保育園の課題が解決できないのは方法が間違っているから⁉

保育園の課題は尽きることはありません。
子どもの成長について、保育室の環境について、行事について、保護者について、日々の業務について‥‥‥。
悩みながら保育されている方が多いのではないでしょうか。

 

実は、どんな仕事でも課題解決を繰り返すことが必要で、保育園に限らず、どんな人でも課題を解決しながら仕事をしています。
例えば、保育士で言えば「園便りの作成に時間がかかる」という問題に対して、手書きでの作成からPCでの作成へと変更したり、PCが得意な人に任せたりするなど解決するためのアクションを起こしますよね。
農家では、「収穫量が減少」という問題に対して、土や肥料を変えたり、害虫対策をしたりします。
営業では、「ノルマ未達成」という問題に対して、営業範囲を広げたり、営業の方法を変えたりしますよね。

このように、課題解決の繰り返しこそが仕事であり、「仕事ができる」と評価される人は解決能力が高い人たちです。
逆に、解決能力が低い人は、どんなに頑張っていても仕事をしていないと評価されてしまう危険性があると言えます。

今回の記事は、保育園における課題解決のコツと課題解決能力を高めるための考え方を紹介した内容です。
保育士1人1人が意識することで、保育の質が高まるのではないでしょうか。

 

保育園の課題とは?

まずは保育園の課題とは、具体的にどんなものかを考えていきます。

子どもの成長に関する課題

・物を投げる、相手を叩くなど他者を傷つける行動が目立つ
・話を聞けない
・いつも眠そうにしていて元気がない

業務に関する課題

・職員間での伝達ミス、保護者伝達漏れが度々起こる
・係りや行事担当者の負担が大きく他の職員がカバーできない
・週案・月案の書類の記入を勤務時間内に終わらせられない

行事について

・保育に余裕がない
・行事に向けて子どもたちをコントロールしてしまう
・行事がマンネリ化している

個人的な課題

・PCが苦手で書類作りに時間がかかる
・他の保育士に比べて子どもたちが話を聞かない
・子どもとの関わり方で分からない場面がある
・保護者付き合いが苦手

 

保育園の課題と言っても、保育士個人の課題やクラスの子どもの課題、行事や業務など他の保育士との連携面での課題、保護者付き合いなど範囲が様々です。誰もが少なからず課題を抱えており、解決を繰り返して1人前になります。

 

「悩みがない人」は一見羨ましく感じるかもしれませんが、仕事とプライベートの線引きがしっかりしているか、悩みを抱えるほど考えていないのかもしれません。

私は、考えながら仕事をする姿勢はすごく大事だと思っていますし、多少なり悩みを抱えてる方が仕事に対して本気で向き合っていると言えると思います。ただし、冒頭でも書いたように課題に直面した時に解決する力がなければ悩むばかりで、周りからの評価を受けにくいでしょう。

 

せっかく本気で仕事に向き合っているのだから、課題を解決するためのコツを知り、解決能力を高めたいですよね。

課題解決思考を身に付ける

課題を解決する力を身に付けるためには、課題解決思考が欠かせません。

課題解決思考とは、問題だと感じたら解決しようとする思考です。

この思考こそが、保育園に限らずどんな仕事でも必要とされるスキルであり、周りから仕事ができる人だと評価されるためには必須のスキルだと言えます。

 

逆に、課題に気づけない人や課題を放置する人は、周りからの評価はマイナスです。

 

例えば、先ほどの保育園の課題で挙げた例の「職員間での伝達ミス、保護者伝達漏れが度々起こる」という事実に対して、「伝達ミスしてしまった…」「伝達忘れがあった…」→→「次から気を付けよう」という思考は安易で、課題解決思考ではありません。

課題解決思考を持つ人は、「なぜこのようなミスが起きたのか?」「情報の伝達体制に課題があるのではないか?」ミスの原因を突き止めて確実性のある解決方法を導き出そうとします。

 

ミスの原因を探って考えた結果、伝達体制に問題はなく、当事者が別のことに気を取られて伝達を忘れていただけという答えに辿り着くかもしれません。
結果的には、「気を付ける」以外の解決方法が見つからない場合もあるかもしれませんが、「同じミスを繰り返さないように」「他の人が同じミスをしないように」課題を確実に解決しようとする姿勢こそが大事なのです。

 

課題の本当の原因を見極める

課題解決思考が大事なのは分かりましたが、実際に解決していくにはコツが必要です。
これから課題を解決するコツを2つ紹介していきます。

 

まず1つ目のコツは、課題の本当の原因を見つけることです。保育園の課題例から考えてみましょう。

例)保育に余裕がないため、余裕を作りたい

この課題に対して「保育士の人数を増やす」と考える人が多いかもしれません。「経営的に保育士の数を増やすことはできない」と言われ解決しないままになっている園も実際にはありえそうですよね。

 

この場合、「保育士の人数を増やす」という答えは適切でしょうか??

課題を解決するコツ1つ目、「本当の原因を見つける」が不十分で、適切な答えは他にあるかもしれません。

ここで大事なのは、「なぜ○○?」と原因を探す作業です。

本当の原因探し

 

このように、「なぜ保育に余裕がないのだろう?」「なぜ行事が大変なのだろう?」「なぜ業務が大変なのだろう?」「なぜ負担の偏りがあるのだろう?」と「なぜ○○?」と考えていくことで課題の本質に近づいていきます。

このように考えてみると「保育士の人数を増やす」が正しい解決策と言えなくなってきましたよね。

 

課題を解決するためには、課題の本当の原因を探し、本質を見極めて考えることが大事なのです。
その過程で課題が分解されることで、1つ1つの課題がより具体的なものになり、解決しやすいものになります。

整理と優先順位

2つ目のコツは、整理と優先順位をつけることです。

1つ目の本当の原因を探った時に、事実と自身の憶測が混ざっている場合があります。間違った憶測をしていると解決までたどり着けないため、事実と憶測、それに伴った行動が適切なものかどうかを整理しましょう。保育園の課題例から考えてみます。

例)○○君が、いつも眠そうにしていて元気がない。

原因探し

保育園でありがちな課題ですが、このような課題では、子どもの姿の背景部分を考えていくと思います。
その時に、保育士側の憶測も混ざりますよね。
憶測が正しいかどうかの確認をしなくては、適切な解決方法に結びつかないかもしれません。

 

この場合、家庭での生活リズムが悪いのは、普段の保護者との会話から分かっているとします。就寝時間が遅く起床時間も遅い状態です。
母親が「寝かしつけをしても寝ないんです」と言っていたとしたら、それなら仕方ない…。と諦めてしまうかもしれません。

しかし、寝かしつけの環境が良くないのでは?という疑問が浮かばないでしょうか?

こうした疑問は、あくまでこちらの憶測に過ぎないので確認する必要があります。

 

このように、事実と憶測を分けて、憶測で決めつけて考えないようにすることで、解決に近づけるでしょう。「TVがついた状態で寝かしつけをしている」というような新たな事実が分かることで、寝かしつけの適切な環境をアドバイスするなど適切な解決方法へとたどり着けます。

 

また、優先順位も大切です。

いくつかの課題点が見つかった時に、簡単に解決できるものから着手してしまいがちですよね。
1つ前の例に戻りますが、本当の原因を探った時にいくつかの課題が見つかります。1つずつ解決しようとする前に何から取り掛かるべきか考えることも重要です。

優先順位

保育園の行事が大変な原因の、制作物が多いという課題 担当が変わる度に1から作り上げているという課題についてそれぞれの解決策を考えてみます。

細分化と優先順位

この場合、担当が変わる度に1から作り上げているという課題を優先して解決するべきです。

 

その理由は、解決策を見てみると、行事自体を見直したり、計画を立てて取り組むように変更したりと「担当が変わる度に1から作り上げている」課題の方がより大本部分の課題ですよね。その解決次第で、装飾物の内容も変わるかもしれません。

 

先に、「装飾物を減らす」「製作物を全員で手伝う体制作り」に取り掛かっていたのに、1から考え直すことになってしまいます。
効率的に取り掛かるためには、優先順位を意識することが重要なのです。

 

課題点に気づく

課題を解決するコツを2つ紹介しました。この2つを意識すると周りからの評価は爆上がりし、組織に必要不可欠な存在になれるはずです。

しかし、冒頭に書いたように問題解決思考が備わっていないと課題に気づくことすらできません。
課題に気づき解決することができる人はそんなに多くありません。一握りの存在と言えるでしょう。

同じ職場内の仕事ができると評価されている人は、他の人に比べて課題に気づくことができたり、解決する能力が高かったりするはずです。

まずは、保育園の課題に気づくこと。これこそが一握りの存在になるための絶対条件とも言えますね。

保育園の課題を解決する方法

▪ 課題解決思考を身に付ける。
本当の原因を見極める。
▪ 事実と憶測を整理する。
▪ 解決順に優先順位をつける。

保育園の課題の多くは、本当の原因に気づきにくく、複雑です。
私の勤める園では課題1つ1つを職員みんなで解決しながら、少しずつ良い保育園へと進化していっていると思っています。
今回紹介した内容は、私の経験も含めていますが他のサイトやYouTubeなどで検索すると他の方の解説にも紹介されているはずです。

私たち保育士1人1人が成長することで、子どもにとっても良い影響があると思います。
日々勉強を積み重ね、質の高い保育を実現させたいですね。