モンスターペアレントだと思われる?保育士目線で解説。

「モンスターペアレント」って言葉を保護者の方が意外と気にするみたいです。

子どもを保育園に預けている知り合いから、保育園への不満を聞くことがありますが、「モンスターペアレントって思われるかな?」という質問が多く、保護者の方は案外気にしているのかなと思いました。

確かに、保護者からのクレームや要求は度々ありますが、すべてがモンスターペアレントだと感じる訳でもありません。

今回は、保育園側がどう感じているのかのリアルな意見と、モンスターペアレントに当てはまる人の特徴や内容などを紹介してみようと思います。

モンスターペアレントとは?

モンスターペアレントとは、過剰な要求や不当な要求を行う保護者を指す言葉

相手側が対応すべき範囲を超えた要求を、繰り返し、執拗に行うことにより、業務に支障を生じさせる点に問題があり、モンスターペアレンツ、あるいは略してモンペなどとも呼ばれます。

弁護士目線でモンスターペアレントについて解説されているサイトがありました。

保育園に対して、保育園側が対応すべき範囲を超えた過剰な要求が当てはまるみたいですね。

保護者からのクレームや要求の事例

私は、これまで2つの保育園を保育士として経験してきましたが、実際に保護者からあったクレームや要求の事例を紹介します。

自分の子が他の子に噛みつかれたことに対して、保育士はちゃんと見ているのか?
1歳児クラスで噛みつきがあった時に、噛みつかれた子の保護者からちゃんと見ていないのではないか?と保育園側にクレームがありました。
この件については、保育士としてはモンスターペアレントだとは思ってません(笑)むしろ、噛みつきを止めれなかったことに対して、責任を感じます。
ただ、保護者の方に伝えたいこととして、噛みつきがひどい子は、唇になにか触れただけで噛む時もあります。噛みつきを完全に防ぐなら他の子どもと触れ合ったり、関わったりさせなければいいだけですが、子ども同士の関わり合いは子どもにとって非常に非常に大事です。
以前、1歳児クラスで噛みつきがひどいクラスがありました。その時は、子ども同士が物の取り合いを始めた時に、すぐに子ども同士を離さないと噛みつきを防げない状況でした。そうやって関わりが乏しい状態で、2歳、3歳とクラスを上がって行った子どもたちは、1年ほどの成長の遅れが見られました…。それだけ0歳や1歳の時に他の子と関わり合うことは大事なのです。だからこそ、手がでたり、噛みつきがでる寸前まで見守りたいのが保育士としての意見です。
HPの写真に自分の子が映る頻度が少ないと月に1回ペースで言ってくる
結構前にあったことですが、保育園のHPに行事や取り組みの写真を載せていましたが、アップする度に「うちの子が映ってません」「うちの子を撮ってあげて下さい」と言われたことがあります。その度に、「できる限り偏りのないように選んで載せてます」と伝えていました。
これは、、、ちょっとアウトかもです(笑)
HPの写真が、完全に偏って特定の子ばかり写されているなら、ごもっともな意見なのですが他の子を差し置いて、「ウチの子を写せ」は自分勝手かもしれません。
保育園であまりお昼寝されると、家で寝ないから困る。
お昼寝に関しては、ちょこちょこありました。例えば、「保育園で寝るから家で寝ない。寝せないで!」という意見です。
家庭で困っているのなら協力したいけど、子どもの体力的に昼食中に寝てしまったり、お昼寝しないと午後の活動中に寝てしまったりしている状況でした。そんな子を、無理やり起こすのは違いますよね。保護者の方には、「協力はしたいけど、子どもに適した関わりをしていく」という点は粘り強く伝えさせてもらいました。
また、その反対もあります。「保育園でお昼寝をちゃんとさせてほしい。夕方、帰宅してから寝てしまい大変だ」という意見です。これにも困りました…。
頑張って寝かせようとするのですが、全く寝ない。こんな子も時にはいるのです💦その子を寝せるためだけに1時間も2時間も費やすのは保育園側もかなり大変でした。保護者の方には、お昼寝の方法や様子も説明し、夕方に眠くなるのなら、お昼寝のタイミングで眠くなるように、朝起きるのを早めて欲しいとお願いをしました。
このお昼寝についての意見は、モンスターペアレントだとは思っていませんし、意見や相談としては全然OKです。保育園側の意見を聞き入れてくれたり、一緒に対策したりと、保護者の方がそんなスタンスであれば問題ありません。しかし、一方的に保育園だけに押し付けてきたり、家庭での工夫や努力は全くしなかったりするとモンスターペアレントだと思われてもしかたないかもしれません。
クラス担任を変えてほしい。
これも実際にあったのですが、「若い先生でなくベテランの先生に見て欲しい」という意見でした。これについては、理由が良くないですよね。
若い先生とは、1年目の先生の事を言っているそうで「1年目で若いから心配。だから良く知っているベテランの先生が良い。」と言われても、1年目の先生も一生懸命やっていますし、若さって関係ないですよね(笑)
若くても子どものことをちゃんと考えて良い保育をしている先生もいますし、ベテランでもさまざまです。
なにかトラブルや事故などがあってのその意見であれば分かりますが、「若さ」だけが理由では、保護者の方の偏った考え方で、モンスターペアレントと思われるかもしれません。
職員間での伝達ミスが多い。
「あの先生に伝えていたのに、他の先生に伝わっていない」こういったことが積み重なってのクレーム。これは聞いた話になりますが、モンスターペアレントだとは全く思いません。完全に職員間の連携が取れていないという体制に問題があります。
むしろ、個人的にはこうした保育園側の体制への指摘はありがたいです。確かに、改善が必要だと思えばすぐに取り掛かりたいですし、無理であれば理由を伝え、保護者に理解してもらおうと努力します。
外側からしか見えない点はあると思いますので、気づいたら言って欲しいです。

モンスターペアレントだと思われない方法

いくつか事例を紹介しましたが、保育園への意見やクレームなどすべてがモンスターペアレントだと思われるわけではありませんし、子どもたちの安全面や不平等な面など、言わないといけない時もあります。

モンスターペアレントだと思われない方法としては、感情任せにならず言い方に気を付ける。自分勝手でなく保育園側の考えを聞く。これだけです。

知り合いに、預けている保育園のことで相談された時には、「保育園側の意図は聞いたことある?」と聞くようにしています。多くの場合、保育園側の意図を知らないことが理由で、不満に感じたり、イライラしたりしているからです。時には、明らかに保育園側に落ち度がある場合もありますが…。

まず、保育園側に何かしらの考えや意図があるのではないか?と考えるだけで、言い方も柔らかくなりますし、自分勝手な一方的な意見にはならないはずです。ちゃんとした回答が来なかったり、改善しようとする意志が見えなかったりする場合は、子どもや他の保護者のためにも頑張って意見を言いましょう(笑)

モンスターペアレントまとめ

保護者の方が気にしがちな、「モンスターペアレント」について、保育士目線でまとめてみました。保育士ということで、知り合いから相談を受けることが度々あったので、記事としてまとめてみましたが参考になったでしょうか。

私が伝えたいことは、モンスターペアレントという言葉が強烈すぎて、意見を言うこと自体が、悪い事のように認識されていますが、実際にモンスターペアレントだと思われるのは、かなり少ないということです。そして、意見を言うことで、子どもにも保護者にも保育園にもいい影響を与える場合があります。

保育園は子どものことを1番に考え、保護者と一緒に子どもの成長を見守っていかなくてはいけません。だからこそ、子どもたちや他の保護者のための意見はとてもありがたいです。ただし、感情的で保育園側の意見を聞いてくれないようでは、厄介だと感じてしまいます。

「保護者と保育園とお互いに協力していこう!」というスタンスであれば全く問題ないということですね。

保護者の方とそういった関係性を築けるような保育園でありたいと思います。