Z世代の保育士 の育成に困る?現役保育士目線で紹介。

Z世代の保育士 の育成で悩むという声をよく耳にします。

『最近の若者は、、』など言ったり言われたりしてませんか??

私は、ギリギリZ世代ではありませんが、若手時代はよく『最近の若者は…』と言われていました。
『若者』と一括りで悪く言われるのが嫌いだったので覚えています。

そんな私も気づけば保育園では中堅の存在。Z世代の保育士と一緒に保育をしています。

今回は、Z世代の保育士 に着目して、Z世代の特徴や育成方法について考えてみました。

Z世代の保育士

そもそもZ世代とは、1996年から2012年までに生まれた人を対象に言うのが一般的みたいです。

2024年の年齢でいうと、Z世代は11歳~28歳までということになります。
ちなみに1980年頃〜1990年頃生まれはY世代。1965年頃〜1980年頃生まれはX世代とされてます。

Y,X世代の方々はZ世代の保育士 にどのような印象をお持ちでしょうか。
『最近の若者は……!』などと言ってませんか?

 

他の園の話を聞いているとZ世代の保育士 に困っているという話が多いです。「言わないと動かない」とか「仕事に対する熱意がない」などをよく耳にしますが、個人的には世代の問題ではないと思っています。むしろ、どちらの世代が優れているかで言えば、時代の変化に柔軟なZ世代ではないでしょうか。

私の勤める園にもZ世代の保育士 がいますが、仕事の対してのギャップを感じることはそこまでなく、自分の若手時代に比べてよくできるなと感心する場面が多いです。そして、Z世代の保育士 1人1人、性格や得意なことも様々で一律に世代の問題ではないとつくづく思います。

Z世代の保育士 と仕事をしていてギャップを感じる部分を挙げるとしたら、「自身の考え方や思いを尊重する姿」でしょうか。興味がないことや好きではないことにはあまり関心がないというか深入りしないような感じがします。また、理不尽だと思うことや納得できないことに対して意見が言える強さも感じます。あくまで私個人の意見ですが、上下関係が厳しく理不尽さを経験していた自分と比べると、ギャップを感じることもありますが不満には思っていません。

他にはどんな特徴があるのか?Z世代について調べてみました。

Z世代の特徴

調べてみると、Z世代の特徴には長期的な不況が続くなかで成長したことやインターネットの活用などが背景にあるみたいです。

保守的で安定志向な傾向

何かに挑戦して失敗するよりも、失敗回避を目指す人が多いのが特徴です。

 

多様な価値観の尊重

子どものころからインターネットを活用し、世界中の情報に触れているZ世代は、多様な価値観を尊重します。自分自身の価値観も大切にしているため、お互いに認め合い、助け合う関係性を好む傾向にあります。また、「価値観が合わない」「居心地が悪い」と感じた仕事や組織とは、そっと距離を置きます。

 

専門性を磨きたいという意識が強い人が多い

Z世代はさまざまな仕事に手を出すより、専門性を磨きたいという意識が強い人が多いのも特徴です。
長い不況のなか育ってきたZ世代は、もしものときに備え、どこでも通用する人材になるために、資格取得やスキルアップを重視する傾向にあります。

 

「正しいか正しくないか」を判断する能力に長けている

Z世代はネットを活用してさまざまな情報を集め、「正しいか正しくないか」を判断する能力が長けています。
そのため、根拠のない指示や公平性を欠く評価を嫌うことが多く、「とにかく会社の指示・命令には従うべき」という考えは通用しません。指示・命令を出すときには目的や根拠を示すなど、丁寧な指導を求める人が多い傾向にあります。

 

自分が属するコミュニティを大切にしている

Z世代は子どものころからSNSを活用してきた世代で、自分が属するコミュニティを大切にしているのが特徴です。
そして、「コミュニティのなかで認められたい」「共感してほしい」という欲求が強い人が多くいます。SNSで「いいねを多く集めたい」というような気持ちと同じと考えるとわかりやすいでしょう。

 

効率重視型が多い

あらゆる情報が溢れる環境で育ったZ世代は、安くておいしい飲食店を求める、動画の閲覧は1分未満のショート動画をメインで視聴するなど、自分が使ったお金・時間に対するパフォーマンスの高さを重視します。
仕事においても同様に「無駄」を嫌うため、非効率と感じた作業を倦厭しがちです。最低限の労力で、高いパフォーマンスを発揮することを考えます。

 

柔軟に働きたいと考える人が多い

Z世代はひとつの会社に固執しておらず、柔軟に働きたいと考える人が多いのが特徴です。副業や複業(複数の仕事を本業として同時進行すること)、転職などによって、スキルアップ・キャリアアップを図る人が多く見られます。
とくにエンゲージメントが高い層は自分のキャリアビジョンが明確で、積極的に人脈や経験を増やす活動を行っています。

 

Z世代の特徴を読んでみてどのように感じましたか??
私は、良い面ばかりだと感じました。考えながら、効率的で柔軟な人材は職場において貴重な存在ではないでしょうか?

Z世代の保育士 育て方

若手育成で困っているという話をよく聞くので、Z世代の特徴を踏まえた育成方法も調べてみました。

目標を設定
今後の目標をもとに自分自身の「ありたい姿」を設定し、ありたい姿を実現するには何が必要かをたずねるなど、質問をうまく活用して、主体的にキャリアを考える志向を育てることが重要です。

 

根拠を示す
丁寧な指導を求めるZ世代には、指示を出すときに目的を明確に伝えることが重要です。
なぜこの作業が必要なのか、この仕事が何の役に立つのかなど、目的(メリット・効果)をしっかり伝えると、モチベーションが上がりやすくなります。

 

成長できる機会作り
Z世代はスキルアップに意欲的な人が多く、「この会社では成長できない」と感じるとモチベーションが下がったり、退職してしまったりすることがあります。今割り振っている業務以外へのチャレンジを認める、学習環境を整えるなど、継続的に成長できる機会を与えていきましょう。

 

定期的に振り返りフィードバックする
承認欲求が強く「認められたい」と感じているZ世代は、職場で自分がどう評価されているのか不安を感じています。そのため、小さな成功体験を重ねる機会を与え、自己肯定感を高めることも大切です。

 

調べてみると、Z世代の育成に大切なことはこんな感じです。紹介した内容は、保育園に限らず他の業種がメインになっていると思いますが、保育園での育成にも大切なことだと思います。保育園は利益を出すことが目的ではないため、目標設定や根拠を示した指導などに弱く曖昧になりやすいです。Z世代の保育士を育成するためには、保育園の方針を固め、指導する立場の者が1つ1つの意図を説明できなくてはいけません。また、成長できる機会作り=外部研修が思いつきますが、研修を受けるだけでは意味がありません。研修で学んだことを職員間で共有し保育実践に落とし込める仕組み作りが大事です。そして、定期的な振り返りやフィードバックもただ褒めるよりも、職員間での話し合いの中で評価し合う方が効果的だと言えます。Z世代の保育士育成のカギは、職員間の共有力で、保育園の組織固めが重要だと言えるのではないでしょうか。

Z世代の保育士さんへ

ここまでは、Z世代の保育士 の育成をメインに書いてきましたが、最後にZ世代の保育士さんに向けてのメッセージを書かせていただきます。

『最近の若者は・・・』と1括り悪く言われることがあるかと思いますがどの世代も言われてきたことです。正直「ムッ」となる場面が多いと思いますが、仕事ができるかできないか、優秀かそうでないかは世代は関係ありません。ちゃんと評価してくれる人も必ずいるので聞き流してください。

常に考えながら、学ぼうとしている人はどんどん伸びていきます。しかし、周りの環境によっては成長が止まってしまう場合もあるため、自分で考えて行動することをやり続けてください。「正しいか正しくないか」を判断する能力に長けていると言われるZ世代の皆さんは「決まりだから」「先輩に言われたから」などに捕らわれずに自分で考えて行動できるはずです。

保育の世界は、昔からのやり方や暗黙のルールなどが根強く残っている部分があります。保育は”子どもたちが第一であり、大人の都合で子どもたちを動かすのは間違い”です。当たり前のことに疑問を持ち、間違っていることは間違っていると言えることで、適切な保育を受けれる子が増えていくと思います。本質を見失わないように日々考えながら保育していきましょう!