けんだま を保育園や学童で流行らせたい!
夢中になって遊び込むようにしたい!
そんな方に向けた記事です。
実際に学童でけんだまが大流行したことがあり、今現在も、黙々と取り組んでいる姿も見られます。
そして、けんだまで遊ぶ子が増えたことで、室内遊びが充実し、走り回ったりトラブルが起きたりすることも減りました。
そんな保育実践を紹介したいと思います。
けんだま遊び
学童の室内遊びとして けんだま を取り入れたのは、5年ほど前。
きっかけは学童の建て替えと同時に、保育方法や環境を見直し、一斉保育から子ども主体の保育へと変化したことでした。
子ども主体の保育については、考え方や保育方法などを以前書いた記事がありますので今回は省略します。
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まずは、何といっても遊びを充実させ、子どもの遊びの選択肢を増やす必要がありました。
その時に、職員一人一人の得意分野を遊びに取り入れよう!ということでけんだまが出てきたのです。
しかし、室内遊びとしてけんだまを用意するだけでは、子どもたちはすぐに諦めてしまいます。
どうすれば遊びが継続するのか?
どうすれば挑戦したいという意欲が湧くのか?
こんなことを考えて試行錯誤することが子ども主体の保育には必須です。
けんだま が流行した工夫
では実際に、どんな風に流行したのかについて紹介します。
けんだま だけではありませんが、子どもたちが自ら遊び込むようになったのは、クエストという保育方法が子ども主体の保育とマッチしたからです。
クエストについては、別記事で詳しく紹介していますので、そちらを読んでいただけると幸いです。
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このクエストを上手に活用しながら、どんどん けんだま遊びが充実していきました。
流行までの手順とポイント
1,見本を見せる
⇒例えば、大皿、小皿、中皿と技名を周知する。けんだまの本を用意する。というだけでは少し躓いただけで諦める子も多いです。
どんなことでも当てはまりますが、「自分にもできそう」と思うためには、実際に見てイメージを掴むことが一番です。
そのため、見本を見せたり、大人が楽しそうに取り組んでいる姿を見せたりすることが1つ目のポイントになります。
けんだまが得意な職員がいてくれたことが大きかったですが、大人ができない場合は、YouTubeなどの動画でも構いません。
2,簡単な技に挑戦する
⇒新しい遊びや新しい取り組みを始める時に、「できた!」という成功体験は、今後の遊びの継続に大きく影響します。
よくあるパターンですが、子どもの難易度に合ってない場合は、子どもは楽しく感じられずすぐに辞めてしまいますよね。
まずは、「大皿に乗せる!」だけでも良いので、簡単な技に挑戦できるようにし、できた時の感動を大切にすることが2つ目のポイントです。
保育園で取り入れる場合は、「大皿」の時点で難しいかもしれません。初めのうちは、垂直に引き上げる動作とその力加減に加え、小さな皿の上に置くのが難しいです。更に、固いため危険も伴います。更に難易度を落とすには、カップなどを組み合わせ、柔らかい素材で手作りしたもので、動作や力加減を何度も体験できるようにしてあげるといいかもしれません。
3,様々な難易度の技を知る
⇒「大皿」ができるようになったら、「小皿」「中皿」など次のステップです。一度にすべての技を知らせてもいいのですが、個人的には、3つずつなど小出しにしていく方が遊びが継続する気がします。この時にけんだまが得意な職員がしてくれたことは、けんだまの代表的な技のクエストを子どもの上達に合わせて更新してくれました。


ある程度できる子が増えたら、子ども同士でコツを教え合ったり、技を見せ合ったりしてくれるため、けんだまの本などを置いているだけで勝手に上達していきます。
ここまで丁寧に遊びの導入ができれば、子どもたちはかなりハマります。
「今日、けんだまする」「けんだまするために早く宿題終わらせる」など学童に目的を持って来てくれるようになるため、子どもたちも生き生きしていますし、大人も嬉しいですよね。
今は、技の一覧表があるだけで、ごくたまに検定を開催したりする感じです。
4,達成するための目的を作る
⇒子どもたちのモチベーションの維持のためには、目的を持たせることが大事です。クエスト自体が、目的を持たせるためでもありますが、行事で披露したり、期限を設けてみたりと工夫次第では子どもたちのモチベーションを高めることができます。
けんだまに限らず、遊びを充実させるには目的を持たせることが重要ですよね。
遊びは子どもにとっての学び
けんだまをピックアップして紹介しましたが、手順やポイントは他の遊びでも共通です。
子どもたちが遊び込むことができるようになれば、遊びを通して様々な体験をすることになります。
できることが増えることで自信が持てるようになりますし、自ら取り組もうとする自主性や、試行錯誤を繰り返す思考力、友達と協力することで、協調性や共感力などさまざまな力が育っていきます。
子どもにとって”勉強”だけが学びではないということです。
そして、勉強も遊びも大人側が強制的にやらせるよりも、自らの意思でやろうとした時の方が吸収するものが多く、持続します。
保育士、学童支援員として子どもの遊びをどれだけ充実させることができるか?どれだけ沢山の体験をさせてあげられるか?と試行錯誤をしながら保育を模索することが大事ですね。