保育園の環境づくりのコツ!保育の実践紹介!

保育園の環境は子どもの育ちに大きく影響します。

そのため環境づくりは非常に大事です。しかし、配置を変えても時間が経つと元通りになってしまったり、玩具を増やしても遊びが発展しなかったり、大人の意図通りにいくことはなかなかありません。

実際に私の勤める保育園でも、保育士みんなで協力しながら取り組んでいますが、上手くいく時とそうでない時があり試行錯誤しています。

そんな中で、保育園の環境を作る時のコツが見えてきました。

今回は保育園の環境づくりのコツをまとめてみようと思います!

保育園の環境づくりのコツ

1,取り掛かる前に仮説を立てる
2,玩具や遊びを増やす時は丁寧に子どもに伝える
3,サイクルを作ってしまう
4,環境づくりは外側から考える
5,良い環境のイメージを職員みんなで揃える
この5つは、実際に環境を考えたり変えたりしながら気づいたことです。
これが出来ていないことが上手くいかない原因かもしれません。下記で詳しく説明していきます。

保育園の環境づくりが上手くいかない原因

1,取り掛かる前に仮説を立てる

先日、佐世保の保育園さんにお邪魔し環境を見せてもらい、保育士さんとお話する機会がありました。「環境づくりが課題」とおっしゃっており、悩んでいる部分をお聞きしましたが、私の勤めている保育園と同じような状態でした。

その会話の中でも出てきましたが、環境を良くするために新しいスペースを作ったり、新しい玩具を置いたりしても、子どもたちが遊べない、大人がつかないといけないなどが理由で、元に戻ってしまうことが多いそうです。確かに…私も同じような経験を何度もしましたし、他の保育園さんも同じような経験があるのではないでしょうか。

なぜ上手くいかないのか?と考えてみると、いくつか原因になりそうなことが思いつきます。

新しいスペースを作ったことで、別のスペースが狭くなり、今まで遊べていた子どもたちが遊べなくなった可能性がある。新しい玩具を置いたことで、新しい物好きな子どもたちが取り合いになった。使い方が分からないと乱暴に使って壊れたり、遊びが続かないなど。

その結果、安全に遊ばせる為、新しい玩具の使い方を子どもたちに伝える為に、大人が常にその場に居る必要がでてきます。そして、大人が1人取られることで、保育室全体が大変になってしまい、それなら元に戻そう…となるのではないでしょうか。

こうしたことを防ぐために大事な事は、環境を変える前に、変えた後どうなるか仮説を立ててみることです。仮説を立てると、起こりそうな問題に対しての対策ができるため上手くいく確率が上がります。

2,玩具や遊びを増やす時は丁寧に子どもに伝える

また、玩具や遊びを増やす時は丁寧に子どもに伝えることも大事です。
環境を用意したから、「さあ、自由に遊びなさい」と子どもに丸投げしても上手くいかないのは明らかですよね。
このスペースは何をする場所なのか。この玩具はどうやって使うのか。この玩具を使う時にしちゃいけないことは何か。などお集まりの時間に伝えたり実際に遊びの中で伝えたりと、子どもが理解してお互いに注意し合ったり教え合ったりできるようにしていくと問題が起こりにくくなります。

3,サイクルを作ってしまう

しかし、1つ1つ遊び方や玩具の使い方を伝える余裕がないんです…。すごく分かります。子どもを相手にしていると、他の仕事は後回しになってしまい、落ち着いた時には仕事が溜まっていて処理に追われますよね。保育士の仕事量どうにかならないですかね(泣)

忙しいかったり、余裕がなかったりするせいで、新しい環境を作った時に子どもたちに浸透させることができずに上手くいかない。というのも、他の保育園でもあるあるな事例だと思います。

そのため、一度に全部を変えてしまうのではなく、変わっていくサイクルを作ってしまうといいかもしれません。

たとえば、STEMのスペースを作りたい時、科学的な体験ができる玩具を置いたり自然物を置いたりしようと思いますが、子どもだけで自由に取り出せるようになるまでの道のりは長いです。STEM玩具を子どもだけで使えないため、結局大人がつかないといけなくなります。他の玩具と同じように、子どもだけで取り出して上手に遊べるようなスペースにしたいですよね。

そのためには、お集まりや保育の中で科学体験として子どもたちと一緒に遊んで、子どもたちが遊び方を理解したものを順に置いていく。ような流れを作ったらどうでしょうか。また、自然物は散歩に行った時に拾い集めて、収納するという流れを作ってしまえば、大人が自然物を集める手間も省けます。どうしても、大人が1人つかないといけない状態だったら、職員間で協力して1人つける状態を、午前中だけ、何曜日のこの時間だけと作る方がいいかもしれません。サイクルを作ると言葉では簡単に言えますが、実際は難しいですよね。ただ、お伝えしたいのは目の前の環境を良くするためには、その環境以外の変更や改善が必要な時があるということです。

4,環境づくりは外側から考える

保育園の環境を変えるために、色々と手作りすることありませんか?「こんな玩具があったらいいのではないか」「この遊びを発展させるために玩具を増やそう!」など子どもたちの遊びが充実するようにと考えて、頑張って玩具を増やしますよね。しかし玩具を増やした後に、「収納場所どうしよう…。置くスペースがないな…。」こんな状態になったことはありませんか?

私はこれまで何度も同じ失敗をしてるのに、今も同じ失敗をしています(笑)

その都度思うことですが、「玩具」のことを考える以前にその外側の「玩具を入れるケース」そのまた外側の「ケースを入れる棚」そのまた外側の棚を置くスペースなど、外側から考えないと後々困る時があるんです💦

今では、室内の図面を書いてみて大きな家具の配置を決め、その棚の箱を決め、中身を考えるようにと外側から取り掛かるように意識していますが、たまに忘れて同じ失敗をしています(笑)

5,良い環境のイメージを職員みんなで揃える

そして最近気づいたことですが、保育園の環境は職員間で同じイメージを持っていないと進まないということです。例えば、誰かが考えて環境を変えたとしても、他の人にはその意図が伝わっていないため元に戻されたり、他の人が協力してくれないことで、その環境が機能しなくなってしまったりすることもあります。

1人1人、考え方が違い保育の意図も工夫の仕方も違いますよね。そのため、職員同士での共有が大事で、「こんな意図で○○してみました。フォローお願いします」といったやり取りが当たり前にできないと環境が残っていきにくいです。また、1人1人の良いと思う環境のイメージもバラバラなので、自分がやっていることが正しいのか?みんなどう思っているのか?と不安になることもあります。

そのため保育園の方針などと同じように、保育園の環境についても「こんな環境が理想だよね」「こんな環境を目指して取り組んでいこう」共通のイメージを持っておくことで環境改善がスムーズに行えるのではないでしょうか?

環境づくりが大事な理由

保育園の環境は子どもの育ちに大きな影響を与えると冒頭で書きました。保育所保育指針にも、「環境を通して」と言う言葉が記載されていて、環境を充実させることの重要性が分かります。

環境が大事な理由を分かりやすくまとめると、子どもは身の回りの人や物などから刺激を受けて、体験を積み重ねて、その体験の中で学んでいきます。そのため、子どもの身の回りが何もない状態だと刺激も体験も不足し、体験しないまま成長してしまうことになりますよね。

更に、0歳~2歳頃までの体験が、その後の人生の基盤に大きく関わっているという研究があったり、その時期に体験しないとその後は「苦手」「不得意」な分野になってしまうという研究があったりもします。

研究の話などを詳しく書いていると、それだけで1記事分になってしまうためここまでにしますが(笑)

私たち保育士の役目は、子どもの発達を理解し、発達に必要な適切な環境作りに努め、子どもの育ちを保障することです。
保育園の環境を整えることは、子どもたちの人生に大きな影響を与えるため大事にしなくてはいけません。

保育園の環境づくり まとめ

1,取り掛かる前に仮説を立てる
2,玩具や遊びを増やす時は丁寧に子どもに伝える
3,サイクルを作ってしまう
4,環境づくりは外側から考える
5,良い環境のイメージを職員みんなで揃える

今回は、保育園の環境づくりのコツについてまとめてみました。

保育は、悩みがつきませんが、子どもたちのために悩み続けることが良い保育士だと思っています。
私の勤めている保育園は、今現在も、保育園のみんなで意見を出し合いながら試行錯誤を繰り返している状態です。
もし、この記事を読んでくださった方で良い方法など知っていましたら、教えていただけますと幸いです。