虫の飼育は子どもたちに大人気です。
保育園や学童で虫の飼育に挑戦したことがある方も多いと思います。
しかし、上手く飼育できない…遊びに繋がらない…なんてことがありませんか?
私自身も何度も挑戦しては失敗しての繰り返しです。
そんな中、学童での虫の飼育が順調に進んでいますので、その紹介をしたいと思います。
虫の飼育は必須条件が3つ
学童保育での虫の飼育の実践を紹介しますが、結論からお伝えします。
虫の飼育を上手に継続させるためには、
・虫についての知識が必要
・飼育するための道具が必要
・飼育を継続する仕組みが必要
この3つを押さえる必要があると思います。
失敗するのは、これら3つの何かしらが不足しているはずです。特に3つ目の、「飼育を継続する仕組み作り」は、大人が継続してお世話をする分には問題ありません。しかし、子どもたちにお世話をしてもらいたいと考えている場合は、お世話が継続していく仕組みをちゃんと作ることが大切です。
それを踏まえて学童での実践を見てもらえると分かりやすいかと思います。
虫の飼育【実践紹介】
普段、小学校のグランドや近所の散歩でたくさんの生き物に出会いますよね。
私の勤めている学童では、春や夏の時期は、バッタ探し、イモリ探し、エビ探しなど標的を決めて探しに行くこともありますが、生き物を捕まえて観察した後には必ず、「育ててみたい」と言い出す子が数人現れます。
そんな流れで、今まで色々と飼育してきましたが、なかなか上手くいきません。
子どもたちは飽きるのが早いですし、結局、大人が管理することになってしまいます。
今年は、虫の飼育にもう一度力を入れてみようと取り組んでいる真っ最中です。
なぜ、虫の飼育に力を入れるのかというと…年度初め頃は、学童の利用人数が増えたこともあり、自分で遊びを見つけられない子や室内で走り出す子などが目立ちました。そういった子たちは、トランプや他の子たちがハマっている遊びに誘ってもなかなか続きません。
しかし、虫への興味はすごいです。じ~~っと観察していたり、調べたりと集中して遊びます。
それなら虫の飼育が充実すれば、目的を持って落ち着いて遊ぶことができるのではないか??
ということで、虫の飼育の環境作りに取り掛かり始めました。
環境作り
まずは、環境を整えていかなくてはいけません。
飼育用の棚を作り、飼育に使えそうなタッパーを100均で調達しました。
また、少し前から園庭の改革にも取り組んでいたので、虫が来るように植物を増やしました。
イチゴ栽培、ポップコーン栽培、キュウリ、ナス、トマトなどを植えられるように畑を作ります。
植物の栽培については別記事にまとめていますのでよかったら読んでみてください!
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土運びがかなり大変でしたが、土運びの過程でカブトムシの幼虫をゲットしました。
早速、カブトムシの幼虫飼育がスタートです。
下調べ
まずは、カブトムシの幼虫からでしたが、私たち大人も詳しくは分かりません。
そのため、カブトムシの幼虫がどのように育っていくのか?必要なものは何か?お世話はどのようにするのか?色々と調べました。
そして、子どもたちが自ら調べられるように適した図鑑を用意したり、要点をまとめた貼り紙を用意したりします。
同じような方法で、カエルやバッタ、カマキリ、イモムシなど他の虫についても下調べをして、図鑑や貼り紙を用意しました。
【申請書】
ここからが1番大事な点ですが、捕まえた虫は誰でも飼育できる訳ではありません。
飼育するために申請書を書いて、大人に許可を貰うというルールにしました。
捕まえた虫をカゴに入れて、死んでしまった…では無責任すぎるということや命を粗末にしないことなど、子どもたちに向けて話をし申請書を作る意味を伝えます。
ちゃんと説明すると、子どもたちからの文句はありません。
申請書の内容
・飼育する虫の名前
・飼育するメンバー
・食べるエサ
・飼育に必要な物
・虫が過ごす環境
・飼育の方法・手順
これらを図鑑やクロムブックなどを使って自分たちで調べます。飼育に必要な物は自分で揃え、買ってほしいものは大人にお願いしなくてはいけません。
また、飼育を放棄している場合やこのままでは虫が死んでしまうと判断した場合は、大人側で自然に逃がすという条件も付けています。
飼育スタート
このような段階を経て飼育がスタートしました。
アリ、ダンゴムシ、カエル、カブトムシ、イモムシ、シャクトリ虫、ミミズなど。
申請書も出してくれています。



カブトムシは順調に大きくなりサナギになり始めています。



ツマグロヒョウモンという蝶も飼育しました!



虫の飼育は遊びというよりも趣味のような感じでしょうか。
子どもたちが学童に帰ってくると、おやつを食べるよりも先に虫の状態を見にいきます。
そして、おやつを食べ、宿題を終わらせると、霧吹きで水をあげたりクロムブックで何やら調べたりして、自ら進んで取り組むためすご集中して手がかかりません。
この前は、ツマグロヒョウモンの幼虫を観察しながら絵してみよう!と子どもたちと一緒に絵を描きました!


「カブトムシのサナギも今のうちに絵にしとこう」
とある男の子が言い出して描いてくれていました。
そんな風に遊びが広がっていくと、もっと面白いでしょうね。