気になる子の保育はどうすべき?発達支援のポイントまとめ

気になる子の保育はどうすべきなのか?

保育士をしていると子どもとの関わり方は、常に悩みの種ですよね。
そして、気になる子への配慮や対応についてはもっと悩む人が多いと思います。

発達支援や気になる子への対応方法は、養成校の授業や就職した後の研修などで触れるため、保育士なら適切な対応方法はある程度知っているはずです。しかし、それでも悩む方が多いのが事実です。

その理由は、子ども1人1人の性格や好みが違ったり、保育園の環境や保育方法が違ったりするからだと思います。
その中で、目の前の子どもにとって何が適切で効果があるのかを見つけなくてはいけません。

今回は、私が保育士として子どもたちと関わりながら学んだ体験談を中心に紹介していきます。

気になる子って何?

「発達障害」という言葉を聞いた子どがあると思いますが、発達障害とは、脳機能の発達に関係する障害です。 発達障害のある人は、他人との関係づくりやコミュニケーションなどが苦手ですが、優れた能力が発揮されている場合もあり、周りから見てアンバランスな様子が理解されにくい障害です。

「発達障害とは?」と検索してみるとこのように出てきます。

保育園に通う子どもたちが「発達障害」を抱えているかどうかというのは、見分けるのがとても難しいです。

そして、断定はできないけども発達に遅れがあるのではないか??というような子どものことを「気になる子」「グレーゾーン」と言ったりします。

「気になる子」は、他の子どもに比べて特別に保育士の支援が必要になったり、周りの友達と上手くなじめなかったりするため、複数の子どもを見ている保育士は保護者の方よりも気づきやすいと言えるでしょう。

気になる子への対応のポイント

気になる子や発達障害の子は、他の子どもに比べて発達に遅れがあることが多いです。

そのため、子どもが理解しているかどうか?を気がけてその子に適切な関わり方をすることが必要になります。例えば、子どもに伝える言葉のチョイスだったり、指示を限定したり、言葉だけでなく視覚的に伝えたりです。

発達支援の研修でも、「視覚から伝える」ことの重要性を言われますが、お片付けの場所が分かりやすいようにイラストを掲示する、生活の流れが掴みやすいように時計と活動がリンクしやすい掲示をするなど、環境面でも配慮が必要になります。

ここからは、私が保育士として特に重要だと思った点の紹介です。

1,子どもの行動の背景(経緯)を理解すること
2,1対1で関わる時間を作ること
3,曖昧な表現はできるだけ避けること
4,特別扱いしすぎないこと

日々の保育で子どもと触れ合いながら、この4つが特に重要だと感じました。子どもたちの姿には必ず理由があります。1,子どもの行動の背景(経緯)を理解することとは、子どもたちの姿の根本的な理由を知る努力をするということで、大人の勝手な決めつけは良くありません。保育園での姿の根本的な理由は、家庭環境にあったり、大人は気にも留めない些細なことが原因だったりすることもありますが、それを理解して受け止めてあげるだけで子どもの行動が改善されることは結構多いのです。

2,1対1で関わる時間を作ることというのは、発達障害の子や気になる子は他者との関わりが苦手なため、他の子がいる空間よりも、個別に1対1で会話したり、関わったりすると解決に繋がることが多いと感じています。

3,曖昧な表現はできるだけ避けることというのは、良い・悪い、嬉しい・悲しいなど言葉と表情などを分かりやすくするということです。また、先ほども書きましたが複数の指示を一度に出したりするのではなく、「次は○○だよ」と1つずつ伝えるというのも必要になってきます。

4,特別扱いしすぎないことというのは、発達障害の子だから、気になる子だからと他の子とは明らかに違う対応を取ることは、その子にとっても他の子にとっても良くないです。大事なのは、必要な支援はやってあげないといけないですが、子どもが自分でやろうとしていて大人の助けを求めてもいないのであれば、手を貸す必要はありません。特別な配慮が必要とは言え、子どもは自ら育つ力を持っているため、大人が無理に介入して育つ機会を奪ってしまってはいけないですよね。
また、他の子たちに「なんで○○君だけいいの?」など聞かれて返答に困る場面もあるかと思いますが、他の子たちからすると同じクラスメートでなんの偏見も持っていません。1人の子を特別扱いをしすぎることで、他の子が我慢したり活動が制限されるのも良くないですよね。
難しいことですが、気になる子への特別な配慮は必要な場合に行ない、他の子と同じように関わることも大切なのです。

気になる子は天才

これまで「発達障害の子」や「気になる子」は複数人見てきました。他の子に比べて発達に遅れがあったり、理解力が劣ったり、手がかかったりもしますが、逆に他の子よりも飛び抜けて出来る分野を持っていることも多いです。

「発達障害」や「気になる子」は他の子に比べて偏りがあるということで、何かに強いこだわりがあったり、執着したりする傾向があります。例えば「音」や「色」、「数字」、「製作物」など。

「天才は発達障害の人が多い」と聞いたことがありませんか?
芸術の天才や科学者、アクション俳優などに発達障害を持った人がいるのは有名ですよね。

見方を少し変えると、他の人よりも優れた点を持っているため、海外ではギフトを授かった人たちと表現されたりもします。

保育士としての体験談

「気になる子」や「発達障害」という言葉は昔に比べてかなり増えたと聞きます。実際にどこの保育園でも、気になる子は複数いるはずです。知り合いの保育士からもよく悩み事として聞く機会が多いです。

そして、「気になる子」や「発達障害」の認知度が上がったことで、そういう目で見られる子どもが増えているようにも感じます。例えば、感情的になりやすい子や気持ちの切り替えが上手にできない子、1人で遊ぶことが好きな子などがそういう目で見られがちです。

以前、話し合いである子どもの姿が議題にあがりました。

他の子とトラブルが起きた時に、部屋から飛び出す。保育士が理由を聞いても答えない。気持ちの切り替えにかなり時間がかかるといった姿でした。

その話し合いは、その子は「発達障害」なのではないか?と言う方向に話が進んでいきます。

結果的には、「発達障害」ではなくただ気持ちの切り替えと感情の表現が苦手なだけでした。徐々にその子どもの姿は良くなっていき問題の行動はなくなりました。私が言いたいのは、保育士が扱いにくい子は「発達障害」「気になる子」と決めつけられやすくなってしまい、保育士側の環境への配慮や子どもとの関わり方に着目しない場合があることが問題だということです。

「気になる子」「発達障害」だから仕方がないと決めつけてしまえば、気が楽になります。

ですが、保育士として子どもの行動の背景を理解しようと努力したり、環境の改善に努めたり、関わり方を改善したり、保育者側が改善すべき点を怠ったまま「発達障害だろう」と決めつけるのは言い訳なのではないでしょうか。

気になる子の対応 まとめ

気になる子の対応で大切なのは、子どもが理解できているかどうか?を見極めること。そして、その子に適切な関わり方をすることが必要。

保育園での対応のポイントとしては、

1,子どもの行動の背景(経緯)を理解すること
2,1対1で関わる時間を作ること
3,曖昧な表現はできるだけ避けること
4,特別扱いしすぎないこと

これらが重要で、意識して保育していかないといけない。
また、「天才は発達障害の人が多い」ため、ネガティブに受け取るのではなく、その子の長所を伸ばす工夫も必要。

そして、「気になる子」「発達障害」だから仕方がないと決めつけてはいけない。

以上、気になる子の対応についてまとめてみました。保育士をしていると必ず悩む機会は多くなると思いますが、子どものことを第一に考えて、何が最善なのか模索し続けることが何よりも大事なことだと思います。子どもたちのことで悩み、本気で良くしていこうと行動できるような言い保育士になりたいですね!