2歳児室内環境~ポイント5選。質の高い保育は環境作りが重要⁉

2歳児室内環境のポイント5選。

最近、「子どもの主体性」「質の高い保育」など乳幼児教育が注目されてきています。

質の高い保育は、まず「環境作り」が重要です。

保育をより良くするためには、環境の見直しは必須で、1番最初に取り掛かるべきです。

今回は、「2歳児保育室の環境作り」は何をすればいいか?

どんなことが大事なのか?について書いていきたいと思います。

保育室環境を見直すための5つのポイント

① 子どもの発達を知る
② 発達を促す家具や玩具を置く
③ 子どもと大人の動線を考える
④ 子どもの活動が途切れない工夫
⑤ 3歳児クラスへ移行するための工夫
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外で遊ぶ子どもの後ろ姿

2歳児室内環境 ①子どもの発達知る

環境作りに欠かせないのが、子どもの発達を知ることです。

いくら環境を作り込んだところで、子どもの発達に適していなければ、保育が上手くいきません。

2歳児の発達で押さえておきたい点をいくつか紹介します。

言葉の習得・言葉での表現が豊かになる

「ママ おしごと いった」など3語文を話すようになります。
「おやすみの日にね、ママとパパとお買い物にいってね…」と出来事を順序立てて話すことができたり、大人の口調を真似し、表情と言い回しも上手に使いこなしたりします。

運動能力・身体機能の発達

動きがダイナミックになる。
走り回る、ジャンプ、掴む・投げる・階段を上る・バランスをとって大きなブロックの上を歩くなど。
また、手先が器用になり、手元の細かい動きが上達していきます。
そのため、衣服の着脱や食事中のスプーンなども上手に使いこなしていきます。

生活の自立~助け合い

できることが増えていき、身の回りのお仕度や衣服の着脱、排泄など自分でできるようになっていきます。
また、他の子ができないときは、やってあげようとする姿も見られます。
自分ができない時には、大人ではなく他の子に助けてもらうなどの姿が見られます。

数や数量の理解

数量を理解し始め、「多い・少ない」「いっぱい・ちょっと」「高い・低い」などがわかるようになる。
そのため、給食のごはんの量も、「いっぱい」「ちょっと」と選ぶことで、自分が食べられる量も分かる用になっていきます。

自我の芽生え

1歳児頃から見られたりもしますが、自我が強くなり、「自分でやる」「嫌だ」と一見、我がままに感じる場面が増えます。
また、大人と1対1で関わるよりも、子ども同士で一緒に関わり合うことを好むようになっていきます。
そのため、子ども同士で共同で遊ぶことが増えます。

2歳児室内環境 ②発達を促す家具や玩具を置く

子どもの発達を踏まえて考えていくと、子どもに必要な家具や玩具が思い浮かんできます。

そして、発達に合った遊びが十分にできるような環境を作る必要があります。

繊細な遊びとダイナミックな遊びの保障

手先が器用になり細かい遊びができるようになる。

身体機能の発達により動きがダイナミックになる。

この、細かい遊びとダイナミックな遊びが重ならない環境を作ったほうが、子どもたちの遊びが持続します。

そう考えると、部屋を分けるための、パーテーションのような物を設置したり、部屋ごとに使い分けをするなどの工夫が必要になります。

言葉や数の理解

2歳児は、言葉が増えたり、数を理解したり使いこなすようになっていきますね。

動物図鑑や車図鑑などの物の名前を知ることができる本イラストがある。

そうすることで、物と名前がリンクするチャンスが増えることに繋がります。

「大きさ」や「量」が比べられる本や玩具などは、数に触れる機会が増えますね。

言葉や数に触れる機会を作った上で、その環境を生かして保育することが大切です。

自立。身の回りのことが自分でできるようになる

また、身の回りのことを自分でできるようになっていきます。

お仕度などの、収納は子どもが届く高さに設定しましょう。

また、箸を使える前段階として、おままごとにはトングを置くなどの工夫もいいですね。

 

このように、室内にある1つ1つのものが、子どもの発達段階に合っているか?発達を促せるものか?という視点で考えていくと、環境が整っていきます。

 

また、環境構成以外にも工夫は必要です。

2歳児は、大人と関わるよりも、子ども同士で関わろうとする姿が増えていきます。

そして、子ども同士での仲間意識や、協同などが芽生え始めます。

そのため、子ども同士で関わるきっかけを作ることや、子ども同士の関わりが生まれるような大人の声掛けが必要です。

2歳児室内環境 ③子どもと大人の動線を考える

動線は、環境作りにおいてかなり大事です。

保育園は複数の子どもを同時に見る場面が多いです。

保育がバタバタしたり、騒がしかったりするのは、「動線」が理由かもしれません。

 

私の園でも、「動線」が原因で子どもたちのトラブルが多く、保育が大変だった時期があります。

例えば、保育室の出入り口が2か所以上ある。室内からトイレまでに通り道が複数ある。

など、子どもたちが違う方向に一斉に動くと、大変になってしまいますよね。

環境を考える時には、子どもや大人の動線を踏まえて考えることが大事です。

2歳児室内環境 ④子どもの活動が途切れない工夫

子どもは自分に必要な遊びや体験を繰り返し、習得していきます。

指先が発達するころには、ひも通しなど指先を使う遊びを集中して何度も繰り返します。

すごく集中して遊んでいる時に、給食の準備やお昼寝の準備で片付けないといけない。

難しいパズルを途中で片付け、また最初からやり直さないといけない。

など、子どもの活動を遮ってしまう場面が多々あると思います。

活動と活動のメリハリももちろん必要ですが、子どもの成長のチャンスをできるだけ潰さないために、子どもの活動を遮らない工夫や、遊びの続きができるように保障することが大切です。

そのため、私の勤める保育園では、遊ぶスペース食事をするスペース午睡スペースはそれぞれ違う場所にしています。

そして、子どもたちの遊びの続きができるように、途中のものをとっておける場所も用意しています。

2歳児室内環境 ⑤3歳児クラスへ移行するための工夫

2歳児は、子ども同士の関わりが増えるため、ケンカやトラブルも増えます。

保育士が仲介役として間に入り、仲直りの手助けをすることも多いでしょう。

しかし、3歳児にもなれば保育士1人で数十人を保育することになるため、トラブルが起きるたびに、必ずしも仲裁に入れる訳ではありません。

そのため、保育士が介入しなくても、自分たちで解決できるように育ってもらわないといけません。

解決とは、相手を叩く・蹴るなど攻撃するのではなく、お互いに意見を伝え合い話し合えることです。

相手を叩いたり、蹴ったりしないこと。

言葉で自分の意見を伝えること。

相手の意見をちゃんと聞くこと。

このことを、2歳後半頃には、日々の保育の中で子どもたちに丁寧に伝えています。

こうした、体験の積み重ねや、話し合いができる環境作りや大人の関わりが重要です。

 

そして、3歳や4歳、5歳と他の年齢の子と関わることも、大きな学びです。

年上の子の遊び方を真似したり、お当番活動を真似したり、ケンカの仲裁をしてもらったりと、自分よりも発達が上の子から学ぶことができる環境作りも大切です。

2歳児の室内環境 まとめ

① 子どもの発達を知る
② 発達を促す家具や玩具を置く
③ 子どもと大人の動線を考える
④ 子どもの活動が途切れない工夫
⑤ 3歳児クラスへ移行するための工夫

今回は、「2歳児室内環境」をテーマに書きました。

0~2歳の環境構成や大人の関わりは、かなり奥深いです。

子どもたちの成長にとっても、0~2歳の頃の保育は特に重要で、3~5歳になった時の姿にすごく差がでます。

 

また、近年の研究では、0~2歳の保育が最も重要であることが証明されています。

 

私たち保育士は、日々の保育が本当に正しいのか?と疑問を持ちながら、常に最善の保育を模索していくことが役目だと思います。

 

質の高い保育をするには、まずは「環境作り」から着手していく必要があり、環境が整うことで、保育士の子どもとの関わり方もより良くなっていきます。

私たちの園も環境の大規模改善を経て今があります。

保育環境を見直そうとされている方や、日々保育を模索している方に、少しでも参考になれれば幸いです。