子どもを叱るのは良いのか悪いのか?
保育士をされている方や、子育てをされている方、教育者の方など子どもと触れ合う機会のある人なら悩む所だと思います。
私も保育園と学童に勤めていますが、叱るべきかどうか悩む場面は多いです。
【子どもは叱らなくてもいい】【子どもをこっぴどく叱りつけるべき】など極端な意見の方がいます。
今回は、子どもを叱ることについてまとめてみたいと思います。
子どもを叱るのは良いのか悪いのか?
結論から言います。
『子どもを叱るべき場面では叱り、それ以外では叱らない』
当たり前のことのように感じますが、意外と難しいです。
保育園に勤めていると、様々な子どもたちと触れ合う機会がありますが、子どもを叱ることの必要性を感じる場面が度々あります。
しかし、子どもを叱りすぎたり、間違った叱り方をしたりしていると、子どもの自主性や自信、意欲を奪ってしまうことにも繋がるため、やはり適切な叱り方が必要なのです。
では、子どもを叱るべき場面というのは、どんな場面なのでしょうか。
子どもを叱る基準
私の勤めている保育園や学童の保育方針は、子どもの主体性をすごく重視した保育です。
そのため、子どもたちがあらゆる場面で自ら選択できることや、自分で考える事を大切にしており、大人は必要以上に介入しないことを心掛けています。
幼少期から、そういった関わり方を積み重ねることで、大人が指示を出さなくても給食の準備をしたり、ケンカも自分たちで解決したりと、自立した子どもたちが育っていきます。
しかし、子どもにどこまで介入すればいいのかの見極めはすごく難しく日々悩みが尽きません。
私たち保育士は、子どもたちが社会に出ることを踏まえて保育していく必要があります。それを踏まえると、人として身につけるべきことや人として超えてはいけないラインを子どもたちに伝えていくことが大事だと思います。
だからこそ、子どもが人としてやってはいけない行動をとった時には、きちんと叱ってあげることは必要であり、叱るかどうかを見極めるためには、大人がしっかりとした基準を持っておかなくてはいけません。
私たちが、子どもを叱る基準として大事にしているのは、子ども自身がケガをする行動、誰かを傷つけるような行為、公共物を粗末に扱う行為などです。
子どもを叱るNGパターン
次は、子どもを叱る場面で間違った叱り方についてです。
大声で怒鳴りつける
子どもに対して怒鳴りつける叱り方はよくありません。大きな声で怒鳴ると子どもはピタッと動きを止めます。もちろん、道路に飛び出そうとしている場面では動きを止める必要がるため大声で抑制しなければいけませんが、普段の生活で叱る時に怒鳴りつける必要はありません。子どもに恐怖を与えるだけで、「怒られるからやめておこう、怒られなければいいや」と子供自身が考える力は育ちにくいです。
叱る基準が曖昧
大人が感情的に叱ったり、大人の都合で叱ったりと叱り方の基準が曖昧なのもよくありません。なぜ叱られているのか?何が良くて何が悪いのか?が非常に分かりにくくなりますよね。やはりこれも、子ども自身が考える力は育ちません。大人の顔色を伺うような子に育ちかねませんよね。
暴言・暴力
これはもちろんよくありません。子どもに対して暴言を吐く、暴力を振うのは絶対にしてはいけませんよね。力でねじ伏せるような行動は大人側の能力が低いとしか言えません。もちろん子どもと真剣に向き合っているからこそ、イライラする場面もありますが、感情的にならずに、しっかり伝えることを大事にしましょう。
叱られた理由を言わない
叱る時には必ず理由を説明します。理由も言わずに「ダメでしょ」と叱ったところで子どものためになりません。例えば、物を投げる行動を叱った時に「投げたらダメ」としか伝えないのと、「投げたものが人に当たるとケガをするから危険」「投げるものじゃないから投げてはいけない」などダメな行動とその理由を伝えるのとでは、やはり子どもの理解に大きな差がでますよね。
「禁止」
ついつい、「もう禁止」と取り上げてしまう時があります。NGパターンというほどでもないかもしれませんが、「禁止」にするのは簡単です。しかし、大人側が楽をしているだけのようにも思います。使い方を子どもにちゃんと伝えていたか?使う場所は適切か?ルールが明確になっているか?など禁止にする前に改善できる点がないかを考えることが必要です。
子どもを叱ること まとめ
今回は子どもの叱り方について私たちが大事にしている部分の紹介でした。職員間でも、叱るべきだったかどうか?の話し合いはよく行っており、やはり悩むことが多い部分です。
冒頭にも書きましたが、子どもの将来を見据えて保育することが私たちの役割ですので、子どもを適切に叱る事は大切だと思っています。叱りすぎも子どもにとっては悪影響です。非常に難しいですが、叱るかどうかをしっかり考えて悩みながら子どもと関わっていくことが大事なのではないでしょうか。