保育園は情報共有ができないとまずい?改善する方法と実践紹介!

  • 2024年6月28日
  • 2024年6月30日
  • 保育園

保育園は情報共有がすごく大事!と言われてピンとくるでしょうか??

このことに気づいたのは、数年前の保育の改革中です。前の職場で、先輩に指摘されたことがありましたが、その時はそこまで響いておらず、長崎の園に来てようやく、「共有」の重要性に気づくことができました…。「情報共有の徹底」など当たり前に口にしていましたが、本当の意味で理解できていなかったのだと思います。

最近、送迎バス置き去りや不適切保育など、保育園が悪い意味で注目されていますよね。保育園で起こる事故や事件などを防ぐために、マニュアルの作成など行政から通知がきますが、マニュアルを作ったところで、職員間で共有され徹底できなければ意味がないんですよね…。

全てを完璧にやるのは難しいですが、私の勤めている保育園や学童でも感染症や熱中症、ケガの処置、アレルギーなど職員間で情報共有しながら取り組んでいます。こうした、「情報共有」についてどんな風に取り組んでいるのか?紹介していきたいと思います!

保育園は情報共有ができないとまずい?

私の勤める学童や保育園は”情報共有”が課題でした。保育園で情報共有ができないとどうなるのか?

実際に体験したことも踏まえて、まとめてみたいと思います。

共有不足がもたらす問題点の1つ目は、保護者が不信感を抱くことです。

保育園とは、シフト制で早番、遅番など職員が入れ替わりながら子どもたちを預かっています。午前中に子どもがケガをしたことを遅番の先生が知らなったら、お迎えに来た保護者に伝えることができません。保護者目線で考えると、ケガしたことを保育園の先生が知らないと、すごく不安に感じ信用できなくなってしまいます。

また、ケガに限らず保育の内容についてなど、保育士によって回答が異なっていたり、伝えたことが他の保育士に伝わっていなかったりすると不信感を抱きますよね…。保育園のルールや、対応手順、方針など、どの保育士に聞いても応えられるようにしておくことが望まれます。

共有不足がもたらす問題点の2つ目は、担当者任せになり、居心地が悪くなることです。

例えば、遠足の担当者が、遠足の内容や準備の進行状況などを他の保育士に共有してなかったとしたら、周りの保育士は手伝うことができません。今年の遠足は何をするのか?当日は私たちは何をすればいいのか?準備は間に合うのか?など担当者以外の保育士は、何も把握していない状況が当たり前になると、担当者だけが準備に追われ大変な思いをしたり、他の保育士も聞きづらく、手伝いづらかったり、風通しが悪い保育園になってしまいます。そうなってしまうと、すごく居心地が悪いです。

各クラスや調理室、事務所などの共有ができていないことも居心地の悪さに繋がります。お互いに何をしているのか分からない。こっちは大変なのにあっちは暇そうにしているなど、不満につながることにもなりかねません…。

共有不足がもたらす問題点の3つ目は、仕事効率が低下することです。

例えば、先ほどの行事の担当者の話の続きになりますが、行事の企画や準備を1人でやったとします。他の保育士からすると、いつ何をどんなふうに準備してきたのか分かりません。1年後、遠足行事の担当者が変わると、何も知らない状態から手探り状態でスタートすることになります。昨年の上手くいったことや失敗したことなどもリセットされるのは、かなり勿体ないですし、手間もかかりますよね。他にも、クラスが変わった時や、担当者が変わった時なども同じことが言えます。担当者任せにしていることで、周りの保育士が把握できないことや、引き継ぎがされていないことで、仕事効率が低下するのです。

また、行事などで企画し準備している時に、少しずつ園長先生や周りの保育士さんと共有しておかないと、方向性がズレていたり間違いや見落としがあったりして、最初からやり直しになってしまうことがあります。特に、園長先生には進行状況を定期的に報告しておかないと、どんでん返しがあることもしばしば(笑)これは、これまで実際に何度か体験したことがある事例です。

共有不足がもたらす問題点の4つ目は、保育士1人1人が育たないことです。

先ほども、書いたように行事の進め方などで共有をすることで、先輩の進め方を知ることができたり、自分とは違うやり方を知れたりします。そのため、共有ができていなかったり引き継ぎが出来ていなかったりすると、自分のやり方以外を知るきっかけがなくなってしまい1人1人のスキルが伸びなくなってしまいますよね。職員間で共有することで、行事の担当にならなくても、みんなで共有しながら進めることで、その人の進め方を知り色々と吸収して、保育士みんながスキルアップすることに繋がるのです。

共有不足がもたらす問題点の5つ目は、責任が大きかったり、責任の所在が曖昧になることです。

職員間での共有を疎かにすると、他人がしている仕事には無関心になってしまうため、失敗したときは担当者のせいにしてしまいます。行事では、なんとかカバーできるかもしれませんが、取返しのつかないこともあります。例えば、アレルギーの管理。給食に関わることだから調理が担当するのは分かりますが、調理さんがうっかりアレルギー食を除去するのを忘れてしまい、保育士も気づかず子どもが口にしてしまった。ってことが起きた場合調理だけの責任でしょうか?

この場合、そもそもの原因は調理と保育士との共有・連携に問題があり確認作業をしていないことにあります。職員間で共有をしっかり行わないと、ミスした人が悪い、○○のせい、など責任の押し付け合いになってしまい、そんな雰囲気の中でリスクを背負って働きたくないですよね。

また、責任の所在が曖昧になるというのは反対に誰も責任を取ろうとせずに、押し付け合いになることです。職員間で共有をしっかり行い、○○についてはAさんが行う、○○についてはBさんが行うなど役割分担を確認することが大事です。

保育園の情報共有を改善する方法

保育園の情報共有ができていないとまずいな…と思ってもらえたでしょうか?
私の勤める保育園や学童では、この情報共有について職員さんみんなでアイデアを出し合い、意見し合いながら取り組んできました。

今現在も、改善中ですが居心地が良くなったし、働きやすくなったと感じています。

具体的に取り組んだ内容は大きく分けて3つです。

1,話し合いの時間を意図的に作った。

2,付箋を活用して個人個人の気づきや意見を出しやすくした。

3,話し合いの内容を改善した。

4,共有用のノートやファイル、アプリなどを活用した。

1つずつ具体的に紹介していきます。

1,話し合いの時間を意図的に作った。

これまで、月に1回の職員会議は実施していました。しかし、職員会議には園長先生も参加するため、各クラスや行事の係りからの報告がメインになります。職員会議では、職員間での情報共有や全員で確認し直したいことを話す時間が足りないため、週に1度みんなで集まる時間を作りました。

保育士さんは昼休みの時間も連絡帳の記入や行事準備、記録などすることが沢山ですので、本当は会議の回数を増やしたくはありません。そのため、できるだけ会議の雰囲気が固くならないように、お菓子やコーヒーを飲みながら世間話も交えながら行うようにしています。まだまだ、全員が気兼ねな話せるようになるには時間がかかりそうですが、「話し合い大事だね」と言ってくれていて効果も出てきているみたいです。

2,付箋を活用して個人個人の気づきや意見を出しやすくした。

職員間の情報共有を見直そうと言っても、何から話せばいいのか?誰が話始めるのか?という状態になってしまいます。また、話し合いの時に話したいことが思いつかないこともありますよね。そのため、保育中に気づいたことや、困った事、みんなで確認したいことなどを付箋にメモしてボードに貼り着けるようにしました。話し合いの時に、そのボードを見て貼られている内容を1つずつ消化していくようにしています。

ボードに貼られた付箋

3,話し合いの内容を改善した。

話し合いの仕方や内容も改善が必要かもしれません。実際にあった例が、話し合いが脱線してなかなか先に進まないことです。そのため、話し合う前に「今日はコレとコレとコレの3つについて話し合います」と話し合う内容を最初に確認するようにしました。また、「司会は進行だけでなく喋ってない人に話を振ったり、脱線しそうになったら話を戻したりするようにしよう」と司会の役割についても確認しました。

話し合いの内容については今も改善中ですが、一番大事なことはみんなで考えてみんなで決めることです。そのために、1人1人が意見しやすいような場を作ることを心掛けています。

4,共有用のノートやファイル、アプリなどを活用した。

話し合いの時間を設け、みんなで確認し合うことができるようになったとしても、休みの職員さんがいたり、話し合いに参加できなかった人がいたりすることがあります。そのため、話し合いで決まったことはその都度、ノートやファイルにまとめていつでも確認できるようにしたり、職員連絡用のLINEに流したりして、全員が把握できるように努めています。

人間は忘れる生き物ですので、忘れる前提でいつでも確認できる場所を作ることは必須なのではないでしょうか。

ノート
話し合いノート
アプリ
スケジュール共有用アプリ

まとめ

保育園は情報共有ができていないとまずい5つの理由。

1,保護者が不信感を抱くこと

2,居心地が悪くなること

3,仕事効率が低下すること

4,保育士1人1人が育たないこと

5,責任が大きかったり、責任の所在が曖昧になること

保育園の情報共有を改善する4つの方法【実践例】

1,話し合いの時間を意図的に作る

2,付箋を活用して個人個人の気づきや意見を出しやすくする

3,話し合いの内容を改善する

4,共有用のノートやファイル、アプリなどを活用する

保育園の情報共有ができないとまずい理由と改善する方法について紹介しました。この内容は、実際に保育園で実践していることで結果も出ています。

職員さんの働きやすさにも、保育の質にも影響することですので見直してみるといいかもしれません。

少しでも参考になれれば幸いです。