小学生の科学に力を入れています。
今回は学童保育でどのように科学遊びを取り入れているのかを紹介した記事です。
小学生の科学とは?
・植物、生き物【探し】



小学生の科学のはじまりとしては、植物や生き物の種類を知る事や、モノの性質に気づくことだと思います。
普段の遊びの中で新しく気づいたことや知った事を「みて!」と大人に伝えてくれますよね。
そんな瞬間が科学の第一歩なのかもしれません。
最近は、もっと意識的に植物や生き物を探してもらいたいと思い、周辺に生息している植物や生き物の一覧を作りました。
そして、クエストとして取り組んでいます。
クエストとは子どもたちが自ら意欲的に遊んだり活動したりするために学童で取り組んでいるものです。
「子ども主体の保育」や「子どもの主体性」など日本の乳幼児教育が見直されつつありますね。 「海外に比べると日本教育はかなり遅れている」このことを知ったのは、保育士1年目の時。 私は、恵まれたことに最初に入社した保育園で、恩師に出会[…]
・植物、生き物【観察】



小学生の科学として学童に取り入れやすいものが、栽培や飼育だと思います。
これまで様々な栽培に取り組んできましたが、今年の栽培はイチゴとポップコーン作りです。
また、カブトムシの幼虫やダンゴムシ、アリ、イモムシ、ゴミムシ、メダカなどの飼育もしています。
飼育棚を用意し、飼育に必要な情報をラミネートして準備しました。また、クロムブックを使って調べたりもしています。
ポップコーンの栽培に挑戦します! 今回の記事は現在進行形の話で、学童の子どもたちがポップコーンの栽培に挑戦し始めた段階の話です。 普段から学童保育で植物の栽培には取り組んでいますが、ポップコーンの栽培は初めて。 ポップコーンを[…]
・実験



「アルミホイルを叩いたらめちゃくちゃ固くなる?」
「ペンできれいな色の水ができる?」
「ライターを使わなくても火が付くの?」
InstgramやTikTokで気になる動画を見つけたり、高学年から話を聞いたり「ほんとにできるの?」「やってみたい」と思えるような取り組みを実際にやれる環境を作っています。
こうした子どもが自らやってみたいと取り組む時の集中力はすごいです。
そして、そんな体験を通して学んでいることが目に見えて分かります。
また、大人側も「こんな知識をつけさせたい」「こんな体験をさせてあげたい」と思う時があるので、クエストとして張り出してみたり、実験の日を作ったりしています。
子どもの自主性や主体性を大事にしていますが、子どもにすべてを任せればいいという訳ではありません。子どもの遊びや気づきがより発展していくために、大人側が用意しキッカケを作ることもあります。
夏休みには、週に1回実験の日を作り、大人が用意した実験に参加者できるようにしました。
「自由研究で何をさせていいか分からない」という保護者のサポートも兼ねていて、自由研究として小学校に提出している子も何人もいました。
こうした大人側が作ったキッカケが、「もう一度やってみたい」「今度はこんな方法でやってみたい」など次の取り組みにも繋がり、広がっていきます。
・遊びの中の科学要素
科学とは、普段の生活の色んな所に存在しています。
「イチゴがアリに食べられている‼」
最近では、イチゴの実り方の違いや害虫対策、肥料や水やりの量など、イチゴの栽培を通して色んな気づきがあるようです。
砂場で遊んでいる最中にも、山を高くする方法を模索しています。
水の量を調節すると高く積み上げることができるという発見があったり、下の方を強く固めないといけないという発見があったり、自然と協力しながら遊んでいる様子は見ていて面白いです。
顕微鏡の使い方を覚えた子どもたちが、ホコリの中を見てみたり、イチゴのヘタを見てみたり、髪の毛を見てみたりしていました。
小学校では使ったことがないようで、かなり長い時間集中して取り組んでいます。
「木材をつるつるにしたい」とヤスリをかけている場面です。ゲートボールのスティックの持ち手部分を細くしたり、まな板を作ったりもしていました。ヤスリの番手で削れかたが変わることや、摩擦で手が熱くなることなど様々な発見がありました。
土曜日や長期休みには、毎日のように焚火をしています。
この写真は、先生のコーヒーを焚火で沸かしたお湯で作るという目的で取り組んでいる場面です。
学童ルールで、焚火ができるのは火起こし試験をクリアし免許を持っている人だけなので、火を扱う活動は高学年が中心になって進めてくれます。火の性質をしり、薪の置き方や空気の通り道を作る事など体験を通して様々な発見があります。
このように、いろんな場面で科学要素があふれています。
ビー玉が転がるために傾斜をつけてみたり、音で近くの物が振動することに気づいたりと、ほとんどの遊びが科学に紐付けることができるのではないでしょうか。
こうした「なぜだろう?」「不思議」と思うことを調べたり、試したりするだけで科学になりますね。
科学は生きる力を育む
学童での取り組みを紹介してみましたが、小学生の科学は生きる力を育むことにも繋がります。
植物や生き物についての知識、物の性質や性質を利用すること、気づく力や思考力、試行錯誤しながらやり抜く力など。
人が生きていく上で必要な能力が科学遊びの中にたくさん詰まっています。
そして最近になって、こうした能力を養うことが重要視されるようになり日本の教育方法が変わってきていますよね。
私の勤めている学童では、子どもたちをただ預かるだけではなく、学童での生活の中で生きていく上で必要な力を身に付けていくことも大事にしています。
その中でも特に大事にしているのは、子どもの主体性です。
そのためにクエストという取り組みを充実してきましたが、子どもたちの姿がすごく変わったことを実感しています。
私たち大人も、毎日新しい発見ばかりで学びの多い日々です。
こうした学童保育での実践を他の記事でも紹介しています。読んでいただけると嬉しいです。
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