片付けができない子にどう関わるべき?保育士目線で解説。

片付けができない子の対応に困っている方は多いかもしれません。そんな方にぜひ読んでほしいです。

実は、片付けができないのは子どものせいではないかもしれません。今回は、保育士目線で、子どもの片づけについて紹介したいと思います。

片付けができない子

まず、保育園にも片付けができない子はたくさんいます。
反対に、自分が使った玩具はもちろん、他の人が使ったものも片付けてくれる子もいます。

家庭や保育園で、片付けができない子に悩まれる場合は、自分の使った玩具や道具をそのままにして、次の遊びに移ってしまう場合か、片付けの時間にななった時に片付けを面倒くさがるような場合ではないでしょうか。

 

なんで片付けないのだろう??

そんな風に考えてみると改善すべき点が浮かび上がってきます。

片付けができない子 【原因】

なんで片付けをしないのか?嫌がるのか?その原因を考えてみます。

子どもに聞いてみるのもいいかもしれません。

 

「めんどくさい」
「あとで使う」
「どこに片付ければいいか分からない」

 

こんな意見が聞けるのではないでしょうか(笑)
正直、私も片付けは得意じゃないので、すごく気持ちが分かります…。

まずは、先ほどの子どもたちの意見を基に改善点を考えます。

片付けができない子【改善点】

①「面倒くさい」・「あとで使う」

こんなことを子どもが言った場合、片付けをする必要性を子どもが理解しているか考えてみてはどうでしょうか。
片付けをする意味としては、きれいな状態を保つこと以外に、次使う時にすぐに出せるようにするという目的もありますよね。

片付けをしてなくて、次使う時にどこにあるかわからなくて困った…。後で使おうと思って置いてたものを他の子に使われた…。などこういった体験から片付けの必要性に気づくかもしれません。そんな体験が大事であり、その時の大人の言葉のかけ方も大事になってきます。そのため、こうした体験ができるように、片付けができなくても、あえて様子を見守り気づかせるような言葉掛けをすると効果があるのではないでしょうか。

 

また、片付いている状態が日常になっていなければ必要性も感じないのかもしれません。

私があまり片付けが得意ではないため、車に荷物が溜まりやすかったり、部屋が散らかったりしがちです…。
車に誰かを乗せる時や家に誰かが来る時に、「あ~片付けてない」と思うことが何度もあります(笑)片付けが得意な知り合いが「片付いてないと落ち着かない」と言っているのを聞いて、日頃から常に片付いている状態をキープしていればそういった感覚になるのだと思いました(笑)

あくまで個人的な考えですが、片付けができない子が普段生活している家庭や保育園、クラスの環境にも原因があるのかもしれませんよね。

 

②「どこに片付ければいいか分からない」

片付けができない子のあるあるの原因だと思います。
保育園での子どもたちの片付けの様子について紹介しますが、0歳児でも1歳児でも2歳児でも、片付ける場所が明確に分かる時は、片付けようとするはずです。1歳頃には物の形や違いを理解し、分類できるようになりますよね。マグフォーマーはマグフォーマー箱に入れる。車のおもちゃは車の箱に入れる。などそういった姿が見られます。

ただ、まだまだ片付けの必要性を理解したり、その時の気分などによって片付け具合が違うため、基本的には大人がほとんど片付けてしまった方がいいです。最後の少しを子どもが片付けて「えらい!ありがとう!」などの言葉をかけてあげればいいと思います。

ブロック
車のおもちゃ

3歳~5歳になると玩具の量も増え、製作遊びなど散らかり方も増します。

ハサミ、鉛筆、のり、廃材などの収納場所が分かりにくい時点で、子どもの片付けようとする意思は砕けるでしょう(笑)

また、あとどのくらいで片付くかの目途が立たなければ片付けから離脱してしまうと思います。大人も同じですが、今からやらなければいけないことのゴールまでの道のりが険しいほどやる気が削がれますよね。これらを踏まえると、サクサク片付けることができるような環境を作り、片付ける気力が維持できるくらいの量を片付けさせるのが良いです。

3歳~5歳の担任をしている時には、子どもたちが自分たちで遊んでくれていたので、大人は部屋の掃除や片付けをちょこちょこしていました。

最近あった片付けの事例紹介

学童での話ですが、ラキューという玩具の片付け率が非常に悪く、度々課題にあがっていました。
子どもたちと一緒にラキューをして片付けの時間になって気づきましたが、ラキューの収納が色別にケースに収納されていて作った作品を1度バラバラにして色別に分けていかなくてはいけません。非常に面倒くさいです(笑)私も、投げ出したくなるくらいに…。

すぐに、色別に収納するのをやめてラキューボックスを作りました。
それだけでも、片付けの具合がかなり変わることに気づけた事例です。

ラキューを片付ける子ども
ラキューで遊ぶ子ども

大人がやってはいけないこと

上記で書いた内容にも含まれていますが、子どもの片付けに関して大人がやってはいけないことをピックアップします。

・片付けができないからと頭ごなしに怒らないこと。
→なんで片付けをしないのか考えてみることで、原因が見えてきます。片付ける場所が分かりにくい、普段から大人の荷物が散らかっているなど、意外と子どもが原因じゃないかもしれません。

 

・片付けすべてを子どもに押し付けないこと。
→子どもの発達に応じて、片付けられる量が違います。子どもは「やりたい!」と思うことは、とことんやれる集中力を持っていますが、「やりたくない」と思うことに対しては長続きしません。いかに「片付けよう!」と子どもが思えるようにするかは大人次第かもしれません。

 

・自分が片付けないのに子どもに強制しないこと。
→大人が進んで片付ける姿勢を見せることが1番の効果があるはずです。子どもにだけ片付けさせたり、子どものものだけをきれいにさせるのは、大人の都合でしかありません。

 

・片付けができない時だけ叱らないこと。
→片付けができない部分だけが目につくかもしれませんが、片付けができた時に褒めたり、お礼を言ったりすることが大事です。叱る場面があるならば、それ以上に褒める場面を多く作ってみることも大事なことです。

まとめ

1,片付けができない原因を考えてみる
2,片付けの必要性を子どもに伝える
3,片付ける場所を明確にする
4,片付ける量を子どもによって調整する
5,片付ける姿勢を大人が見本になって示す
6,片付けができた時にしっかり褒める
片付けができない子への関わり方についてまとめてみました。
保育園で子どもたちと関わりながら常に模索状態で保育していますが、片付けは悩みの種です。
今現在も、どうすれば片付くのだろうと思いながら保育する時もあります(笑)
しかし、そうやって悩むことが大事で、大人が決めつけて叱ったり、罰を与えたりするのは間違いです。保育園の子どものことや学童の子どものことを記事にする機会が多いですが、毎回書きながら「大人も同じだな~」と思っています。”片付けができない子”をどうにかしたいと考えるだけでなく、大人にもそんな人いるな。自分もそうだな。自分だったらこう思うな。と考えられると関わり方のヒントに出会えるのではないでしょうか。