学童の外遊び を充実させる。
今回は、学童の外遊び に焦点を当ててまとめてみました。
この記事は、学童支援員、学童に通う保護者の方、小学校の先生、保育士さんなどに向けた記事です。
学童の外遊び が充実する重要性
学童の外遊び について話す前に、少し考えてほしいことがあります。
この記事を読んでくれている皆様は、学童の”遊び”をどのように捉えているでしょうか。
私が勤めている学童では、遊び=学びだと捉えています。
もう少し具体的に言うと、子どもたちは遊びを通して様々な体験を積み重ねます。誰かと一緒にトランプやウノをする中にも勝って嬉しかったり、負けて悔しかったり、他の人に気を遣ったり、協力したりなど。こうした体験の積み重ねこそが子どもの人格の基盤になり、考える力や協調性などへと繋がっていきます。
だからこそ、私の勤めている学童では遊びを重視して、豊富な体験ができる環境作りに力を入れています。
数年前に大きく保育を見直した時期がありました。その時に最初に取り組んだことが遊びの充実です。遊びが充実していくにつれて子どもたちの言葉や態度がどんどん変化していきました。
「学童はひまい」という言葉が「学童は忙しい」へ
「帰りたい」という言葉が「まだ帰りたくない」へ
「何かして」という言葉が「これやりたい」へ
「指示待ち」だった姿が「自ら考えて動く姿」へ
こんな感じで子どもたちが変化していきました。
まず、遊びが充実していくことの大切さについて書きましたが、伝わったでしょうか。
ここからは、具体的な実践を紹介していきます。
学童の外遊び が充実する方法
学童の遊びが充実するために抑えるポイントから紹介します。
1つ目のポイントは、環境を整えることです。2つ目は、遊びを増やすこと。3つ目は、継続させることです。
この3つのポイントは室内遊びも外遊びも同じことが言えます。今回は、外遊びに焦点を当てて紹介していくので、室内遊びについては省力します。別の記事に紹介していますのでそちらを読んでいただけると嬉しいです。
この3つのポイントに沿って、学童の外遊びが充実する方法を紹介していきます。

私の勤めている学童には園庭があります。広さはバドミントンコート2面分くらいでしょうか。
この写真は、園庭で水鉄砲大会をしている様子ですが、見ての通り、ただ砂地をフェンスで囲っただけのスペースです。
当時は、園庭遊びと言えば3歩当て。低学年から高学年まで混ざって3歩当てをして遊びます。高学年がいない時間は、だるまさんが転んだや縄跳びをして使っていました。毎日毎日、ケガが絶えませんし、高学年と低学年からお互いに不満が絶えません。どうしたものかとすごく悩みました。
1,外遊びの環境を整える
まず取り掛かったことは、ポイント1の環境を整えることです。


「園庭のスペースをどのように使いたいか?」職員みんなでアイデアを出し合いました。
その結果、走り回ったり、ボール遊びをしたりするのではなく、落ち着いて過ごす園庭を目指すことに。
木材で囲いを作り、砂場を設置することから始まり、畑、焚火スペース、工作用テーブル、薪置き、農具小屋などを設置していきました。できるだけ経費が掛からないようにほぼ手作りです。


2,遊びを増やす
次に、ポイント2の遊びを増やすことです。
これは、学童の外遊び に限ったことではなく、室内も含めて遊びの選択肢を増やしていく作業です。
例えば、オセロやトランプ、ウノなどの玩具はどこの学童にも置いてありますよね。そういった玩具を増やすことで遊びの選択肢も増えていきます。
ただし、玩具を買うだけでは不十分です。
例えば、トランプ3セット用意したとします。しかし、子どもたちがババ抜きしかできない状態であれば遊びの選択肢は増えていません。お金、ダウト、神経衰弱、大富豪など、遊び方を知っている状態で初めて選択肢が増えていくのです。
そのため、【子どもたちに遊び方を伝えること】と【子ども同士で遊びが伝わっていくこと】この2つを達成していく仕組みを考え、環境として作り込んでいきました。
同じ視点で、学童の外遊びの選択肢も増やしていきます。
詳細は、別記事にまとめていますので、よかったら読んでみてください。
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3,遊びを継続させる
最後に、ポイント3の遊びを継続させることです。
言葉では簡単に言えますが、これが、1番難しく、1番重要かもしれません。
遊びの環境が整い、子どもたちの遊びの選択肢も増やすことができたとします。ここまで来ると、1つ1つの遊びが盛り上がり子どもたちも意欲的に遊び込むようになるかもしれません。
しかし、時間が経つにつれて遊びが盛り上がらなくなってきます…。理由は様々考えられますが、1つ目の理由は「飽き」です。
「熱中できない」状態が必ず訪れるので、飽きさせない工夫として、定期的に○○遊びのブームを作る工夫や、コンテストを開催するなど対策をしています。
2つ目の理由は、「子ども自ら考えて遊ぶ姿が育ってないから」です。
子どもが、大人から指示をされる受け身の状態では、いつまでたっても遊びが継続していきません。大人が一緒になって遊びを引っ張っていかなくてはいけないからです。「○○先生がいれば遊びが盛り上がる」「○○先生と一緒に遊びたい」こんな状態ですね。
大事なのは、子どもが自発的に何かに取り組みたいという気持ちと、実現するために自ら行動しようとする姿です。
そのため、私たちは意見箱を設置して、子どもの意見を吸い上げることと、意見を実現するために一緒に考える事を重視してきました。
今となっては、子どもの発案が当たり前になり、職員は行き詰った時にサポートするような存在です。ここまで来ると遊びが勝手に盛り上がり継続していきます。
学童の外遊び 実践例
ここからは、更に具体的に実践例を紹介していきます。
虫探し
虫探しは以前から遊びの1つとして取り組んでいました。更に遊びが充実するために、図鑑や飼育ケースを用意して飼育できる環境を作ります。時には、クエストを用いて「カミキリムシを見つけよう!」「この幼虫は何になるか育ててみよう!」など興味を掻き立てるような工夫も行いました。責任を持って育てるために、飼育申請書を作ったり定期的に報告するような仕組みも作ります。
飼育できる子が増えてくると、次から次に飼育する昆虫が増えていきました。YouTube有り


焚火
やきいもなどの行事で火に触れる機会はもともとありました。しかし、職員が企画し子どもたちは参加者という構図になっており、遊びの1つというより、イベントです。そこで、火起こし試験を作り、学童独自の免許が取得できる環境を整えました。
現在は、2名しか免許を持っていませんが、ブロッコリーやポップコーンを焚火で調理したり、野外でカレーを作ったりしています。免許の効果も抜群で、安全に気を付けて取り組む姿が見られ、火の危険性も子どもたちに伝わっているようです。YouTube有り


栽培
思い切って、園庭に畑を作りました。最初は子どもに任せずに職員が栽培に挑戦していると、収穫のお手伝いを志願する子たちが出始めます。「次はトマトが良い」など子どもたちからの意見が出るようになった時に、子どもに任せることにしました。これまでキュウリやトマト、オクラ、ナス、ししとう、唐辛子、ポップコーン、枝豆、イチゴ、レタス、白菜、キャベツ、ブロッコリー、大根などを育てましたが、子どもたちが自分たちで調べて水やりや虫の駆除を頑張っています。YouTube有り


スポーツ大会
学童の行事としてスポーツ大会を企画している時期もありましたが、「野球大会」「サッカー大会」などが定期的に子どもたち発案で行われるようになりました。私たち職員が作った環境としては、クエストの中で「ストライクを投げてみよう」「ヒットを打ってみよう」と段階を踏ませるようなチャレンジ項目を作ることです。未経験者ばかりですが、試合が成立するくらいまで上達しました。YouTube有り


川遊び
近くの川で泳いだり、釣りをしたりしますが、川は危険です。子どもたちから「川で泳ぎたい」という意見が多く出ますが、川の危険性を理解してもらうためにも、川に行ける条件を設定しました。人数を限定したり、川に行く目的を明確にしたり、服装や道具を揃えたりします。子どもたちにも大人の職員配置や熱中症アラートのことを伝えて、子どもと大人が協力して実現できる遊びです。YouTube有り


木工製作
保護者支援の一環として、夏休みの工作の宿題を学童でできたらどうだろう?ということで、木工製作が始まりました。そして、焚火用の薪を用意したり、棚を作ったりして子どもたちも園庭の環境作りを手伝ってくれています。その過程で、インパクトやノコギリ、ナタ、金づちなどを使えるようになっていきました。YouTube有り


科学
学童の外遊び の1つとして、砂場遊びが低学年に人気です。砂場でサラサラの砂を集める子が多く、細かい網目の物や、風を利用して更にサラサラにしようとしています。また、丁度その時に、壊れた掃除機やスピーカーなどを分解したり組み立てたりしていると、スピーカーの中に大きな磁石が使われていることを発見しました。そして、砂の中に磁石にくっつくものがある発見し、1日中砂鉄を集めて回っています。


学童の外遊び の1部分に過ぎませんが、こういった遊びが日常的に行われています。
そして、私たち学童支援員は遊びの環境を常に更新し、どうすれば子どもたちの遊びが更に発展していくか?継続していくか?ということを試行錯誤し続けています。中には、大人の思惑通りに上手く遊びが広がっていく時もありますが、失敗することがほとんどです。しかし、確実に学童でできる体験は増えていますし、子どもたちの経験値も上がってきていることを実感しています。
学童の外遊び まとめ
今回は学童の外遊び に焦点を当てて紹介しました。
この記事の要点として、遊びが充実することで子どもの学びが深まる。そして、遊びを充実させていくためには、環境を整え、遊びの選択肢を増やし、遊びが継続していく工夫をすることが大事。という点が伝えたかった部分です。
学童支援員として、子どもたちにとって楽しいと思える学童であり、学びに繋がる学童でありたいと思って日々試行錯誤しています。まだまだ課題が多く、悩みが尽きませんが同じような境遇の方に少しでも参考になれればと思い発信していますので、アドバイス等ありましたら、コメントしていただけると嬉しいです。
終わり