は、小さなケガや事故が問題視されず素通り状態だそうです。
そして、小さなケガや事故が素通り状態になる原因は、保育園全体の情報共有が不十分なことや、お互いの職員が自分のこと以外に無関心であることが挙げられるそうです。例えば、他のクラスの子がケガしたことを他の職員が知らない、噛みつきが激しいことを他の職員が知らない、誤嚥が起きたことを他の職員が知らないなど…。
そんな状態に加えて、職員に急な入れ替わりがあるなどの条件が重なることで、大きな事故へと繋がるそうです。
逆に、職員間の情報共有が徹底されていると、他の職員から聞いた事例などが、自身の危険予測に生かされ精度が高まります。その結果、職員の質の向上に繋がるそうです。また、他の園で起きた事故などを職員間で共有することも同じ効果が期待できます。
今回は、保育園で起きる子どものケガについて書きましたが、要約すると、子どものケガは保育士1人1人の予測する力に関係し、保育士1人1人の予測する力を育むためには、組織全体の情報共有が大事だということです。
現在、保育園全体で情報共有の見直しと改善に力を入れ、職員みんなで取り組んでいます。少しでもいい保育ができるように日々精進していかなくてはいけませんね。